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流れ星職人


私は流れ星職人。
人間のために星を流す仕事をしている公務員だ。
私たちはみな、プライドを持ってやっている。だから人々を幸せにできるのだ。
色や形や長さ……
個性が出るであろう?
見ていて幸せになるであろう?

なんとか流星群とか、名前がついているものは、
みんな私たち職員の名前である。
誇りだ。
ぜひ推しを見つけていただきたい。

あっ、そら、あそこに人間のカップルがいる。女同士かもしれないし、男同士かもしれないが、まあ、些末な違いである。
双方とも期待を込めた目で夜空を見つめている。
これでこそ流れ星職人たる腕が鳴るというものだ。
ここで一発、ドォンと大きいものを流してやろうではないか。

「なかなか流れないね」
「見えないね」
「どこ見てる?」
「あっち」
「同じところを見よう」
「今こっち」

火花を散らしながら、大きな星が流れてくる。
……かと思いきや、意外にもちっぽけな星がゆっくり流れてきた。

「フフ、見た?」
「フフ、見た見た」
「一緒に見られた」
「さむいけどあったかいね」
「良かったね」
「楽しいね」
「嬉しいね」


ほら、みろ。
喜んでもらえた。今日も良い仕事をしたもんだ。

まあ、定時になったから帰るとするか。

よかつた よかつた 。




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