【第56回】『エルカミーノ:ブレイキング・バット THE MOVIE』完璧な最終回の先にあるもの
【海外ドラマファンのためのマガジン第56回】
完璧なエンディングの先にあるもの
大ヒットドラマ『ブレイキング・バッド』(2008-2013)の最終回は、完璧な終わりかたでした。
その先に、新たな物語を作るべきなのかどうか、疑問に思うファンもいるかと思います。
でも、『ブレイキング・バッド』に関しては多くのファンが、ジェシー(アーロン・ポール)がどうなったのか知りたいと思ったことでしょう。
Netflix映画『エルカミーノ:ブレイキング・バッドTHE MOVIE』は、まさに『ブレイキング・バッド』の第63話、つまり最終回の続きの物語です。
元のドラマである「ブレイキング・バッド」の登場人物が、昔の役柄で登場してきます。
終了から約5年たっての撮影なので、俳優さんも感覚を思い出すのが大変ですね。
(※大きなネタバレはしませんが、登場するキャラクターを書いていきます)
スタートから、いきなりマイク・エルマントラウト(ジョナサン・バンクス)が登場し、あの川辺でジェシーと会話します。
ジョナサン・バンクスは、『ブレイキング・バッド』のスピンオフ作『ベター・コールソウル』にも出演しているので、変わらぬマイクの姿そのままでした。
トッド役のジェシー・プレモンスは、トッドを演じるのは6年ぶりとのことです。雰囲気はそのままでしたが、だいぶ体重が増加しちゃってるので、厳密に言えば映像としてはつながらないですね💦
掃除屋機屋さんのエド役ロバート・フォスターは、本作が遺作となってしまいました。Netflixで配信された日2019年10月11日に脳腫瘍のため亡くなっています。
ウォルター・ホワイト役のブライアン・クランストンは、出演しないかも?と思われていましたが、最後の方に登場しています。
頭はカツラだそうです。
このシーンは、『ブレイキング・バッド』シーズン2第9話のタイムラインのストーリー。
このシーン大好きで、これを見れただけでも『エルカミーノ』を見てよかったと感じました。
そして、ジェシーの恋人だったジェーン(クリスティン・リッター)も現れて、彼女は変わらぬ美しさを見せてくれました。
ジェシーとジェーンのシーンを撮影するのは10年ぶりということで、時の流れの速さも感じます。
その他、ジェシーの友人たちバッジャーとスキニー・ピート、そしてジェシーの両親も登場します。
ジェシーは最後に手紙を持っているのですが、届けたい相手の名前はアンドレアの息子のブロックでした。
ジェシーの人間性が見える、いいラストだったんじゃないかな。
62話がウォルターの最終回なら、63話目はジェシーの最終回でした。
最終回の先の最終回。もう、続きは作られないでしょう。
4ノミネート『エルカミーノ:ブレイキング・バット THE MOVIE』
第72回エミー賞TV映画部門ノミネート作
IMDb7.3 Rotten Tomatoes 91%
ノミネート部門
作品賞
single-camera picture editing
sound mixing
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