キャッチボール
夕日に照らされた、がっしりとした背の高い二人が、川岸の広い空き地でキャッチボールをしていました。
キャッチボールをしている二人は、夕日に照らされて影絵の様に黒く見えました。
「ナイスボール、いいねぇ、球はしってるねぇ」
「そりゃそうだよ、今日は朝から、一日、調子よかったし―――」
「……おっ、いいねぇ――」
「だろ――」
「……みんな毎日、今日の赤さんみたいに、過ごせれば、いいんだけど――」
「……本当に、青タンのいう通り、そんな世の中になればいいなぁ」
夕日はいつの間にか、建物の影に隠れてしまいましたが、まだまだ、明るい時間です。
二人の姿がはっきり見えました。
キャッチボールをしていたのは、赤鬼と青鬼でした。