生きなきゃと思った話
祖母の家が売れたらしい。
その家は祖母と祖父と母が暮らした家だ。
母は結婚してわたしたちが育った家を建てているし、
祖父はわたしが生まれる前、祖母ももう10年近く前に他界しているから、
誰も住んでいない空っぽの家だ。
実のところ、時たまこの空の家のことをわたしは考えていた。
ものすごく現実的に。
わたしも結婚して地元を離れているし、
父母も高齢に近づいてきて、
この建屋をどうしようかということを考えていた。
売れたらそれはラッキーで、
もしかしたら処分にむしろ金銭を払わなけ