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クラブアイデンティティについてポイントを解説します Vol,1

立ち返る場所

2月21日にクラブからリリースが発表されました。

クラブの目的や関わる人間の行動指標など、全ての原点とも言えるクラブアイデンティティが完成しました。以前の記事でもお話した通り僕自身はこの[原点]を極めて重要視していて、チームビルドにも大きく関わると考えています。このマイホームのような場所は基本的にクラブが続いていく限り永続的に変わらない指標となります。

これといったお話はできないかも知れませんが、このクラブアイデンティティを少し噛み砕き、僕がどのようなイメージを持っているのかをお話します。


Keepするという動詞


クラブアイデンティティ:「Keep one’s Value」

まずこの言葉の雰囲気というか、語呂感は個人的に好きです。様々なクラブが様々なこのような言葉を持っていますが、すごく綺麗にまとまったような気がします。ちなみに当たり前の話ですがこちらは僕が独断で決めたものではありません。クラブに関わる人たちでキーワードやヒントになりそうなものであったり、様々なポイントを出し合いまとめられたものです。僕個人としてもすごく納得しました。

ここから僕個人の解説をします。あくまで個人的な感想だと思ってください。


ポイントは以下にまとめています

・長すぎず、覚えやすく、簡単で、程よい単語数であること。
・その単語から意味が汲み取りやすいもの。
・Keep(キープ)という単語をどこかに入れること。


まずこのアイデンティティはクラブに関わる人間が共有するものであり、クラブの[外]にいるステークホルダーになり得る方々に伝えていくものになります。つまり事あるごとにこの言葉がポンっと出てこないといけません。これはチーム内の選手やスタッフも同様です。ここの目的のために活動しているとすれば、忘れてしまったなどは(僕からすれば)言語道断です。しかし人間なので単純に言葉が難しかったり、長かったり語呂が悪かったりすると覚えにくい状況にはなります。仮に選手が「覚えにくい言葉だし、長いので覚えるのが難しいです。」と言わせてしまったらこちらの負けだと思いました。それを「関係ない。意識して覚えるんだ。」という前に覚えやすい仕組みを作るべきだと思ってしまうのが僕なので、1つ目のポイントは重要視していました。


名詞や動詞のような単語であれば、その単語を見れば意味は分かるのでイメージは沸くと思います。soccerはサッカーだし、playはプレーするだったり〇〇をするというイメージがあります。しかし例えば形容詞であれば前後の名詞などに紐付けされるので連投はできませんし、単語数として消費してしまうので簡単には使えないかなと感じます。beautiful(美しい)やbig(大きい)などがそれです。beautiful soccer(美しいサッカー)では競技としてのイメージはありますが、もはやこれで1単語のようなものなので長くなりますし、直接的すぎる気がします。また副詞は意味が汲み取りにくいので個人的にはNGです。often(しばしば)やever(かつて)などがそれです。稀に更に深い意味を落とし込むことは出来るかも知れませんが、フラっとクラブのことやサッカーのことをあまり知らない人が立ち寄った時にはすぐにそこの意味を読み取れないので、説明が長くなります。英語が話せず、且つ学生時代ろくに点数が取れなかった癖に英語の話が多くなりました。(高校生の頃の英語のテストの点数は大体30〜40点でした。現代社会や政治経済が得意だったな〜。)



最後にKeep(キープ)という単語を入れることについては個人的な執着でした(笑)

なぜかというとそんなに難しい話ではないのですが、このアイデンティティは永続的に変わらないものだからです。以下リリース文を少し転載します。

「様々な場面で変化が絶えない現代では、これまでの常識が非常識に、そして非常識が常識へと簡単に変わっていきます。だからこそ、我々は同じ状態のままでいることを良しとせず、常に知識をアップデートし、常に失敗を恐れずに挑戦し続けることで、サッカークラブとしての新しいモデルケースを作ります。そして、「監督が変わったらサッカーが変わる」「代表者が変わったらクラブの方針が変わる」というのではなく、将来的に誰がクラブに関わっても同じ方向性で物事を考えられるように、クラブの行動規範となるクラブアイデンティティを決定いたしました。」

[クラブアイデンティティ=クラブの存在価値]でありそれが変わらないものであれば、クラブの目的も変わりません。つまり永遠にそれをKeepしていかないといけません。保っていくというか。いくら今クラブにいる僕たちが「変わらないものになるんだ!」と声高らかに叫んでも、変わらない理由がなければ変わってしまうのではないかと思いました。それは外部の人間だけではなく僕たち自身が変わってしまえば、僕たちがまたそれを変えてしまうことだってあります。なので軸が変わらない理由を作るためにも露骨にKeepを入れたかったということです。


実家の雰囲気

しかしここまで来て気づいた方もいらっしゃるかも知れませんが、上の話は少し言っていることが矛盾していると捉える事もできます。

「様々な場面で変化が絶えない現代では、これまでの常識が非常識に、そして非常識が常識へと簡単に変わっていきます。だからこそ、我々は同じ状態のままでいることを良しとせず、常に知識をアップデートし」

つまり我々はクラブとしても1人の人間としても、常に知識や自身をアップデートして時代の流れに適応していかなければいけないと言っています。

これは変わるということを全面的に肯定しています。


しかしもう一方

「将来的に誰がクラブに関わっても同じ方向性で物事を考えられるように、クラブの行動規範となるクラブアイデンティティを決定いたしました。」

こちらは変わらないということを全面的に肯定しています。


上の2つは同じ文の中に組まれているので、同じ話の中のような印象を受けますが、あくまで論じていることは違う事です。

変わらないといけないこと=各個人
変わってはいけないこと=クラブ


別に例えると実家の場所や家族の雰囲気、出身チームのコーチなどはできれば変わってほしくないような気がします。(引っ越しの例などはご勘弁を)

しかしいつまでも自分自身が変わらないままではいけないとも思っています。常に成長に貪欲でいたいものです。

僕自身はそれを中学3年生の頃に自覚したので、高校卒業とともに実家を出ることにしました。今も基本的にそうです。だけどお正月休みやフラっと実家に帰ると家の中の雰囲気や家族との関係は変わらない安心感があります。

合っているか分かりませんがそんなところでしょうか。


ここの関係性やバランスを見誤るとクラブの進む道や道がどう続いていくのかというマップが見えなくなりがちです。

今回はクラブアイデンティティのワードに対してここまで3千文字弱を使って、解説をしましたが、大事な事はこの中身です。

次回はクラブがKeepしていく自分たちのValueについてお話しします。




ーーーーー

「感じたままに進む 自分で選んだこの道を
重いまぶた擦る夜に しがみついた青い誓い
好きなことを続けること それは「楽しい」だけじゃない
本当にできる? 不安になるけど

何枚でも ほら何枚でも
自信がないから描いてきたんだよ
何回でも ほら何回でも
積み上げてきたことが武器になる
周りを見たって 誰と比べたって
僕にしかできないことはなんだ
今でも自信なんかない
それでも」

〜YOASOBI 「群青」〜

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サッカー指導者としての学びや過程、新規発足するチームをどのように前に進めていくのか? サッカーの世界での様々な経験など書いています。 基本的に週に1回(以上)更新します。

トップカテゴリーでの指導経験が全く無い人間が、[監督]として成功できるのか? 奮闘する毎日の中で考えていることや想い、クラブの道筋を覗いて…

これからも自分以外の【誰か】や【何か】のために、少しでもその方々にとって有意義なものを作っていきたいと思います。楽しみましょう!