恋人同士ではない彼とのセックス@25歳都内在住の女のリアル
最近、考えることがある。
大学生の頃は、そういうサークルに入っていたので、ナイトクラブに無理しながら通っていたり、
共依存に陥りながらも冷めてしまっていたであろう彼氏がいながらも、それ以外の人と添い寝を繰り返したり、
そんないわゆる、純粋とは程遠い「破廉恥」なことをやっていたけど。
でも、そんなに簡単に一線を超えることを許さなかった。
添い寝の彼は、ベッドインしても、手を出してこないチキンな彼だと知っていた。
ホテルインした彼は、無理やりお風呂場をのぞいてくるようなやつだとわかっていても、無理やり抱くようなバカではなかった。
ふた回りくらい年上の彼は、立場の関係もあってご飯のテーブル越しに手を触れようとする仕草を横目で知っていた。
でも、それ以上にすすまなかったのは、私が気付かないふりをしていたから?
それ以上の魅力が私になかったから?
そこに、割と本気の愛が存在していたから?
大きいのは、私自身が自分に自信がなかったから。大きく見せておいて、実は経験はそんなにないなんて。
体だって、ミスチルの歌詞にあるように「顔の割に小さな胸も」。まさに。
私のイメージが先に先行することを、私自身が勝手に想定していただけ。
最近読んだ記事に、「少しくらい人の期待を裏切ったって、そんなに相手は気にしない。自分の得意なことでリカバリーすればいい」って。
イメージの中で生きていたわけではないけど、私自身がその程度の自分であることに幻滅をしたくなかったのね。
愛のないセックス=恋人同士ではない人とのセックス
とした時に、それを汚らわしいものだと自分の中で位置付け思い込んでいた私は、まるでそれが正であり、それ以外の解はないしその価値観で今までもこれからも生きていくの、みたいなスタンスを貫いていたけど。
今の私は?
先日気づいた。
セックスが好きなんだと。
心の中で笑ってしまった。
シチュエーションは、まだ付き合ってもいないし出会うことにワクワクをしないが、出会って間もないのに私を一生懸命大きなフィーリングで愛してくれる人。
彼に会うことに一週間待てないドキドキを抱えることはできないけど、彼と体験できるであろう今まで食べたことのないディナーと、愛の込められたセックスを楽しみにしていた私。
決して完璧ではないし、私は毎回セックスでイカないけど、
彼の本能的な行動と声と、手と、聞く質問には、正直落ち着き、安心し、心地いいと思っている。
彼に愛されるのは心地がいい。
手放したくない心地よさな気がするし、ただ今、気になっている他の彼に「会える?」なんて連絡が一言来た日には、彼の元へ急いでタクシーを飛ばす。
色々省略してサマリーにすると、私は最低ってことなのかもしれないけど、
実は色々揺れているこの心を、紐解いて整理する時間に付き合ってほしい。
久しぶりの、「あ、この人がほしい」
元彼から、最低な連絡が来た。
正確には、連絡というより「いいね」。
もともと繋がってもいなかったインスタで、自分の誕生日をアカウント名に入れ、その誕生日の当日に、私のアカウントの「過去の」投稿にいいねをおす。
そんな男。
最新の投稿にいいねならまだ分からなくもない気がする。自分の誕生日に、自分から「俺今日誕生日だよ」なんていう人はあまりいないし、そんなことをいう彼ではないことを知っている。
でも、数個前の投稿に。誕生日当日。
私になんのメッセージを残したいの?
本当は彼をずっと心のどこかで想っていた。関係が終わって、10ヶ月。そろそろ一年が経とうとしていた。
私は、まだ新しい恋という恋をしていなくて、どこかでまた再会できる日には、「あんなに愛し合えるのはあなたしかいない」って、「こんなに愛してくれたのはおまえしかいない」って、
どんな状況であっても、確かめ合える日が来ることをバカだとわかっていても期待していた。
でも、そんな「連絡」があって数日後前職の友達と一年以上ぶりに飲んだ時、彼には付き合っている彼女がいて、すでにその彼女と住んでいること、犬を飼ってこと、言語化したくもない色んなことがわかって
心の中が忙しかった。久しぶりに「えぐれる」ような感情になったし、ほっと熱くなった体温を抑えることができなかった。
神様から、「いいんだよ、ちゃんと綺麗さっぱり忘れて前に進みなさい」と言われているような、運命を感じてしまいそうな悲しいこと。そんなことがあった一週間後。忘れるには新しい恋だと信じていたとき。
その彼に会ったわけです。
別に、彼はかっこいいわけではなかった。特別身長が高いわけでも、何かが秀でているわけでもなかった。
でも、彼が私をすこし意識していたのを、初めましてのメンバー10名と円を囲った時から感じていた。
「あ、私この人好きだな」って、私も少しだけ思ってた。話もしていなかったし、彼の声すら聞こえてなかったのに。
不思議な出会いだった。彼が少しぎこちなく、でも本人的にはスムーズに(なつもりで)名刺交換をしてきて、目を合わせた時に、彼の目の中に、私は特別に映っていることが少しだけ感じて取れた。
仕事の話がメインだったけど、
「この人を逃したくない」って、ちゃんと思ったんです。
その帰り道、誘ってくれた友達がちらっと言った「結婚する人に出会うと、私この人と結婚するんだ、って直感的にわかる人いるっていうよね」
勝手に舞い上がっていたのは確実。
二次会でも、彼の隣に座れたことが嬉しかった。少し意地悪な彼を、メニュー表で叩いたりした。彼の目から伝わってくる小さな緊張と、少しの恋愛感情を拾って、
「この人との懸念は、気を遣う人だからこそ、二人きりになった時会話が盛り上がらないことだな」
そんなことまで、右肩で彼を感じながら出会って数時間で考えていた。
帰り道で、友達申請をしてくれた彼へ、私からワインを飲みに行く打診をした。
そこまで、そしてあっという間に日程調整されたその日を迎えて、再会して目を合わせるまで。
そこまでは、とても楽しかったの。
そこまでは。
大事にするものへの違和感
先日抱いた懸念は、お酒が入れば入るほどなくなった。彼はよく喋る人で、笑ってしまうくらい自分のチームを愛していて、仕事に向き合って、本気でたくさんの時間と心を使っていた。
そして、それを純粋に愛していた。
彼の言葉を聞いていた。目の中にうつる私に、彼がどんどん好きという感情を大きくしているのを、どこか冷静に見ながら。
彼は、その小さなカウンターのお店で言った。少し大きな声で、見境もなく。「彼氏いるの?」「好き」
次の日の朝、彼は全裸で自分が寝ていることを不思議だと言った。
だって、重めのワインを二本開けたんだもん。
全体はちゃんと覚えていながらも、細かいところまで覚えていないこともあった。彼は、お酒のせいで、私しか見えていなかったのね。
あまりにも早い展開に、私は少し冷静な自分と、温度差を感じてしまっている二人について俯瞰的に少し考えてしまった。
彼はその場で答えを求めた。お店を出てタクシーの中で、熱いキスをしてきた。コンビニに寄って彼の家に荷物を置いて、着替えて公園へ散歩に行って座ってからも、
彼は「今、返事をしてくれないの?」「今聞きたい」「気になっている人が他にいる?本当にいないの」
「人を好きになるのは、いつもフィーリングだよ」
そう言っていた、酔っていたから何回も。
私の場合はというと、私も、人と恋に落ちるとき、理屈でなんか決めない。転職先を決定する際も、ある程度は理屈だったかもしれないけど最後は自分のフィーリングに全部を預けた。
私だって、「彼が欲しい」とフィーリングで思ったから、今ここに、こんな深夜の時間に、彼の家に荷物を置いているのよ。
私も賛成する。恋はフィーリングから始めるし、それはいろんなものを含んでいる。お互いの波長や、雰囲気、タイミング、共通の何か。
それらが合わさった時点で、私たちは一つの奇跡。
でも、先走る彼の言葉に、笑うことができてもうなづくことはできなかった。
彼の家に戻って、エッチをせがんだ彼をたくさん平手打ちして、お酒の抜けた翌朝を迎えて、またキスをしてくる彼と、エッチをした。
彼のスピード感は、私の数十歩先を行っていた。付き合おうと決めた日の半年後には、プロポーズをされそうな勢いだった。
前の奥さんとの子供の話や、だからこそ次は失敗しない自信がある話や、子供も欲しい話。
彼の思いは全部聞いた気がするくらい、最初の夜に、彼はたくさんのことをさらけ出して私へ愛を注ぎ示してくれた。
でも、私の心が追いつかなかったの。
追いつかなかったのよ。
ふた晩連続で過ごした土日
もう、タイトル通り、その日の夜も彼と過ごした。
彼は私を物理的にとても愛した。彼の行動から愛を探すことがあまりできなかったけど、彼の目から熱い感情を感じ取ることができた。
彼は一途だった。それがとんでもなく伝わる時間だったし、
彼のインスタアカウントの過去投稿は、元奥さんとの思い出に溢れていた。
彼に愛されることは、一生を約束された愛を紡ぐことだと思った。永遠など信じてはいないけど、彼は素敵な人だった。
昔は少しヤンキー気味で、突っ走ってしまう人で、将来的に自分で事業をやりたいと思っている夢にあふれる人だった。
でも私は、本来最初に出会って「彼を逃したくない」と思った時に、彼に期待していたことは、
大人な、渋い声で、部下にも信頼され、頼り甲斐のある大人な部分だったのかもしれない。
少しくらい会話に困ってもいいから、落ち着きのある彼を私が追いかけて、色気をふりかけて、少し戸惑いそれを隠せない彼を見たかったのかもしれない。
彼は、彼は、あっという間に私の元に落ちた。
大事にしてもいいはずの時間を、彼は即決し、決断を迫った。
「人にはスピードが異なって当然でしょ」と、私は最初の夜。酔う彼に何度も諭した。
贅沢だとわかっている。私の高望みだとわかっている。
もっと、焦らしてもっと、想定の範囲を超えて
人には、どうしても「期待」というワードがつきまとう。
それを言語化していなくとも、それは相手が大事な人であればあるほど、無意識に抱いてしまうものでもある。
私は想定していた。私は期待していた。
久しぶりの「この人」に、ハラハラドキドキする時間を。色気を出すことで女を全力で出すことで、違う世界で生きている彼と距離を縮められる時間を。
両思いとわかっていながら、ギリギリのラインを、探り続ける時間を。
「すぐ」じゃなくてよかった。もっとねっとり、愛を育んでみたかった。
私はきっとロマンチストだ。
結果はわかっている試合でも、その過程を楽しみたかったし、その過程でバラをくれるならそれは喜んで受け取りたかった。
あえて言葉にしない感情を、引き出すことのスリルの中で、彼に落ちたかったの。
落ちたかったのよ、私が、彼に。
仕事だってそう。私のことをずっと置いて行って、私が知らない世界を見ていて、焦らせて欲しいと思っている。何か没頭し、溺れている人はとても素敵。
彼は深夜遅くまで部下に付き合い、とても十分すぎるくらい素敵な上司だと、部下の方々との会話を見て感じていた。
再会するまでの間、彼の連絡はマメで、大変さや深夜遅くなったことを小さいながらも報告してきた。話の内容がそれしかないこともわかっている。
愛情表現の仕方も、仕事への思いも、人生のスタイルも、大事にしたい価値観も、
彼は、私の想像と把握の範囲を超えなかった。
追いかけたいという情熱的な期待値が勝手に生まれている中で、聞きたくない言葉もあった。お願いだからそんな次元で生きないでくれと表面的には笑いながらどこかで違和感を感じていた。
超えて欲しかったのは、人としてのリスペクトが私の愛のベースになるから。
ああ、この人のこれ素敵。敵わない。さすがだな。
そんな感情が、どんなに自分自身が追い込まれて落ち込んでいようと、彼にリスペクトの精神と気を払える根本になってしまうから。
私が一回り以上の上のおじさんが好きなのは、その世界に私を引っ張ってくれるから。まだ私が知らない世界を、教えてくれるから。
話してて、とても楽しいの。もっと知りたい、教えて欲しいって思うの。
立場がありながら、気を許せる場所になった時、リスペクトは母性のような愛情に変わって、甘える彼をとことん愛らしいと思える。
思える、はずだった。
彼のプライオリティと、私のプライオリティ
私よりずっと大きな責務を持っている彼は、
私とおなじ世界を見ている訳ではないのは知っている。
知っている。まだ私が知らないだけ?知ろうとしていないだけ?まだ時間と会話が足りていないのは、あまりに顕著。
でもなんで、私が彼を尊敬するものを感じることができなかったのか?先に進むのが早くて、「人として」が少し理想と比べると置いてけぼりになって、突如として潜在的にあったはずの「恋愛感情」が表面に現れて、
彼に惹かれる時間を失ったから?
私はこの状態で、「これから」彼への愛を育んでいけるのかしら。
そんなことを正直毎日考えている私に、冒頭のようなセックスへの感情が浮かんできた訳です。
恋人でもない彼とのセックスは、居心地がいい。
口ですることの興奮に気づけた。指の重要性を知った。抱き合っていることの落ち着きを、私は覚えた。
ああ。でも書きながら思っているのは、
これくらい。これくらい、彼じゃなくても持っていることじゃない。
彼じゃなくても。彼じゃ、なくたって。
刺激と、知らない世界と、心地いいセックスをくれる人。
私の階層が上がれば上がるほど、幸せにできる人の層も変わる。
私にとって、彼でなきゃ理由がいまいち見当たらないからこそ、誰にとっても有限な「時間」をこれ以上奪ってしまってもいいの?
何かが悪かった訳ではないの。
彼が悪かった訳でも、私が歪んでいた訳でもきっとない。
二人のプライオリティと価値観が、ただ、ただ。
ただ、ねっとりとからみ合わなかっただけね。
「愛していた」、はずの人
「30代になれば、あと2周くらいすれば、いろんなものを諦めて大事にすることが変わるよ」
そんなことを30代後半の友達に言われた。
そうかもしれない。刺激など、知らない世界を連れて行ってくれることなど、そのころの私にとっては重要ではないかもしれない。
むしろ、私の慌ただしい生活を支えてくれる仏様のような人が好きになるかもしれない。
ただ、今の。今の、25歳の私は。
知らない世界への刺激を求め、知らない世界への一歩を導いてくれることを求めている。
焦らせて欲しいのよ。
現状のままじゃだめなんだって。気付かせて欲しい。
「現状維持」を私に与えないで。あなたの横にいることに、無頓着な安心感を持たせないで。
あなたは、私の想像と把握の外で生きていて。
そう、思ってしまう。
そんなことを考えると、セックスなんてもう一回したら、離れられなくなるから。
もし、もしもう一度彼と話す機会が与えられたなら、テレビ電話でもいいから、彼の声を。彼の目を見て、思いをすり合わせたい。
数十歩先に行ってしまった彼の感情を私の場所まで引き戻して、横に並んで話したい。
色々と一人で考えてきたけど、答えはきっと二人の中にある。この域は、もう十分一緒に答えを出すもの。
たとえ泣くことになっても、それが今すぐでも1ヶ月後でも、それが、二人を幸せにする方向に、連れて行ってくれると信じて。
「成るように成る」。信じるのみ。