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真珠婚夫婦のタイ旅行~サメット島上陸~

「ほんとにそのゴロゴロ持ってくの?」
荷造りをしている私に夫が聞く。
ゴロゴロとはキャリーケース。
元々バックパッカーでそれぞれリュックひとつで旅をしていたけれど、
もう荷物は背負えないよ。
でも、20年前行ったサメットは
港ではなくビーチに近い沖に平たいボートが迎えにきてそこに飛び降り、
砂浜に着くと膝くらいまで海に浸かりながら上陸した。

たしかにキャリーケースで海に浸かるとか不安がよぎる。
旅の間はほとんど階段の昇り降りは
夫がその重たいキャリーケースを運んだので申し訳なかった。

港に着くとワラワラと人が寄ってきてうちのボートに乗れと勧誘してくる。
やり手のお母ちゃん的な人を選び、
スピードボートの往復を片道だけど頑張るが押し問答の末、往復を買わされる。
少年がバイクの横にリヤカーのようなベンチ付きの物を付けた乗り物に荷物を運んでくれる。
旅の前からこの乗り物乗りたいと騒いでいたので僅かな距離だったがご満悦の私。

スピードボートが少し見えます

スピードボートの前の席に私達夫婦と
後ろの席にはタイの島への旅には必ずたくさんいる年増の娼婦と年配白人男性のカップル。

この10分程のスピードボートが
もう大変。
恐らく波にバウンドしたりで、怖いだろうなと想像していたが、
あの重くて大きいキャリーケースを
先に倒して置かなかった事を後悔。
波が来て船が跳ねるごとに必死に片手でキャリーケースを支え、
片手は自分が飛び出さないように、
窓枠の取っ手みたいな所を握る。

ふと前を見ると私以上に夫が飛び跳ねている。
がに股で座った姿勢のまま天井近くまでビヨンビヨン跳ねている。
しかもシートに戻ってくると、
ザバーンと波を大かぶりして必死に
タオルで頭や顔を拭う。
取っ手を握っているのに、夫だけが揺れが激しい。

白人カップルはと言うと、
なんとゆったりしている事か。
全く飛び跳ねず海風を受け、クルージング風情。
その間も夫は座った位置が悪かったのか上下左右にビヨンビヨン飛び跳ねていたが、なんとか海に投げ出されずサメット島到着。
途中夫は安心感か「島が見えたー!!」と叫んでいた。

波をかぶって1人ずぶ濡れの夫。
「揺れたなぁ!」と問われたが
心の中で「あなただけ」と笑いを堪えきれず爆笑。
このスピードボートはその日の波の高さとボートを操る方の技術で変わります。
時間はかけてもゆったりサメットに向かいたい方はフェリーで。

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