最高級のお水での暮らし。住民の声
香肌峡を愛してそこで暮らす人たちは、みな自然豊かな環境に恵まれて暮らしています。元々地域で育った人も、進学や仕事で一度は出たけれど帰ってきた人も、お嫁に来た人も、ひょんな縁あって移住してきた人も。コンビニもなければ信号機もほとんどない田舎町で、きれいな空気を吸って、澄んだ水と共に生きることを選んでいます。
開発という自然破壊行為でしかない風力発電計画に対しての事業者説明会で出た住民の声を一部引用します。
「私達は、この地域に住みながら自分の子供や孫に、
飯高の地域を自然を大事しようと
命を大事にしようという事を教えて育てて参りました。
この計画は、自分達が先に年老いた時に子供や孫に残してあげれるものなのか?という事をいつも考えています。
この地域の山に登った事がありますか?
春夏秋冬の豊かな自然が沢山あります。
私達は、何にもない所だけど、
自然だけは素敵やよなぁと言って、いつも心豊かに過ごしてきました」
「この地区の水、空気、音、すべて私達の生活に
身体に入ってきているエネルギーとして残っているんです。
それを工事の期間もずーっと車の音がし、工事をしている音がしている。
1日1日、その煩わしい音で私達生活していかなければならないんです。
静かで空気のいい所で過ごそうとして移ってきた私達
そして元々お住みになってらっしゃっる住民方々
そういう事を、もっと配慮して考えるべきだったんじゃないでしょうか?
それに、おまけに、この急峻な山に作る事自体が間違っていると思います。
今、計画の紙に、山に確かに風車が立っているのは、平らな山です。
こんな急峻な山には立ってないです。
それすら最初から考えるべき話じゃないでしょうか?
そして、この森の水
この水は、色々水質検査して頂いて
最高級のお水で私達生活しているんです。
工事によって、土砂が流れてくる。
そうすると、私達の生活環境が全て変わってきます。
音も水も、空気もほこりも
そういう事を、工事が始まる前から心配で心配で堪らないんです。
今、考えているだけでも本当に毎日この自然を見ながら涙するぐらいです。
一から見直して頂きたい。
私達の健康を守るために、見直して頂きたい。
そして、これからの世代のために見直して頂きたい。白紙にして下さい。
もっとここには、この環境に私達と同じように
いっぱい移住して来て欲しいのです。
私達と同じように、幸せを感じて頂きたいのです」
「あんたらにワシらから太陽奪う権利あるんか?
わしな、夜に星の観察するの楽しみなんやわ。
木星やら見るの好きなんやわ。
風車でそんなんも見れんくなるわ‼️」
180mの風車が乱立して、夜間に点灯するのですってね。肉眼で天の川が見える美しい星空も台無しです。
香肌峡の水が好きで嫁にきたと訴えた方もいました。旦那様がこっそり「ワシが好きでと違うんやな」とささやいて吹き出しかけたのですが、人生を懸けたくなるくらいきれいな水であることは間違いないです。
森地区に30年前にダムができたことの賛否はいまでもあります。工事でにぎわったとかあの頃は仕事がいっぱいあったとかの明るく懐かしむ声と、何年も泥水の中を歩いたとか水の臭いがまるきり変わってしまって堪らなかったとかの後ろ向きな思いを持つ声と。とはいうもののダムができて以来大きな水害には見舞われていないという側面もあり、その後の土砂搬出などにより、水の透明度が回復したこともあり、おおむね受け入れられているかなという印象です。配慮不足だったらすみません。
風力発電の工事があっても水系に影響はないと事業者は述べます。計画地に足を運んだこともなく、地質の専門家に話を聞いたこともなく、水脈についての理解力や想像力ももっていなさそうであるのに、簡単に「影響はない。配慮する。努力する」とだけ繰り返します。
土砂災害が予測される規模の大工事で、お水が変わらないなんてことあるのでしょうか。尾根にコンクリートをぶち込んで、水脈に影響がないなんて、どのようないい加減な調査から出る結果なのでしょう。調査しなければわからないと言って調査を進めてくる事業者から、まともな結果が出るとはどうにも期待できません。知りたければ地質と地形を再現して、シミュレーションすればいいのです。何年にもわたる定点観測をしたり調査の人権費用をかけるなら、研究機関に持ち込んでシミュレーションができるでしょう。さて、どのような結果になるのか。わからなければ見たらいいのです。
最高級のお水での暮らしができる場所は、世界の中でも貴重な場所です。開発してしまっては二度と戻りません。必要な人がまた新しく暮らせるように守らなくてはいけない場所です。人にはそれぞれの役割があって、場所にもそれぞれの役割があります。「あくまで風車を建てる」固定観念が強すぎるとわからなくなるのかもしれませんが、森林を削ってなにがクリーンエネルギーなのだという素朴な疑問への回答は、まだ何もありません。
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