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日記 2025年2月19日
日記です。
前日譚 その1
今回の日記のメインはパウル・クレー展であるが、これのきっかけとなったのはほぼ同時期に名古屋市美術館で開催されているジャン=ミッシェル・フォロン展の影響である。
ジャン=ミッシェル・フォロン展については、前回の日記を参照して頂きたい。
パウル・クレー展についてはいつ見に行こうかと考えていたのだが、友人が近々名古屋に行く用事があった。それに合わせる形で、パウル・クレー展にも行くことが決まった。
前日譚 その2
パウル・クレー展に行く前日、我々は駅前のカラオケ屋で3時間カラオケをしたのち、駅の本屋を物色していた。
カラオケでは彼は大好きな歌手を歌っていたし、私はくるりを始めとしながらフジファブリックやSUPER BUTTER DOGなどの2000年代邦ロックを歌っていた。
駅の本屋は小さくは無いが大きくも無い。我々はどうせ明日名古屋に行くのだからと、もっと大きい本屋に行こうという話になった。
名古屋とインドカレー屋
今回も僕は本を持っていった。村上春樹のデビュー作として知られる風の歌を聴けである。
この記事の文章体はそれにもろに影響を受けた、少し小説寄りの書き方となっている。
この160ページほどの短い小説を読みながら、ボックスシートに並んで座り、時折外を眺めていた。
僕はこの時、友人に「本を読んで、たまに外の景色を見ながら、良いなと思える旅行をしていたい」と語った。友人は賛同してくれた。
友人は名古屋での昼食にインドカレー屋に行きたいらしく、名古屋駅から地下鉄とバスを使って行くそうのだが、私もついていくことにした。
友人が用事を済ませると、我々はインドカレー屋に入った。
そのインドカレー屋の店内は非常に落ち着いた雰囲気だった。決して明るくも無いし、人が多いわけでもなく。それでも、なぜかすごく良い雰囲気に思えて仕方が無かった。
このお店には僕はもう一度行きたいと思えた。そんなお店だった。
パウル・クレー展
ここからが話のメインであるパウル・クレー展である。パウル・クレー展は現在、名古屋・栄の愛知県美術館で開催されている企画展だ。
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パウル・クレーについてもジャン=ミッシェル・フォロンのような解説を行いたい。参考資料はミュージアムショップで買ったパウル・クレー展の公式図録だ。
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パウル・クレーは1900年代にドイツやスイスなどを拠点に活動した芸術家で、グリッドを用いた抽象的な絵画が多いのが特徴である。
旧友とチュニジア旅行に行った際に、友人たちとの議論を経て自身が苦手としていた色彩をモノにするなど、議論を大切に考えていた芸術家だった。
20世紀前半の前衛芸術家のほとんどは、未来派などのグループを構成したが、彼はそのようなグループへの連帯を示すことは無く、画商の販売戦略とも相まって孤独な芸術家として知られていた。
だが彼も家庭を築き、友人と音楽を楽しむなどをしていた。この企画展は、彼が本当に孤独だったのかを解き明かしていくような構成となっている。
パウル・クレーは前述したように、かなり抽象的な絵画を描いていたため、説明を読んでも理解しがたい絵画は、正直多かった。
公式図録はかなりの部分が文章で占められているため、読めば理解が進むかなと考えて購入したものだった。友人も買っていた。
パウル・クレー展は3月中旬まで愛知県美術館で開催中。
入館料は一般1800円、高大生1200円。
雑談とインスピレーション
パウル・クレー展を見終わり、近くの大型本屋へ向かっていく途中、彼と感想および雑談をしていた。
私は孤独な芸術家として認識されていたパウル・クレーが、実はそういう世間のイメージから乖離していたことを見るに、僕らが応援しているアーティストも、アーティストに近しい人しか知らないことがあるのではないか、と。彼は自分の好きなアーティストを引き合いに、一部賛同はしつつも露出の多いアーティストもいるという事を言った。確かにそれも一理あるなと思った。
私が本屋に来た理由は、本来は村上春樹の騎士団長殺しやねじまき鳥クロニクルを手に入れるためだったのだが、途中から建築コーナーや美術コーナーに行った。
今、僕は創作に行き詰っている。だから、インスピレーションが欲しかったのだ。
しかし、僕は気づいてしまった。結局のところ、地図を読むのが一番早いのだと。
帰りは風の歌を聴けを読み終えてしまったので、電車内でみんはやをやりながら過ごしていた。帰宅ラッシュの車内は混んでおり、私と友人は並んで座ることができなかったため、会話は交わさなかった。
後日談
その翌日、つまり今日のことだが、友人と近所の本屋に行った。もともとはオルクセン王国史の4巻と鉄道ジャーナル4月号を買うためだったが、結局ねじまき鳥クロニクルも購入してしまった。ああ、積読が溜まってゆく。
ギャラリー
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登場人物紹介
僕 筆者。本にお金を使いすぎて財布に危機感を感じている。
友人 数少ない友人。またどこかへ行こうねと言っている。