【8月19日開催】本来のあなたらしさ、本音は何か。マインドからビジネスの変革を起こす『Efficacy-Driven Leadership』のイベントレポートを公開 ~コーチングとは何か?の実例を丸ごと紹介~
Mindset Coaching Academy(以下、MCA)では年に3回程、本物のコーチングについて世に伝えるためのイベントを開催しています。
今回は7月に引き続き、8月19日(土)に行われた『Efficacy-Driven Leadership』のイベントレポートをお届けします。
「あれ、なんか私幸せじゃない」の自問自答から気づいた本音と、Will Canでいいんだという自分への許可
第1部では、IT業界/AIベンチャーから転身し、地元名古屋で第二創業を果たした株式会社LEO代表取締役 CEO粟生 万琴(あおう・まこと)氏(以下、粟生さん)が登場。エグゼクティブコーチである海野慧さんにも登壇いただき、コーチ・クライアント双方の視点からのリアルな対談を行いました。
また、前回イベントに引き続きコーディネーターを務めたエグゼクティブコーチの浜岡範光さんも加わり、コーチングの可能性についてお話ししました。
カウンセリングみたいで余計モヤモヤした過去と全く違うコーチングで「自分自身ももっと前進したい」
地元名古屋で「つくることを通じ前進する」をビジョンに掲げる株式会社LEO。創業者である粟生さんがコーチングを受けようと思ったのは自分自身ももっと前進したいためだといいます。
「会社としては『人や場をつくることをサポートして前進』しているが、自らもまだ前進したいというモヤモヤもあり、今回海野さんのコーチングを受けました。実は過去に海野さんとはまた違った別のコーチングを2回受けたことがあったんですが、カウンセリングみたいで腹落ちしなくて。話を聴いてもらいたいタイプでもないですし(笑)。なので、そのときに私にはコーチングってあんまり向かないんだなーと思っていたんです。
ただ、第二創業のときに、自分自身が『大きいことをしなきゃ』という気持ちばかりがあって整理できていない・やりきれていない状況でした。だから海野さんに頼もうかな、と。」
海野さんはこの時の粟生さんの様子を思い出しながら、「粟生さんってバリキャリじゃないですか。女性初の役員やりました、AIベンチャー創業しました、とか。パワフルな感じで新しいことをどんどん飛び込んでいっているのは知っていたんですけど、当時は創業して間もないときでした。今まではスタートアップのCOOとしてできることを大きくする、つまりCanの最大化がメインのミッションだと思うんですけど、創業者としてはWillを大きくする、やりたいことをぶち上げていくということなので性質が全然違うんですよね。(僕からすると)突っ込んでいけばいいのに、元々はCanを大きくすることがミッションだったが故にその思考が強く残っていた印象です。」
「地元に帰ってきて、第二創業して。できることから事業やろうとしてSaaSやったんですけど、なんか、幸せじゃないんですよ。身近な人たちを幸せにしたいと思って創業しているのに、『あれ、なんか自分幸せじゃない』という自問自答が続いた中で海野さんのコーチングを受け始めて、改めてWillを深堀りできたんですよね。その中の一つがサウナだったんです。『そんなにサウナが好きなら自分で作ればいいじゃん』って。」
それに対し海野さんが「シンプルにやりたいことをやるということに対して(自分に)許可が出し切れていなくて。何がブロックさせていたポイントだったのですか?」を粟生さんに聞きます。
「過去も経営ボードメンバーではあったはずなんですけど、直近までCOOだったので。CEOになると、自分で決めていいはずなのに、決めていいことを忘れてたんですよね。決めていいとわかってからは、簡単でした。あー、やっぱり恐れがあったんだ、自分の中に、という感覚でした。自分ではサウナって遊びなんじゃないかな~という感覚だったんですが、海野さんが背中を押してくれましたね。」
3合目も5合目も見えていないけど10合目は見えている。やるって決めたからやる
「決めたら早いので(笑)。三か月後には三重県の山の土地を借りて、三重県の補助金を探してきて。意思決定してから半年後には『AOU no MORI』というスタートアップやベンチャー企業の方が事業創造の場として使え、そこにワークスペースとサウナが常設している施設をつくっちゃいました。おかげ様で2年経ち、20~30代に来てもらえています。『楽しいですね』とお客様から言っていただけて、こちらが逆にお客様から幸せをもらっています。そのあと、名古屋にも『NAGONO WORKBAR & SAUNA』をつくっています。さらにトドメ!は、今年の11月に『AOU no MORI』を10倍に拡張した『AOU no NIWA』をオープンする予定です。地元の製造業さんともコラボするなど、今まで見たことがない場所にしていきます。」
粟生さんはやれると思ったポイントと根拠のない自信について語ります。
「登山で言うと、10合目しか見えてないんですよ。3合目も5合目も登ったことがないくせに10合目しかみてないんで(笑)。でもやるって決めたから。登山と一緒で、前に進めば頂上に着く。そんな感覚でしたね。で、そこを伴走してくれるというのがコーチングの良さかなって思います。
それに加えて、自己効力感があがった状態だったのでそれが自信につながったのだとおもいます。一旦高いところに行った経験があると、落ちたとしてもそこに戻れるんじゃないかな、と。実は元々は(自己効力感が)何もないオール3の人間だったんですよ、私。そんなおおよその人間だった自分が、仕事を通じてこうやって自己効力感があがった体験を持っていますし、(コーチに)背中を押してもらったことで、ここにたどり着けた気がします。」
それに対し浜岡さんからは、「粟生さん自身や世の中に対するものの見え方が180度変わったことでCanが増えていったのではなく、ゴールに導かれた結果としてCanが増えている。過去の自分のパラダイムに戻れないので、自己変革感がある、そういうことなんでしょうね。」とコメントがありました。
また、経営ボードの方がコーチングセッションを受ける意味について、粟生さんは「Must Can Willで仕事をしている方が多いと思うんですけど、コーチングセッションを受けることで、Will Canでいいんだと気づいてもらう貴重な場だと思うので、まずは体験してもらいたいな、って思います。コーチングに疑心暗鬼だった私が言うんですから!(笑)自分がないまま、何かに向かえないというこの世の中で、そこを見つける機会になればと思います。」
最後に「Invent on the way」について解説。「これは、ゴールを設定するとそのゴールに導かれるようにあらゆるものが整合していくことを言います。粟生さんの例でいうと、ご自身の経験がからCanを増やそうとするんです。ただ、その前提となるものの見方や考え方が切り替わっていないので、その状態だと何も変わらないんです。自分自身が設定したゴールを実現したいと動いたときにその結果としてCanが増えた。この順番がとても大事である」と、浜岡さん・海野さんが話し、あっという間の第一部のセッションが終わりました。
頂上を決めたらあとは歩くだけ コーチが見ている「その人にとってのエフィカシーが高い領域」とは
第2部では、ベンチャーのエース人材が、チョコ好きが高じて、自分のチョコブランドを立ち上げに至るまでの、“本音でやりたいこと“で旗を立てたクライアントについて、MCA2期でプロコーチの野島 繁昭さん(以下、野島さん)が事例紹介をしました。
「誰にもやれ、と言われていないのにやっていた」 ベンチャーのエース社員がたどり着いたブランドプロデューサーの道
クライアントさんはベンチャーに入って2社目、新卒4年目のビジネスサイドの方でした。転職してしばらく経ったくらいに野島さんに「今やっていることって自分がやりたいことなのかと疑問に思っている」と相談がきました。
なので、まずはセッションで自分は何屋なのか、何に旗を立てて生きていくのかという職業機能を聞いていったところ、ユーザーの体験を考えるというのがおもしろい、と。なのでUXデザイナーが軸足なんじゃないか、というのが最初だった、と野島さんは当時のクライアントさんを振り返りながら言います。
次のセッションでは仕事の話もしながら、趣味(※)の話をしたという野島さん。
「この方は、それが『チョコ』だったんです。単純に食べるのが好き、というわけではなくて。カカオの豆から砂糖だけでつくる高級なジャンルのチョコレートがあり、それが大好きだ、と熱く語っていました。しかも製造を調べたり、日本のブランドを見に行ったりしているんです、と。そういった背景から趣味のゴールは、世界中のチョコを集めていいものを広めていきたい、EC・紹介するサービスをやりましょう、となりました。」
※効果的なゴールを設定するためには、オールライフ(仕事、趣味、社会貢献、人間関係、家族、知性、健康・美容、財務)でゴール設定をしていくことが有効。趣味というのは、人の役に立たなくても自分がやりたいこと。
「自分のチョコをつくりたい」から「自分でブランドを作って世界観をつくっていきたい」へ
次のセッションで趣味のゴールの状況を聞いたときに「市場の話、競合の話、製造工程など趣味にしてはビジネス解像度が高い話題ばかりだったんですよね。誰にもやれ、と言われてないのに(笑)」さらに野島さんは「これは趣味としてやっていきたいのか、仕事としてやっていきたいのか」と聞いたと言います。
「仕事ですね」と答えたクライアントはそこから、もう一段抽象度が上がり、自分の世界観を表現したい、それをまずはチョコを通じてやっていきたい、と話したといいます。生涯チョコをやる人かというとそうではなくて、Apple社のようにiPadとかiPhoneとかいろいろ出しているじゃないですか、あんなイメージだと言っていた、とのことでした。
それで、チョコというのは手段であって、自分でブランドをつくりたいんだ、その世界観をブランドを通して伝えたいブランドプロデューサーであう、とわかりました。ユーザーの体験を考えるということから抽象度が一段上がり、自分でブランドを作ってその世界観を伝えていく。これが自分がやりたいことなんだ、とアイデンティティを書き換えられました。
ゴール決めた(頂上を決めた)らあとは歩くだけ
その後、野島さんがクライアントに近況を聞くと、知り合いから機材を借りたり、パティシエも見つかったり、サイトをオープンしたり…。苦戦しながらも楽しそうに語り、歩みを止めていませんでした。とにかく突っ走っていた、とのこと。
これに対し浜岡さんは「エフィカシー(自己効力感)が高い人と低い人がいるというわけでなく、その人にとってエフィカシーが高くなる領域とならない領域がある、というのがこの野島さんの事例の大事なポイントです。人によっては、仕事とファイナンスが強く紐づいてしまうと、『お金が稼げないからやれない』となってしまう。
だからコーチは、そのクライアントさんがエフィカシーが高い領域なのかを見ながら、どういう切り返し・アプローチをすればマインドが変わるのかを見て、伴走しています。特に趣味から入っていくと成功とか失敗とかどちらでもよくなります。期待に応えなきゃいけない、というものを外したときに本当に自分がやりたいことがわかるんです。」という浜岡さんのコメントとともに、第2部は終了しました。
MCAの学校長である李による〜公開コーチングセッション〜
第3部では、MCA3期の大塚 祐子さん(以下、大塚さん)が、受講期間中に実施した学校長である李とのコーチングセッションをイベント内限定で公開。
皆さんにお見せするためのデモやサンプルセッションではなく、本音中の本音ど真ん中で大塚さんとそれを伴走するコーチが人生と向き合っているリアルなセッションを見ていただきました。
本来の自分は「いいひと」ではなく「オラオラ」。出産後の自分は「オラオラ」を封印していたことに気付く
たった15分とは思えないセッションでは、様々なしがらみの中で本来の自分を見失っていた大塚さんが、本来は「オラオラ」な自分とその可能性を見出していく流れ、自分の本音に気付いたときの、頭の中でぐるぐると「それなのかな…」とまわるような、混乱している大塚さんのリアルな反応が表情を見てわかった時間となりました。
それに対してコーチがゴールに対する臨場感とエフィカシーを高めていきます。「才能も実力もあって、それができる人はあなたしかいない」「簡単なことではない」と本来の「あなたらしさ」に全力で寄り添っていました。セッションの終盤では「謙遜せずに自分ここにありでいい」と自身がそう思えた大塚さんの表情が明るくなっています。
セッション後の大塚さんは「社会を変える気概のある人の味方になりたい」という想いから社内でスタートアップスタジオの統括に就任。社長からも「どうした!?」と言われるほど変わり、「どうしたら起業家を増やすことが出来るか」考え続けられるようになったと言います。
この大塚さんのセッションから、「本来のあなたらしさ」はこうなのに、なぜそこにいかないのか、とコーチがクライアントのマインドの使い方に介入していくことを生々しく実感する時間となりました。
最後に
会の最後に、以前実施したMCAの説明会ダイジェスト動画を見ていただき、次回のイベントの案内、9期本講座のご案内をしてイベントが終了しました。
2時間という時間の中で人の人生が変わる瞬間・事例を聴くことで、前回とはまた違った形での「本物のコーチングとは何か」の神髄が垣間見える時間になったのではないでしょうか。
Mindset Coaching Academyに関するご相談や質問は
●下記LINEから
●Mindset Coaching Academy公式サイト、説明会動画のお受け取りはこちらから
●受講生の記事はこちらから
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?