「今」を生きるか「未来」に生きるか
「今」この瞬間を大事にするか、将来に備えのために時間を使うか、果たしてどちらが自分の人生にとってよいのだろうか。
特に就活中はこのことについて自問していた。
学生のうちは時間にゆとりがあるから、旅行に行ったり、恋愛をしたり、趣味やサークル活動に明け暮れたり、したいことがたくさんできる。一方で、人生の中でも自分を一番高めることのできる時期でもあり、この時が社会に出てからの自分の人生に大きく影響を与えるとも考えていた。
実際に安定した職やキャリアを積み重ねることのできる仕事、というのを基準に就職活動に挑んだ。
そうなると早期から動くことが求められる。業界分析や自己分析、インターンへの参加など、やろうと思えばやれることは山ほどある。
でも、こういうものには正解がない。どの業界・企業が安定しているかはわからないし、一つの会社に居続けることが一般的ではなくなってきている。
昔は銀行が安泰の職種とされていたが、バブル経済の崩壊を機に倒産や吸収を繰り返したと聞く。
大手や有名企業といえど、この先残り続けるかわからないと予測され、いったいどこを目指していけばいいのか、わからなくないのが今のご時世である。
未来を予測しながら行動することはもちろん大事だと思うが、一人の人間が把握できる範疇というのは限界がある。未来を100%見据えることなど誰にもできない。
だから、先のことを心配し過ぎていても、やっぱりなるようにしかならない。どんなに備えていても、イレギュラーなことはこの先の人生必ず起こる。
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じゃあ、「今」を精いっぱい楽しむのはどうだろうか。
人はいつだって今この瞬間に意識があるのだから、未来や過去を慮るのではなく、今自分にとって最良なこと、自分を幸せにできることをやるというのはどうなのだろう。
「今」に集中して自分を幸せにするように努めれば、いる意味いつだって幸せな状態になることができる。
でも、ツケは必ずどこかで回ってくるように思う。
大学生の友人(留年して)が進路が決まらなくて困っている。最初の頃は「留年したおかげで視野が広がった」と宣っており、新卒カードがあれば就職なんてなんとかなると話していた。
今はIT系に絞って就職活動をしているみたいだが、一向に成果を上げられずにいる。留年したことはあまり関係ないかもしれないが、果物と一緒で適切な時期に収穫しないと、後は腐っていくばかりなんじゃないだろうか。
(酷い言い方だな~)
進路に限らずとも、人間関係においても、先延ばしにしたツケは回ってくる。
「あの時やっておけばよかった」「会える時に会っておけばよかった、ちゃんと気持ちを伝えればよかった」と、思う経験はそれぞれあると思う。
「今」を我慢して楽しみを将来に取っておくことは、やっぱり必要なときがある。
わかってくれているだろうと相手に甘んじて、大切なことを伝え損ねることもあるだろうから、素直な気持ちをぶつけることも大事なことなんだ。
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すべての行動は自分を幸せにするためにする。
おいしいものを食べるとか、友達に会うとかそういうのはもちろんなこと、勉強することや仕事をするのだって、将来のためや生活を豊かにするためにしているのだから、最終的には自分の幸せに帰結する。
だから、どちらかが正解ということはないのかもしれない。
あまり真面目になり過ぎても、人生はつまらないものになってしまうが、辛いことを乗り越えたからこそ、見えてくる景色があるのもまた事実だと思う。
逃げ続ける人生は確かにラクかもしれないが、楽しくはないだろう。
どうせ、嫌なことや辛い時期は誰の人生にも現れるのだから、だったら後延ばしにしないで、今やっつけてしまった方がいい。
目をそらしただけでは、逃げたことにはならないのだから。