メールにはまる、イトイさん
糸井重里さんの著書「ほぼ日刊イトイ新聞の本」(2001年初版)P51に、「メールにはまる」という小見出しがある。
メールにはまるって・・・今となってはちょっと、にわかに共感し難い感覚ですよね。
今、電話にはまる。とか、ファックスにはまる。って、言われても『え?!』ってなりますよね。
でも、当時、Eメールってまだ新しいツールで。その時の糸井さんの様子を読んで知る事で、Eメールという新しいツールが切り開いた可能性を確認する事ができます。その後に現れる、SNS。ツイッターとかラインとか。そういうものも、基本的に持っている価値はこのメールと同じなのではないかと思うと、色々と考えるところが出てきそうです。それらのツールの使い方とか、今後出てくるツールとか。
「ぼくは電話が嫌いなのでほとんどしない。電話というのは、相手の都合を問わずかかってくる、かなり暴力的なコミュニケーション・ツールだと思っている。ファックスのほうが、まだましだけれど、それでも夜中に相手の家の電話を鳴らしてしまうことには変わりはない。」P53-54
即時性のあるコミュニケーションとして電話一択だった世界が、Eメールを得た。
Eメールはしかし、メッセージを開封するタイミングは受け手側が選ぶ事ができる。その点で電話よりも相手に親切なメディアであった。
しかし、その後、メールもビジネス利用が当たり前になり、メール文章の書き方だの、ビジネスとしては即時にレスポンスする事が求められてきた。
そうこうするうちに、携帯電話でメールを受けられる様になり、メールの着信がやけに氣になる世の中になった。電話は出なければ内容が伝わってこないが、メールは送った側にすれば既に内容を通知済みという氣になるから、電話よりも厄介になったかもしれない。
そんな、ややこしくなったEメールが嫌になり、よりカジュアルなコミュニケーション・ツールとして、メッセンジャーやラインが出てきたのかもしれない。
しかし、これも普及すると便利なのでビジネスにつかう。ビジネスにつかうと窮屈になる。。。こういう繰り返しを何度も行うのか。
ツールの問題ではなく、使う人間の生き方のもんだいなんだね。
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