ChatGPTとPerplexityAskの使い分け
「ChatGPT」と「PerplexityAsk」。
どちらも様々な質問に自然な日本語で答えてくれるAIですが、その本質はまったく異なります。両者の特徴をつかんで、使い分けましょう。
1.ChatGPTの本質は
まずは、「ChatGPTとは何か」をChatGPTに聞いてみました。
「自然言語を生成」というのがChatGPTの本質みたいです。
さらに、ChatGPTに「5歳にもわかるように」とお願いしました。
「文章作りのドレス」
こういう詩的な表現が出てくるのもChatGPTの面白いところ。
これまでの話からすると、ChatGPTは、質問の正解を見つけるというよりも、質問された言葉から新しい言葉を生み出すという機能を重視しているようです。
ちなみに、「ChatGPTとは何か」をPerplexityAskに聞いてみました。
やっぱり、「自然言語の生成」こそ、ChatGPTの本質のようですね。
2.PerplexityAskの本質は
続いて、PerplexityAskについて、PerplexityAskに聞いてみました。
ChatGPTの回答と違って、端的でわかりやすい。まさに、1問1答です。
(ただ、関係ないTwitterユーザーが出てきてしまっていますね。)
そして、「回答の基となる Web サイトからの情報を提供」が、PerplexityAskの強みです。
ちなみに、PerplexityAskについてChatGPTに聞いてみましたが、情報が出てきませんでした。
ChatGPTは最新情報を調べるのが苦手です(2021年までのデータしか入っていないようです(2023年2月現在))。
PerplexityAskの本質は、ウェブ検索結果を使用して、根拠を示して回答するという点にありそうです。
3.PerplexityAskの得意と不得意
ChatGPTとPerplexityAskを使い分けるために、それぞれの長所と短所を見てみたいと思います。
まずは、PerplexityAskに、それぞれの得意と不得意を聞いてみます。
Perplexity Ask は自然言語を理解するパフォーマンスが優れているのに対し、ChatGPT は一般的な会話タスクのパフォーマンスが優れています。さらに、Perplexity AI は、質問に答えるために使用される情報源をユーザーに示します、一方 ChatGPT はそうではありません.
では、ChatGPTに同じ質問をしてみます。
以上をまとめて、結論っぽく言ってみると、以下のようになります。
・ChatGPTは言葉を生み出すのが得意。
・PerplexityAskは、質問の意味をとらえて調べるのが得意。
もっと言ってしまうと、
ChatGPTは「回答」するのが得意で、
PerplexityAskは「解答」を出すのが得意、ということでしょうか。
4.ChatGPTとPerplexityAskの使い分け
ChatGPTは言葉を生み出すもの、PerplexityAskは、意味をとらえて調べるもの ということは、
考えるときはChatGPT、 調べるときはPerplexityAsk
広げるときはChatGPT、 深めるときはPerplexityAsk
ということになります。
アイデアを出してもらったり、意見を出してもらったりはChatGPTに、
正確な事実を調べたり、関連する事実を深堀したりはPerplexityAskに、
というのが、相性がよさそうです。
以下では、実際に使い分け(使い比べ)をやってみます。
5.ChatGPTとPerplexityAskの使い分けの実際(使い比べ)
(1)アイデアを出すなら【ChatGPT】
例えば、「○○について、ブログのタイトルを5つ出してください」という質問。
何もないところからアイデアを出すのはChatGPTの得意なところです。
長文を生み出すのではなく、1~2行で回答できるような短文をたくさん生み出してもらうようにするとスムーズにできます。
「○○について、改善点を5つ出してください」
「○○について、○○が終わりました。今後やるべきことを5つ出してください」
などもChatGPTに向いています。
同じ質問を、PerplexityAskに聞くと、実際のブログのタイトルが出てきます。
アイデアを出すというより、世の中の傾向を見るために使うのがいいですね。そこから参照ページを見ていって、情報を手に入れるという使い方ができます。
(2)意見を聞くなら【ChatGPT】
例えば、人生の悩みや恋愛相談など、あるいは、SDGsや地球温暖化・少子化問題などの明確な答えのない問題のヒントをもらったりすることも向いています。ただし、あくまで言葉遊びの延長としてとらえたほうがいいですね。
例えば、SDGsについてChatGPTに聞くとこんな感じ。
ざっくりとした回答ですが、なんとなくわかったような気にもなります。
同じ質問をPerplexityAskにしてみた場合は、こんな感じ。
具体的な数字や根拠が出てきましたが、全体的な流れとしてはChatGPTのほうが大枠を掴めているかもしれません。
論文やレポートを書く場合には、ChatGPTであらすじを決めて、PerplexityAskで掘り下げや肉付けをしていくのがよさそうです。
(3)事実やニュースを調べるなら【PerplexityAsk】
ちょっとしたことや、気になることを聞くときにはPerplexityAskに聞いてみます。特におすすめは、ニュースや噂を聞いたときに、気になったことを尋ねること。Googleだけでは断片的な情報になってしまうところを、1つの文章にまとめてくれます。
例えば、「岸田政権とバイデン政権の関係」について、PerplexityAskに聞いてみるとこんなかんじです。
どうやら、防衛関係で協力しているみたいなことが分かります。
では、経済的にどうか追加で聞いてみました。続けて聞くと、話題を継続してくれるのがチャットAIのいいところです。
ふむ。何やら話し合いはされているようですね。あとは出てきた記事を見に行けば、内容を深掘りできます。
そして、同じ質問をChatGPTにしてみた結果がこちら。
残念ながら、新しい知識は得られませんでした。(それなのに、こんなにもっともらしい回答をする能力はすごいです。)
ChatGPTは回答はくれるけど、知識をくれるわけではない、というところでしょうか。
他方で、PerplexityAskはググった結果を要約してくれるところが素晴らしいです。
(4)具体的な方法を調べるなら【PerplexityAsk】。
PerplexityAskの特徴のひとつが、回答のもとになっているサイトを教えてくれるところ。正確な情報や細かい知識などは、ブログや専門のウェブサイトを見たほうが確実なので、PerplexityAskでおおまかに調べて、参照サイトを見に行きます。
例えば、「カレーの作り方」をPerplexityAskに聞いてみました。
説明は簡潔ですが、ソースにクックパッドが出ています。これを見れば間違いなさそうですね。
ChatGPTに同じ質問をしてみると、確かに分かりやすそうですが、食材の量や炒める時間などは分かりません。
細かいところをいちいち聞いていくとたいへんなことになりそうです。
ChatGPTには、おおまかなアウトラインを出してもらいつつ、
PerplexityAskには、Googleの目次を出してもらって詳しくは見に行くという感じで使うとよさそうです。
~まとめ~
いかがだったでしょうか。
ChatGPTと、PerplexityAskは、それぞれの強みと弱みがあります。
上の比較はその一例です。
これまでにあげた以外でも、
ChatGPTの強みとしては、プロンプトで前提条件を付けくわえられる(例えば、「英語教師として答えて))とか、表現力が豊富(例えば、表形式やmermaid記法での表現)などの応用の幅が広いという特徴があります。
PerplexityAskの強みとしては、関連する質問が出てくること。関連質問を続けるだけで深掘りしていけるし、途中で「経済的には、政治的には、技術的には、倫理的には、世間の評判としては」などの方向性を加えることもできます。
考えるときはChatGPT、 調べるときはPerplexityAsk
広げるときはChatGPT、 深めるときはPerplexityAsk
をイメージしつつ、どちらも自在に使いこなしていきたいですね。