今日(2023/08/16)の切り抜き


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20230816寸鉄

名字の言 核兵器先制不使用の合意を今こそ2023年8月16日

 27年前の1996年9月、核兵器廃絶に関する具体的な提案が国連総会に提出された。オーストラリア政府によって設立された「核兵器廃絶のためのキャンベラ委員会」の報告書である▼「核戦力の警戒態勢解除」「発射装置からの核弾頭除去」などの内容は当時、世界の注目を集めた。その最後の提案が「核の先制不使用および核の原則不使用に関する合意の成立」だった▼同委員会の委員を務めたジョセフ・ロートブラット博士は、池田先生との対談集『地球平和への探究』の中で、最後の提案が実現すれば、「今日の核政策に、根本的変化をもたらし、一つの大きな壁を破ることになる」と訴えている▼池田先生は、昨年から3度にわたって発表した提言の中で、「核兵器の先制不使用」の確立の必要性を呼びかけてきた。ウクライナ危機の収束が見通せず、核の先制使用すら正当化されかねない状況だからこそ、一刻も早く先制不使用の議論を始め、合意を実現すべきだ▼キャンベラ委員会の報告書にはこうある――核兵器とその及ぼす脅威を世界から除去するため、即時の断固とした努力が必要である、と。その努力が今ほど必要な時はない。後押しとなる最大の力は、私たち市民社会の「声」である。(嶺)


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