身近な人への「ありがとう」が言えない理由①
今日は、「なぜ身近な人への感謝や愛情を表現することが難しいのか」
という私たちの心理について少し考えてみたいと思います。
家族、仕事仲間、友達、パートナー。
実は身近になればなるほど、
何故か言えない…そんなことありませんか?
「隣人を愛せ」という言葉があるように、
理想としては身近な人々に対してこそ
優しさを示すべきですよね。
でも、実際にはその「身近さ」が、
私たちの心理的なバリアを生んでいるのかもしれません。
最も親しい人々に対して、
なぜか一番素直になれないのです。
この背後にあるものはなんでしょうか。
それは「傷つくことへの恐れ」なんです。
本当に近しい人は、あなたにとって大切な人。
たからこそ、自分の本当の気持ちや弱点を知られて
否定されると深く傷ついてしまうのではないかという
失敗や拒絶されることへの恐れが隠れているんです。
この、傷つくことへの恐れを認めることすら
負ける気がしてしまうんですよ。
この「負け感」が、つい、感謝や愛情の言葉を
飲み込ませてしまうのです。
さらに言えば、親しい間柄ほど、相手に対しても高い期待を
持ってしまうことがあります。
「わかってほしかった」
「こんなふうに言ってほしかった」
「寄り添ってほしかった」
「寂しい気持ちを理解してほしかった」
こうした期待がかえって壁になって
素直に感謝の気持ちを伝えることが難しくなるのです。
無意識のうちに、私たちの行動を制限してしまうわけです。
では、このような心理的ジレンマを
どう乗り越えればいいのでしょうか。
次回へ続きます。