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英語育児で非英語ネイティブの親が英語で読み聞かせをすることについて

英語育児(おうち英語)を実践するなかで、英語ネイティブではない親が英語で読み聞かせをする意義は、親子で英語空間を共有することにあると考えています。

読み聞かせで意識すべきは、インプットではなく、共有です。

「共有」できていれば、英語での語りかけは必ずしも必要ではありません。

そして、この親子で「共有」した経験こそが、子どもが英語を自分の言葉にしていくうえで、大きな助けになると考えています。



※この投稿で「子ども」というときは、読み聞かせ黄金期にある幼児(~小学校低学年)を想定しています。

親子で英語空間を「共有」する


親が英語で読み聞かせをすると、子どもは英語を通しておはなしの世界に触れることができます。

もう一つ、私が考える大切なことは、親子でその空間を共有するということです。

ふだん日本語で話している親子でも、英語のおはなしに接したとき、英語で語られるその世界に一緒に入り込んで、心を通わせることができるのが、英語での読み聞かせだと考えています。

「共有」するには、どう読むか


英語での読み聞かせには、さまざまな考え方があるようですが、将来のバイリンガルを目指す英語育児において、私がお勧めしたいのは、日本語(母語)で読み聞かせするときと同じスタイルで行うというものです。

簡単に言うと、読み上げる本文が英語になるだけで、読んでいる途中のやりとりは、ふだんどおり日本語を使います。

もちろん、英語の文をそのまま日本語に訳すことはしません。
意味を日本語で説明したりすることもほとんどありません。

そのように子どもに「分からせようとする」のではなく、英語の文(または挿絵)の内容を受けて、頭に浮かんだことや感じたことを、日本語でそっと添えて、子どもとやりとりするのです。

これは、おそらく多くの方が日本語(母語)で読み聞かせをするときに、自然にやっていることではないでしょうか。

なので、日本語で読み聞かせしているときの自分が、英語で読み聞かせするときの手本になります。

英語のインプットを目的にしない


このとき意識したいのは、親子の読み聞かせの目的は、英語をインプットすることではない、ということです。

「英語の言葉をたくさん覚えてほしい」「早く英語が読めるようになってほしい」という気持ちが強すぎると、それが読み方に表れてしまいます。

すると、おはなしを楽しむというより、勉強の時間のようになってしまいます。

これでは、おはなしの世界を「共有」することが難しくなります

これは、「英語が得意」な親ほど、注意が必要なことかもしれません。

親の英語力や発音は気にしない


反対に、親として、本当は英語でも読み聞かせをしたいと思っているのに、「英語が苦手」で読み方に自信がない、と見送っている場合があるとします。

それも、読み聞かせをインプットとして捉えているせいかもしれません。

英語のインプットは、日本語で生活する私たちの場合、英語音声のかけ流しや、動画視聴を中心に行えばよいと私は思うのです。

親の読み聞かせによって「英語の語彙を増やす」「英語の読み方を教える」などは、考えなくていいと思っています。

親には親にしかできない、読み方、関わり方があるからです。

親にしかできないこと


英語空間の「共有」の手段は、何も読み聞かせに限りません。

親子で一緒に英語の音声を聴いたり、歌を聴いたり、英語の動画を観たりすることでも、そのような経験はできます。(しかも、インプットにもなります)

読み聞かせが他と少し違うのは、親がそのことにフルコミットする点でしょうか。考えごとをしながらとか、スマホを触りながらでは、まず読み聞かせはできないのです。

Minnie家の2人は0歳から保育園生活だったので、平日は親と過ごす時間がとても限られました。寝る前の英語絵本の読み聞かせの時間は、貴重な親子の時間でもありました。

親としても、多くの時間はかけてやれないけれど、限られた時間を大切に使うことはできます。

そのようななかで、英語のおはなしを共有するとき、これは個人的な感覚ですが、心の中で英語でやりとりしているような感覚になるときがありました。

一方、私は子どもが通う小学校で、読み聞かせボランティアとして、英語絵本の読み聞かせをしていますが、このとき、読み方は全く変えています。

その日に入らせてもらうクラスに、顔見知りの子どもが何人かいたとしても、ほとんどは初対面の子どもです。英語の経験もバラバラです。さすがに「英語空間を共有」することは叶いません。

このような読み聞かせ会では、おはなしの内容を共有するために、説明を加えながら、最大限の努力をする、という読み方になります。

英語での語りかけについて


日本語環境の中で、子どもが英語も「自分の言葉」にするには、親の関わりも重要だと思います。

ただ、その関わりは、必ずしも英語で語りかけること、会話することだけではないと思っています。

不自然な空気を作って、今は日本語だろうか、英語だろうかと、子どもの貴重な発語、発話を抑えてしまうようなことがあってはいけないと思います。

私は会社勤めをしており、子どもが幼いころ、家で一緒に過ごす時間は本当に貴重でした。その貴重な時間、しかも、着替えさせたり、ご飯を食べさせたり、お風呂に入れたりということではなく、親子で向き合い、語り合う時間に、母として日本語を使うことは、絶対に必要なことでした。

親子関係を英語で築くという特殊な事情がある場合は別ですが、日本語で関係を築いていくなら、英語を子どもから引き出そうと、次から次と英語で語りかけている場合ではないと思いました。

このようにMinnie家では、親子で過ごす時間が貴重だったから、読み聞かせのときも日本語を使うようになったという経緯がありました。が、今となっては、そうであってよかったと感じています。

子どもが英語を自分の言葉にしたとき、何もしなくても、子どもの口から自然に英語は出てきます

親としては、子どもが英語を自分の言葉にするための、あらゆる種まきをしておけばよいのです。


”ちゃんぽん”は悪くない、両語を「共有」しているなら、むしろ自然なこと


英語で読み聞かせをして、日本語で会話をするとなると、二つの言語を混ぜてよいのか?と疑問に思われるかもしれません。

しかし、本来、人は話すとき、相手を見て、言語を使い分けるものだと思います。

伝えようとする気持ちから、相手によって、自然と日本語を選んだり英語を選んだりするものだと思います。

その意味で、両語を「共有」している相手となら、”ちゃんぽん”も立派な一つの形だと思います。

日本語も英語も文法的に成立させながら話す ”ちゃんぽん”は、実は非常に高度な能力です。

したがって、日本語ネイティブの親が、伝えようという気持ちから英語に切り替えるなら、それは大いにやればよい、ということになります。英語で語りかけすることに違和感がなく、空間を「共有」できるなら、それを止める理由はありません。

日本語と英語を行ったり来たりしながら会話しているLeahを見ていると、そんなことを思います。

終わりに

以上、日本語ネイティブの親が子どもに英語で読み聞かせをすることの意義について、検討しました。

こんな考え方もあるよ、という参考にしていただき、ご自身のに合った読み聞かせの方法を見つけるヒントになればとても嬉しいです。



お読みくださりありがとうございました。
少しでも参考になりましたら、スキをお願いします。



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