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臨時企画!こんな時だからこそ英語の勉強02: フィートと数学力の不思議な関係

いま街中で見るフレーズ:
Practice social distancing
6 ft.

コロナ騒ぎであちこちにあるこの張り紙。

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まず、ソーシャル・ディスタンスという言葉は日本でも使われているかもしれないので知ってる方も多いと思いますが、これを「Practiceする」とは、一体どういう意味でしょうか。

Practiceは日本語で書くとプラクティス。学校で習うのは「練習する」という意味ですし、問題集に出てくるイメージが多いと思います。しかしここでいうプラクティスは少し違って、「習慣的、意識的に〜を行う」という意味なんです。確かに「練習する」の意味も「毎日習慣的に、意識して行う」ということですね。逆に言えば、習慣的でも意識的でもないものは効果的な練習とは言えないのかもしれません。

さて、実は今日書きたかったのは、もう一つの6 ft.について。これは、6 feet(6フィート)のことで、「単数だとfoot。それが複数になるとfeet」というくらいは中学でも習ったことですが、どうして単位がfoot(足)と呼ばれるんでしょう。それは、元々が足の大きさを基準にイギリスの王様が制定したものだからとか。しかもその1 footの長さの定義自体も、時代によって変遷があるそうです。(参照:リンク:英語

では、6 feetってどのくらいの長さなんでしょう? 1 footは12 inches(インチ)で、1 inchが2.54 cmなので、2.54 cm x 12 = 30.48 cmです。ということは、6 feetは約183 cmですね。ソーシャル・ディスタンスを1 m取れと言われている国もあるそうですが、アメリカでは1.83 m取れと言われているということです。

foot(feet)の他にも、アメリカには日本ではあまり使われない長さの測量単位があります。Yard(ヤード)やMile(マイル)がそうです。アメリカの測量単位に馴染みがなかったわたしは、アメリカに来た時、「Yardは1 mよりちょっと短い」「Mileは約1.6km」と単純に覚えることにしていました。それ以上特に難しくも考えていなかったのですが、数ヶ月前にふと夫に「1マイルって何フィートなの?」と聞いたら、夫が「5280フィート」と。ポカーン。いや、13年住んでいてまともに考えたことがなかった自分にもびっくりしましたが。

つまり、
1 ft = 12 in
1 yd = 3 ft = 36 in
1 ml = 1760 yd = 5280 ft = 63360 in
というわけです。

わたしたちの慣れている、1 km = 1000 m = 100000 cm = 1000000 mmが、どれだけわかりやすく、ユーザーフレンドリーなシステムかって話です。

もっというと、インチが最小単位なので、1 inの下は、1/2 in、1/4 in、1/8 in、1/16 inとなります。ミリメートルにあたる単位はありません。なんと大雑把な...

長年言い続けているのですが、わたしはアメリカ人が数学が苦手な理由の一つにこの単位の複雑さが関係していると思っています。これを子どもに教えても、なかなか理解しにくいと思いませんか。

また、最近読んだ子どもの言語学の本『3000万語の格差 : 赤ちゃんの脳をつくる、親と保育者の話しかけ』に、英語の数字の読み方の特異性について興味深いことが述べてありました。日本語だと、「じゅう」以降は、じゅういち、じゅうに、じゅうさん、じゅうし、じゅうご...となり、そのシステムは、「じゅう」に1〜9をつけるだけ。20も10が二個あるので「にじゅう」だし、それ以降も読み方は理にかなっています。中国語も同じだと聞きます。これだと数字を覚えるにあたって、大変わかりやすいし、教えやすいのです。ところが英語だと、tenの次がeleven, twelve, thirteen, fourteen, fifteen, sixteen, seventeen, eighteen, nineteen, twentyと続きます。それでようやくtwenty one, twenty two...となります。つまり、1から19までは、固有の名前がついているので、そこまで暗記しないといけません。これが、英語で数字を習うにあたって、初めの困難だと書いてありました。

思えば、うちの子も英語と日本語を話しますが、二桁の数字は苦手です。英語と日本語で読み方が違うので、一桁目を先に読めばいいのか、二桁目を先に読むのか、混乱するのではないかと思っています。

言葉や作られた概念というものが、どれほど人の能力に影響を与えているかと考えると、面白い研究がもっと色々出てきそうですよね。

さて、6 feetをきっかけに、長々と単位の話をしましたが、なんとなくその感覚がわかりましたか? 6 feetのソーシャル・ディスタンスを取らなくてはいけない今の状況において、いろんな人種がいて、文化も、習慣も、性格も、教育レベルも、極端に様々なアメリカのスーパーマーケットは、こんな工夫(写真↓)をしています。

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握手・ハグ文化のアメリカ。今は初めて会った人に握手をしません。長い付き合いの友人にハグもできません。些細なことですが、不安な時には尚更それが居心地を悪くさせ、人をさらに不安にさせていることは間違いありません。このコロナ騒ぎが終わったら、きっとハグの時間が長くなることでしょう。そしてもっともっと、人の心の結びつきが、近くなるといいなと思っています。


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