私の好きなラジオ with怖い話
中学生のときから深夜ラジオを聴き始めた。
理由は、夜、私の部屋からラップ音が鳴り響く現象が起きていたから。寝るときがいつも怖かった。
ラジオを流しておけばラップ音がかき消されるし、楽しく聴きながら寝付くことができるはずだ。
当時ラジオの視聴方法がわからなかった私は、YouTubeに上がっている録音動画を調べながら、お気に入りのものを見つけ聞いていた。
(今考えると、いけないことかもしれない。)
最初に聞いていたのは、大竹しのぶさんのオールナイト日本GOLD。さんまさんがゲストの回を繰り返し聞いた。
あれは神回である。お子さんの話、結婚当時の話、離婚の話を夫婦漫才で楽しく聴けてしまう。笑いすぎて結局寝付けなかったこともある。
その次に聞いたのは、さんまさんのヤングタウン土曜日。村上ショージさんと、モーニング娘の道重さゆみさん、高橋愛さんが出ていたと思う。
さんまさんの話は面白かった。部屋にいる幽霊もラジオを聴いていたのか、ラップ音は少し改善された気がした。
絶望放送という、アニメさよなら絶望先生の声優の神谷浩史さんと、新谷良子さんの番組も聞いた。
ゲストが小林ゆうさんの回は本当にオススメしたい。
小林ゆうさんのペースに翻弄されるパーソナリティのお2人。いつもの番組とかなり違う雰囲気に。
仏壇に写真を飾るとき、亡くなったおばあちゃんが写真を見れるよう、仏様に向かって写真を置くという小林さんの話は、面白すぎて苦しくなった。
両親は私の部屋のラップ音を当初軽く見ていた。部屋の木材なんかが軋んでいる音だろうと。
深夜ラジオをきいて寝心地を改善しようとする私を知って、ようやく父が心配しだした。
父は幼い頃座敷童子に会ったことがある。
そんな少し霊感のある父は、私の部屋を見渡して、この人形が怪しい。と友達から誕生日に貰ったモケケ人形を指差した。
神社に供養をお願いしたら本当に良くなったから不思議である。もしかしたら私は友達に嫌われていたのかもしれない(笑)。
人形供養後もラジオを聴き続けた。ラジオを聴きながら寝るというのが、幸せだった。
実は、私は大学生の時にラジオのナビゲーターをさせてもらったことがある。
広告会社に内定をもらい、4月入社を控えていた大学4年生の頃。なんと入社3ヶ月前の1月に会社が倒産。
先行き不安な中、ラジオから聞こえてくる明るい声に励まされたのと
父に「お前の強みはその大きな声だ。」と言われて、ラジオはどうだろうと思った。
お世話になっている人にラジオの番組を持っている人がいたので、早速お話をした。
その人の番組は、企業の社長さんをお招きして、就活生向けに会社や社長さんについて紹介する番組だった。
学生ナビゲーターの子が就活中なので、代理でしてみないかと言われ、番組に出演することに。
まさかこんなチャンスが貰えるなんて。本当にありがたかった。
やってみたところ、これが本当に難しかった。
ファシリテーション能力の無さと、表現力・語彙力の無さ。
自分がどんな質問をしたら視聴者さんがこの会社の仕組みを分かってくれるだろうか。あの質問は良くなかったんじゃないか。
私は相槌だけしか打ってない。話の幅を広げるのが難しい。
ラジオが終わると後悔の気持ちを引きずってしまう。
そんな自分でも結局4回も収録の機会を貰えたのだから、その番組関係者の方には本当に頭が上がらない。
ラジオの番組を持っていた人は「いつかこの経験がどこかで、君のキャリアとして役に立つ日
が来るかもしれないよ。」と言ってくれた。
まだキャリアには活かせていないものの、「苦しい中でも自分の可能性に挑戦した経験」は私を支えるものになっている。
私は、広告を出したらその商品が売れる、という時代が変わりつつあるのではないか、と思う。
よりリアリティな評価が求められたり。インフルエンサーが紹介するから価値がついたり。
でも、そんな中でもラジオは生き残ってほしい。
ラジオは怖いとき辛いとき、いつも私を励ましてくれる。
You had your time. You had the power.
You've yet to have your finest hour.
radio radio...(クイーンのradio ga gaより。)