マガジンのカバー画像

ハーフムーン(詩集)

51
あとがきにかえて(無料記事) https://note.com/minezatoeri/n/nf0d3287e210d 生きていて 自分が一番いびつにみえるとき その不格好さを…
WEB詩人時代に文芸社に拾われて世に出た詩集「ハーフムーン」です。マガジン 詩集「ハーフムーン」は…
¥1,000
運営しているクリエイター

#うつ病体験

いちにち

あさ おきて 気が向くときだけ だんなさまのお弁当をつくり 笑顔でお見送り あとは からっぽの部屋に 四角い機会がおいてあるので 開いて お手紙の整理をして 必要なだけのお返事を書いて 一息ついてもまだ おはようの時間

¥100

たったひとつのうた

あなたのあいが いまはわたしのくちびるを こおらせる わたしのあいが いまはあなたのひとみを くもらせる

¥100

プリズム

どうして 記憶は透明になってくれないのだろう 目をこらしても到底 全貌を現しもしないくせに

¥100

言葉を発するたび わたしの記憶が捻じ曲がってゆく

¥100

改札口の向こう

気づいたら 目的地に遠い改札口を 無意識に抜けていた わたしが避けたかったのは 毎日通った苦い思い出の改札口

¥100

飛ぶというより漂う夢

失った者たちの行列の中へ 飛び込んでゆく 誰も見向きもしない それでもようようひとりが 顔をあげて 死ぬときに来るべきだと吐いた

¥100