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意外とあっけなかった話【2】

前回のお話はこちら▽



【お読みいただく前の注意事項とお願い】

・性被害についての記述が出てきます。それを踏まえてお読みいただき、不快感や嫌悪感を感じた場合は、閲覧をおやめください。



・わたしの前職(夜職)の記述があります。前職時代に、不安障害の原因となる出来事が起こりましたが、ナイトワークそのもの、及び現場で働いている方・関係者の方、普段 紳士的に夜のお店をご利用していらっしゃる方を貶める意図はございません。



その他、詳しくはこちらの記事をお読みください。


【2020年12月2日】

【今つらいこと】



・先月 仕事あんまりがんばれなかったけど、休みももらったし今月はがんばろうと思ってた矢先にこんなことが起きたこと



・そもそも自分に見る目なかったこと



・店の外で下心剥き出しで触れられて、自分が汚く感じること



・ヤらなきゃ自分に価値ないんかと思ってしまうこと
他のお客さんもおんなじなんじゃないかと思ってしまうこと



・お店にも、お姉さんたちにも充分すぎるくらいよくしてもらってるのに、結果も出せず、結局迷惑かけてること



・ほんとはこれくらい乗り切らなきゃ行けないんじゃないかと思うこと
大したことじゃなくてあたしが大袈裟すぎるんじゃないかと思うこと
別にヤられたわけじゃないし甘えてんのかもしれない。でも気持ち悪い

当時について、いろいろ

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一夜明け、この日は店休日。そして昨日とは明らかになにかが違っていました。
しかし、その「なにか」が自分でもわからず、居心地が悪かったのを覚えています。



ただただツラかった。そして、なにがツラいのかを思いつくままに書き綴ったのがこの箇条書きのメモでした。

・店の外で下心剥き出しで触れられて、自分が汚く感じること


いちばんツラかったのはこれでした。なぜか自分が汚いと思っていました。



聞きたくないとは思いますが、わたしは生娘ではありません。
それなりの恋愛ごっこもしたし、自由に性を楽しんでいた時期もありました。



それなのに、です。自分の意思や金銭の媒介なしに、パーソナルな部分に踏み込まれることが、これほどの嫌悪を生み出すとは誰も教えてくれませんでした。


・ヤらなきゃ自分に価値ないんかと思ってしまうこと
他のお客さんもおんなじなんじゃないかと思ってしまうこと


次にツラかったのが、他のお客様に対してこんな感情を抱いてしまうことでした。



もう一度 言いますが、わたしは生娘ではありません。ましてや、”夜の女の子”だったのです。
お客様である前に、ひとりの男。なにを望んでいるかなんてイヤというほどわかっていました。



しかし、そんなお客様だけではないことも知っていました。だからなおさら、こう思ってしまう自分を許せませんでした。



「どうせヤらなかったらみんな離れていくんだ」

「でも、ひとりの人間として、わたしを応援してくれている人もいるのではないか」

「いや、そんなわけない。どうせヤリたいだけなんだ」



負のループで埋め尽くされた思考は、ゆっくりと、しかし確実にわたしのこころを削っていきました。


・お店にも、お姉さんたちにも充分すぎるくらいよくしてもらってるのに、結果も出せず、結局迷惑かけてること
・ほんとはこれくらい乗り切らなきゃ行けないんじゃないかと思うこと
大したことじゃなくてあたしが大袈裟すぎるんじゃないかと思うこと
別にヤられたわけじゃないし甘えてんのかもしれない。でも気持ち悪い


そして最後に、人に頼ることが苦手な性格ゆえのツラさ。



お店は苦しい経営状況の中、これ以上ないくらいの高待遇で迎えてくれました。
仲良くしてくれるお姉さんたちも、わたしの性格を知った上で、先回りして世話を焼いてくれました。



なのに、結果である数字を上げられない自分が憎かった。
そんな自分が大袈裟に騒ぎすぎている気がして。



だとしたら、お店だけではなく、お姉さんたちにも迷惑がかかる。
それが怖かった。甘ったれの烙印を押されることが怖かった。

そもそも、なぜ復帰したのか


復帰の打診をされたのは、わたしが県外の実家にいてライター業に精を出していた頃でした。



新型コロナウイルス第2波による休業要請、その後の近隣の系列店との合同営業により、経営が思わしくないことは想像に難くありませんでした。



復帰するにあたり感染の心配はもちろん、県をまたぐ移動や、長期間 実家に戻れないことも懸念材料でした。
また、軌道に乗りつつあったライター業を疎かにすることで今後のキャリアへの不安もありました。



当時、わたしに復帰の打診をしてきた店長とは、前の店からの付き合いでした。
わたしの性格や行動をよく知っていた店長は、それまでも好きなときに復帰して、好きなときにやめることを許してくれていました。



お姉さんたちも、そんなわたしを受け入れてくれて、いつ復帰しても、いつやめても、変わらず甘やかしてくれました。



そんな人たちから打診されたとき、素直にうれしかったです。
「必要とされている」という事実は、わたしを復帰させるには十分すぎました。

当時といまの答えあわせ

あっしゅく


「なぜ被害に遭った方が、自分を責めなきゃいけないのだろう」と思います。



「どう考えても100%相手が悪い」と、今なら言えます。
しかし当時は、いくら相手のことを悪く言っても拭えない気持ち悪さがありました。



正直に言うと、この日のことはあまりよく覚えていません。
お姉さんに話を聞いてもらって、気晴らしにとドライブに連れていってもらって、ごはんをご馳走になったことは覚えていますが、感情の記憶がないのです。



たった数十分の出来事がもたらしたこころの変化に戸惑った1日でした。
そしてさらに、わたし自身ですら「おかしい」と思った変化が起こります。



そのお話はまた次回に。またお会いできることを楽しみにしています。





お読みいただき、ありがとうございます。いただいたサポートは、今後の成長のための勉強と命の水(ビール)に充てたいと思います。