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一人暮らしに電子レンジはいらない
なにげにインターネットを見ていたら、「初めてのひとり暮らしに電子レンジは必需品」と書かれてあって、あぁ、大抵の人はこういう情報をまに受けて、あのかさばる調理器具を買うのだな、と思いました。
かくいう私も持ってました。実際、ひとりで暮らし始めて以来、電子レンジは常に持っていたと思います。とは言え、加工食品は体に良くないと認識していたので、レンジで温めるだけの食品はめったに買いませんでしたが。
それなのに、なぜ持っていたか。
ひとつには、あるのが当然だと思い込んでいたから。あとは、使う頻度でしょうか。
昔は私も、「ごはんは炊飯器でまとめて炊いて、一食ずつラップで小分けにして冷凍、食べるときに解凍」という地道な作業を、かなり長いあいだ繰り返してました。
なので、ごはんを解凍するのにレンジはほぼ毎日使っていました。でも、この作業って、よく考えたら結構な手間なんですよね。ラップの消費も半端ないし。
今はもう、白米は食べなくなりました。イギリスでも買えるんですけど。
夕飯時の主食となるものは、次のものをローテーションで回しています。 サツマイモ、キヌア、クスクス、玄米、全粒粉パスタ、たまに赤米&黒米ミックス。あとアジア系の麺類はヨーロッパでも簡単に手に入ります。ただし「なんちゃって」モノ(とくに蕎麦とか)が多いですが。
これに野菜と豆類が加わります。量的には、野菜のほうが主食みたいになってます。でも、食生活を野菜中心にしてからも、レンジは毎日つかっていました。
レンジを使わないとできないことなのか
ある日ふと、自分が何にどれくらいレンジを使っているか考えたところ、
豆乳ココアをつくる(1分30秒)
冷凍しておいたサツマイモを解凍する、またはオートミールをつくる(2分)
ブロッコリーを調理する(30秒)
一日あたり、合計たった4分ほどの使用時間のために、電子レンジで台所のスペースをとっているのが馬鹿らしくなり、処分しました。
以前は、レンジがないと文化的な生活ができないんじゃないかとさえ思っていましたが、無くても全く問題ないです。それに、鍋で作ったほうが断然おいしいです。
ブロッコリーは、ごく少量の水で、ゆでるというよりも蒸す感じで調理すると、1分足らずで出来上がります。なんならブロッコリーは生でも食べられます(当然、調理したほうがおいしいですが)。
コストパフォーマンスはどうなのか
鍋を使って調理するよりレンジのほうが調理時間が短いので、電気代の節約になる、という意見もありますが、これには根拠がありません。レンジは短時間でかなりの電力を消費します。
これについては比較実験がされていて、結論は「世帯間でバラつきがありすぎて厳密には言えないが、おおむねどっちもどっち」というものでした。
レンジでチンするだけの便利な加工食品があまりにも氾濫しているので、なかには、他の家電は持たずとも、電子レンジさえあれば生きていけると考える人もいます。
若い男性のミニマリストで、「冷蔵庫を捨てた!」と自慢していたブロガーがいましたが、コンビニや加工食品に頼りすぎて、後で「体をこわした」と書いておられました。当たり前です。それではあまりにも不健康です。出来合いのものや加工食品には、がっつり添加物がはいってますから。
何で自炊しないんでしょうか。そのほうがずっと安くつくのに。
自炊にまさるコスパ食はない
一人暮らしの自炊はコスパが悪いという人もいますが、それは買い物のやりくりと、自炊の仕方が悪いからです。ミニマリストであろうがなかろうが、健康的な生活のために自炊は不可欠でしょう。
何も料理の腕前を特別にあげなくても、包丁で切ったり皮をむいたりする基本的な技術を身につければいいだけです。新鮮な食材を使って、素材をいかしたシンプルな味付けで調理すれば、電子レンジが出る幕はあまりないことに気づきます。
家族がいるとなかなか難しい点もあるかもしれませんが、一人暮らしならレンジはまず不要です。
ごはんは、ふた付きステンレス鍋で炊けます。私が赤米・黒米ミックスを炊くときは、食べきれる分だけを、ステンレスの片手鍋で作っています。野菜を切ったり、おかずを作っているうちに炊けます。
一人暮らしならトースターもいらないでしょう。食パンならフライパンで焼けます。たいして時間もかからないし、そのほうがおいしいです。ピザが食べたければ、フライライパンにふたをすればできます。
今はいろいろ物がありすぎて、ふつうの鍋やフライパンで出来ることを見落しているように思います。