【映画感想】白く濁る家⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
香苗は、妊娠中に婚約者(良典)の母親の住む実家に、結婚の挨拶に連れて行かれる。大きく立派な洋館で一人暮らしをしている母。良典が実家に帰るのは6年ぶりだという。疎遠になっていた理由は何なんだろう。香苗はそう思いながらも、このことをきっかけに上手くやっていけたらと思っていたのだが、親子の隔たりは簡単には埋まらない。
良典は事故で弟(悟)を6年前に亡くしている。時が経っても、母親は悟の死を未だに受け入れることができていないのだ。
香苗は夜中に目が覚めて、庭での物音に気付いた。ふと庭を見ると、そこには…!
45分くらいの短いストーリー。登場人物もたった3人です。それなのに、怖い。話もよくできてる。脚本も素晴らしいんだと思います。怖いです。
信じるものが違う…だけなんですけど、それは大したことなさそうで結構重大なことです。とはいえ、生きてるうちに人間は変わることもある。でも変わらないこともある。容姿、身なり、服装、振舞い。それらは全て信じるものに基づいています。心はその人その人のもの。だからその人が何を信じようとその人の勝手なわけで。
信教の自由には、信じてるものを他人にお勧めする自由も含まれています。もちろん勧められた側には、断る自由もあります。でも勧めた側は、断られてもまた勧める自由があるんです。…嫌われるよね、そんなことしたら。でも法には触れてません。でも監禁とかされたら警察呼んでいいと思いますけどね。
結婚相手とか、その親がよく分からない何かを信じてたら大変ですね。しかも悪気がない場合。んー、困る。
できれば最初の段階、自己紹介あたりで言ってくれればいいですよね。この香苗のように、妊娠して挨拶に行った時にわかるって…可哀想。でも最後の香苗の表情が、「あーもう母親の顔なんだなぁ」と思って、私は感動しました。