腹をわって話す
「腹をわって話す」は、本心を打ち明ける、隠さずに心の中をさらけ出すという意味。
語源
昔は、物事を頭ではなく、腹で考えるとされていたため、本心は腹の中にあると考えられていた。そのため、腹をわらなければ、本心を見せられないということから「腹を割る」という表現が生まれた。
「腹を割って話してくれないか」とは「本音を言ってくれないか」となる。
私の勝手な推測になるが
これが「切腹」という表現になったのではないだろうか?…と捉えているのだけれども…「切腹」の言葉をそのまま言葉通りに受けとった人々が激怒してしまった…ということなのだろう。
1984年、大原麗子さん主演のドラマ『くれない族の反乱』が放映された。
「~くれない」という思いは、主婦だけの話ではなく、立場をかえれば、夫も、義母も、子どもも、皆それぞれ「~くれない」という思いを抱えて生きている、ということをドラマを通して考えるまでになっていたのか?
…というと、まだ、そこまでには行き着いていなかったのではないだろうか。ようやく「女性の生き方」が解放されつつあった…というくらいなのかもしれない。
そうでなければ、パートで働く女性の社会的立場の向上はもっと進んでいたはずである。
そのうえ、もし、夫婦の間で「本音を言ってくれ」とお互いに腹をわって話すことになれば…それがケンカに発展することもあり、ケンカをする両親をみて育った子どもは、なおさらのこと親に「本音を言うのはやめよう」と思うだろう。
家庭内のことを思って、口に出さないほうがいいこともある。
それが『真夜中のパン屋さん 午前3時の眠り姫』にも書かれている、子どもの苦悩である。
女性が家庭の外に出ることで、今まで見えていなかったものが見えてきて…あれこれと言うようになると…それはそれで…穏やかな日常が吹きとばされてしまうことにもなりかねない。
女性同士の会話で他人の家の中の話で盛り上がることが多いのは、そこに自分の家庭との対比があるからで、親しいからといって本音を話したら、自分の知らないところで話に尾ひれがついて伝わっていたという経験はないだろうか?
「虎の子」という興味深い言葉
虎の子は母虎の性質から出た言葉。
虎は自分の子を大事に守り、非常にかわいがって育てるといわれている。
そのことから、大切にして手放さない物や秘蔵品のたとえとして「虎の子」というようになったそうだ。
人間誰しも、本当に大切にしている物や情報は「虎の子」として、表に出さないのではないだろうか。
それがビジネスにつながっているゆえに、バブル景気に踊らされてしまった人達が続出したのではないだろうか。