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真珠婚夫婦のタイ旅行~哀しみタトゥー~
【2日目の朝】
目覚めると隣のベッドに寝てる夫がいない。
身支度を整えて窓を開ける。
数歩歩けばそこはビーチ。
オーナーがニコニコと挨拶をしてくれて朝食のメニューを持ってきてくれた。
メニューはアメリカンブレックファースト、タイのお粥、スキレット目玉焼き。
お粥を頼んで目の前に広がる景色が
現実なんだ。これを見るために来たんだと五感で感じる。
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白い砂を素足で探る。
少しひんやりする。
足を持ち上げると砂時計のような
細かい砂がサラサラと落ちていく。
子供のように何度も繰り返す。
しばらくするとお粥が運ばれてきた。
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木陰で朝の風は涼しく。
暖かいお粥はかなり量が多かったけどとても美味しい。
美しい景色、美味しいご飯…
幸せだ…と今の状況を噛み締めていた。
…この時までは…
言い訳になるが私は海外旅行でかなり慎重な方だ。
これまで日本人を狙う怪しい宝石店だのどこに連れていかれるかわからない王妃の誕生日パーティだの、ふっかけられる買い物も回避してきた。
この日の私は浮かれていたのだ。
非現実感が私を浮かれさせていた。
そこに近づいてきたのはヘナタトゥー屋の男だった。
私は自分の推しのグループのマークと
サンプルにあった、そのグループのアルバムのデザインに似てるサンプルを
オーダーし値段交渉に入った。
値段表を出さず値段を書いてきたのでおかしいと思い、値段交渉をして
日本円で3,000円程の値段になった。
そう。私は日本円の感覚が抜けていなかった。
オーナーはハラハラと私の周りをグルグル回り始め、値段を男に聞くが答えない。
タトゥーを染めるのが終わってお金を持って来ようとしたところに夫登場。
値段を聞いて顔色が変わる。
オーナーも値段を聞いて口を両手で押さえて息を飲む音が聞こえた。
男は実は値段表を持っており、
実際はその10分の1くらいで出来たようだ。
夫は怒ると、ところ構わずのタイプなので私は衆人観衆の元、怒られる。
周りで見てたのが日本語のわからない人達だったのでなんやら分からないようだったが、こうやって書いてても胃がキュッと締まってくる。
私はタトゥーが見える度落ち込んでくる。
部屋に引こもるとまたもやオーナーがとても心配して、ドリンク飲む?
マッサージする?と部屋に声をかけにやってくる。
私は夕方に薬屋さんに連れて行ってもらう事だけ約束してやはり本体調でないせいか疲れて寝込んでしまった。
哀しみのタトゥーを背負った私はこの先どうなるのか。
タイ旅行楽しめるのか。
体調は戻るのか。