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聞えない音。

月明りで眠れないので

時間を過ごすために

手元にあった太宰治の短編の作品を読む
 


月明りは縁側を照らし

部屋の奥で寝ていrうほかの人間や、生活感を影で隠した


ただ、本のみが柔らかな光で照らされて、

わたしは本の世界にのめり込む


「トカトントン」

この音は、多くの現代人も

聞いているのではなかろうか


「トカトントン」

失敗をしたくない人には特に

この音は聞こえているのではないかと思われる


成績が悪くても

結果が出せなくても

人と馴染めなくても


この音のせいだから

仕方がない

この音のせいにしていれば

自分の弱い心が隠し通せると思っている


目に見えないものを

聞こえない音でさらに隠す


「トカトントン」

わたしにも聞こえてくることはある

でも、そんな音を消し去るくらいに

夢中に生きていこうと思うのである

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