オフィスカジュアルに憧れて
「子供の頃からの夢だったの。丸の内のオフィス街をパリッとした服でカツカツ歩いて、受付で社員証をピッてするの。」
10月から始まった「無能の鷹」というドラマで、菜々緒さん演じる主人公・鷹野が言っていた台詞だ。
小さい頃からお仕事ドラマが大好きだった私の中にも、この主人公と同じ種類の「憧れ」がある。
今年の春、初めてテーラードジャケットを買った。
全員がそうではないにしろ、たぶんこういうジャケットは仕事用で買う人の方が多いのではないかと思う。
しかし私の会社は、内勤の社員に限るが服装規定が緩く、かなり自由度が高いほうだ。夏はTシャツにGパン、冬はパーカー率が高く、フード付きパーカー着用率が8割を超える日もある。
そんな会社なので仕事着というのを買ったことがなく、ジャケットも持っていなかったのだが、服屋さんの一角にあるスーツやジャケットのコーナーを見る度、いいなぁ素敵だなぁと思っていた。
興味本位で試着してみたこともあったのだが、あまり似合わなかった。思えばリクルートスーツもあんまり似合わなくて嫌いだった。
でもやっぱりお店で見かけるとついついチェックしてしまう。普段着でも、ワンピースの上に羽織ったりしたら素敵だなーと思いつつ1歩踏み出せないまま時が過ぎていった。
そんな中、今年の春先に結婚が決まり、入籍前に両家顔合わせをすることになった。フォーマルな服を持っていなかった私は、これでジャケットを買う理由ができた!と思った。
何店舗か回って試着し、自分の骨格(ナチュラル)に合う丈長めのゆったりめシルエット、またボタンが金色のほうが圧倒的にしっくりきて可愛かったのでその中で手頃なお値段のものを購入。
顔合わせは無事終了し、そのあと春のお出かけにも何度か着ていった。
似合わないと思ってたけど、ちゃんと似合うものを選んで買えば全然いけるやん!
服を買ってこんなにテンションが上がったのは久しぶりだった。
そして私は、これを会社に着て行ってみようかな?と思い立った。
キッチリしすぎて逆に弊社では浮いてしまう気はするけど、どうしても着て行きたくなった。
一緒に買ったブラウスにジャケットを羽織り、きれいめのワイドパンツにローファーを履く。
夫から、「バリキャリみたい!かっこいい!」と言われ鼻の下を伸ばしつつ、出勤した。
電車に乗っている最中、同じ車両に乗っているいつメン(いつも見かけるメンバーの略)たちも、今日は私のことをどっからどう見ても働くキャリアウーマンだと思っていることだろう!となぜか内心鼻高々であった。
そして会社に着き、自意識が過剰すぎる私は周りからの視線が気になったが、特に何も言われはしなかった。まあ、私が逆の立場でもわざわざ声をかけたりはしないと思う。この後、なにか予定でもあるのかな?と思うくらい。
ちなみに予定は…一応ある。
私は趣味で弓道をやっており、仕事帰りに弓道場に寄った。
弓道仲間が、「今日はかっこいいOLさんみたいだね」と言ってくれた。純粋にとてもうれしかった。
9月に行った7泊8日の北海道旅行にも着ていった。
1週間着ていたけど意外と結構何にでも合うし、ホテルの朝食会場にもジャケットを羽織るだけで
ちょっとお上品になれるので便利だった🫶
ポケットがあるのも助かる。
今年、ジャケット1枚羽織るだけで過ごせる秋はとても短そうだけれど、これからの季節たくさん着たい。
そして話は冒頭に戻りますが「無能の鷹」とても面白いです。
おわり