選択的夫婦別姓について、夫側の名字になって思うこと
最近夫婦別姓がよく話題になっているので。
私は昨年結婚をして、夫側の苗字になった。
正直、私は自分の旧姓が好きだった。
珍しい名字だったし、周りから名字で呼ばれることも多かったから。
だから結婚時に名字が変わることを少しネガティブに捉えていた。
ありがたいことに、結婚前に旦那さん(当時は彼氏)が「どっちの名字にするか話そう」と言ってくれて、互いに何度か話して色々悩んだけど、
今の社会、やはり大半が夫側の名字にしていることと、私にあえて社会に抵抗し続けてまで旧姓を使い続けるほどの意思はなかったので、そのまま世の中に倣って夫側の名字にしたのだった。
ただ、名字変更手続きは超面倒くさかった。
思い出す限り挙げると、以下の名字変更が必要だった。
特に銀行口座での手続きがしんどかった。
手続きが完了して新姓のキャッシュカードが届くまでの数日間、キャッシュカードなしの生活になるからだ。
「その間何があるかわからないので、数万円でも現金を引き出していた方が良いですよ」と銀行の方に言われて引き出したけど、なんでわざわざこんなことしないといけないのか?と思った。
あとは保険証も名字変更で返却しないといけなかったから、新しいものが届くまでの間病院に行きづらかったし、行っても説明が必要だった。(保険証としてマイナンバーが使えるようになっていたのでなんとか助かったけど)
それまで私は運良くなのか、男女の差をほぼ意識することなく生きてきたけど、結婚前は「なんでこんなに女性側に負担が出るんだろう」と思って悲しくなったし、恨みすら感じた。
生まれて初めてフェミニストになる人の気持ちが少しわかった。
旦那さんからは、こういう名字の手続きで私が追われているのを見る度に「負担かけてごめんね」と言われた。けど、日本の制度がそうなっているのだから、どちらのせいでもない。
あとは結婚する前まで、結婚後に嫌になれば離婚すれば良いとか気軽に考えていたけど、また旧姓に戻すためにこの物凄く面倒な手続きなんてまずしたくないと思ったし、それをしている人を尊敬するとすら思った。
私の周りには、むしろ自分の名字が嫌だったとか、結婚した実感が沸くから名字をぜひ変更したい!という人もいた。
一方で、私のようにすごく悩んで仕方なく夫側の名字にした人もいる。
だからこそ、早く夫婦別姓を選択することが可能な社会になって欲しい。
名字を変えたい人は変える、変えたく無い人はそのままという選択くらいは自由にできる社会であってほしい。
そもそも先進国で日本だけが唯一夫婦別姓を取り入れてないのだから、他の国が出来ていることが日本で出来ないなんてことは無いだろう。
ちなみにもしこの先夫婦別姓が採択されたとしても、私は離婚等のよっぽどのことが無い限りは、今の新しい名字から戻すことは無いと思う。
なぜなら、前述の名字変更に伴う手続きが本当に大変だったので、また手続きすることを考えるだけでしんどいからだ。
あとは会社で旧姓使用ができているから、ということもある。
けど、もし結婚前に夫婦別姓の制度があったなら、迷わず別姓にしていただろうなと思う。