公民館の役割と展開
(1)公民館における学習の特徴は何か、公民館区という言葉を用いて説明しなさい
公民館は「市町村その他一定区域内の住民のため」に存在する施設であることが、明示されている。
公民館の目的(存在意義)として、あえて「一定区域内の住民のために」と規定しているのは、公民館がいかに「地域というもの」を意識しているかを示すものといえる。学校区に準じて「公民館区」としばしばいわれるが、公民館は、公民館区内にいる住民の活動拠点として機能すべきことが法律上読み取れる。
(2)公民館事業の特徴や禁止事項は何か
公民館の事業
①定期講座を開設すること
②討論会、講習会、講演会、実習会、展示会等を開催すること
③図書、記録、模型、資料等を備え、その利用を図ること
④体育、レクリエーション等に関する集会を開催すること
⑤各種の団体、機関等の連絡を図ること
⑤その施設を住民の集会その他の公共的利用に供すること
公民館は、本質的に「つどう」「まなぶ」「むすぶ」という役割(機能)を担う施設であり、人づくりを通じた地域づくりの拠点ということである。
公民館では、営利的な活動や政治的な活動、さらには宗教を指示する活動が禁止されており、政治的・宗教的な中立と、住民による自由で平等な活動が保障されている。
(3)コミュニティ学習センターとは何か
現在、アジアを中心に多くのコミュニティ学習センター(CLC)が設置されている。CLCとは、日本の公民館に類似した、市町村以下の小さい規模の集落単位に設置された地域の社会教育施設である。
<参考文献>
笹井宏益・中村香『生涯学習のイノベーション』玉川大学出版部,2013