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幼稚園時代の思い出(歳がわかる)

久しぶりの投稿です。
最近あまり文章を書いていませんでしたが、昔の想い出などを、
こちらに置いておこうと思います。


通っていた幼稚園は、駅の向こうにあった。
家から六百メートルほどの距離を、母や近所の同い年のヒロミちゃんといっしょに毎日歩いた。
ある朝、駅前の歩道を歩いているときにヒロミちゃんが言った。
「ケネディ大統領、殺されちゃってかわいそうね」
私はびっくりした。
アメリカのケネディ大統領が暗殺されたことは、前日までのニュースや親たちの会話で知っていた。
大変なことが起こったらしいことは感じていた。
しかし、事件として知っていただけであって、一個人の死としてとらえていなかった。
そのとき私は、小さく「うん」とだけ言ったと思う。
そして、まるで身近な人のように「かわいそう」と言うヒロミちゃんの言葉が、なんだか不思議に感じられて記憶に残った。
あれから六十年近く生きた。
彼女のように世界中の誰の不幸にも共感できるようになっただろうか。
いや、あと百年はかかりそうだ。

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