楽天参入:電波割り当て時点で勝ち
素朴な視点だが、アメリカならオークションで数千億円の価値がある電波(リンク1)を、割り当てによって毎年数十億円(リンク2)で利用する権利を獲得する。その上、5G時代になれば、同じ帯域でより多くのデータを送受信できるため、さらに価値が高まる。故に、ひとまず電波割り当てを受けさえすれば、勝ちなのである。電波割り当て制度を狙い撃ちにした、巧妙な「ホラ吹き戦術」といえよう。
より具体的に、割り当てさえ得られれば成功、と言える理由は下記である。
・当初はユーザが少なくても、楽天が逆にMVNOに貸し出す側になれば、比較的安定した収益を得られる
・スマホユーザが飽和しても、今後はモバイル通信だけでなく、自動運転やIoTデバイスなど、より多くの領域で電波を活用できる
・設備投資のキャッシュアウトについては、「電波が利用可能となる時期が地域ごとにずれるが、19年に関東は先行して利用可能となる」点(リンク日経記事)を逆手にとって、儲けの多い関東に限定して先行設備投資することで抑えられる
・現状の低金利下では「借りた者勝ち」と見ることができる上、電波免許を「実質的な抵当資産」とみなして借り入れ条件を有利に持ってくる可能性さえある
ただ、単なる「制度のサヤ取り」ではつまらないので、本気のビジネスとして楽天が電波を使って「面白いこと」をやってくれるのを期待する。例えば下記である。
・決済、ポイント、eコマースが主軸の「楽天スマホ」(ハード)
---生体認証・セキュリティを強化し、決済機能とモバイルルーター機能に特化した、軽薄小で廉価なスマホなら、財布代わりのセカンドフォンとして持ちたい。
・楽天電波を利用した自動運転を視野に入れた配車(ライドシェア)サービス
・法人ユーザー向けの、カスタマイズスマホと通信サービスの統合サービス
・Abema TVのようなストリーミングをスマホに無制限で配信
・LINEモバイルへの回線貸し出しをきっかけとし、LINEエコシステムと楽天エコシステムを融合
---LINE WAVEヘの通信サービス提供から、LINE Pay・ポイントと楽天 Pay・Edy・ポイントの統合、LINEアプリやLINE WAVEから楽天市場への送客など
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・リンク1
https://japan.cnet.com/article/35099783/
https://japan.cnet.com/article/35099783/
リンク2
http://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/fees/account/change/h27_futangaku/index.htm
http://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/fees/account/change/h27_futangaku/index.htm
リンク3
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24634320U7A211C1000000/