MBSR講師養成プログラム始動しました
1.始動しました!
昨年から準備を進めていたマインドフルネスストレス低減法(MBSR)講師養成プログラムが始動しました。2022年10年まで1年半をかけてしっかり時間をかけて学んでいく7モジュール制(うち1つはリトリート)のうちの第1モジュールを、2021年4月23日(金)〜25日(日)の三日間、オンラインで開講しました。エビデンスに基づくマインドフルネスプログラム(MBSR, MBCT等)で、最後まで国内で資格が取れる初めてのプログラムになります。
昨年の10月に募集を開始してから、受講を決めた皆さんとは、オンラインミーティングを3回、そして、練習をサポートするグループを組んでお互いにコミュニケーションをとりながらここまでやってきました。これまでオンラインミーティングでも参加できなかった方がその都度いらっしゃったので、全員が一同に会したのはこの日が初めてとなりました。初日から、一緒に学んでいくつながりを感じることのできたスタートになりました。
2.三日間のプログラム
第1モジュールの先生はIngrid先生とAmir先生のお二人。
それぞれオランダ出身、イラン出身(教育はカナダ)の早速国際色豊かなコンビのクラスになりました。お二人は、2000年代初頭にMBSRの発祥の地であるマサチューセッツ大学のマインドフルネスセンターで、Jon Kabat Zinn氏を始めとする、第1世代から直接指導を受けています。そしてのこのお二人はその時のトレーニング仲間という長い付き合いです。
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初日は、なぜMBSRの講師になりたいのかという各自の振り返りから始まりました。 講師として何を伝えていきたいのか。その後、自己紹介で、それぞれの思いが語られました。今回の1期の皆さんは、医療関係や心理系の教員の方が多い人員構成になっています。その他、企業向けのトレーニングを提供している方や、将来的にはコミュニティ向けでマインドフルネスを伝えたいという方も参加されています。
まず先生方からあったお話は、専門性は大事な要素として持ちつつ、マインドフルネスを伝えるにあたっては、自らの個人的な体験や思いを大事にしてくださいということでした。最初に面談を申し込む際の申請フォームでも、個人的な体験を元に、なぜ講師となりたいかについて記載いただく箇所があります。
そして、トレーニングを受講するにあたっては、トレーニング受講者の立場をいったん横において、まずは、何も知らない受講者になった気持ちで参加することが求められます。受講者として感じる新鮮な感覚こそが、先々MBSRを教える際に自分を助けてくれるものになります。その感覚を大事にしながら、次にトレーニング受講者の立場として、さまざまな教え方や理論を学んでいきます。
1日目の午後にはレーズンエクササイズとボディスキャンについて、まずは受講者の立場で参加することから始まりました。受講者の皆さんは、もちろん過去にMBSRを受講した経験がありますが、初心の心をもってレーズンエクササイズやボディスキャンに臨むことで、また新たな体験に気づく機会を得ることができます。そうして、1日目が終了しました。
2日目の午前は、前日の体験をもとに、3人組で早速教えるための準備を行っていきます。ボディスキャンでは体どのパーツに言及するのか、どのような順序でガイドを行っていくのか。そうして、実際に教える上でぶつかる、疑問点や難しい点を拾い出していきます。その後、2日目の午後から3日目にかけて、疑問点についてのディスカッションと実践(相互に教え合う)の繰り返しを通じ、具体的に指導方法を学んでいきました。3日目が終わった頃には、Week1で扱うレーズンエクササイズとボディスキャンの指導方法について一通りのディスカッションを終えた状態となります。
3.IMAのMBSRトレーニングの特長(3日間)
今回提携してトレーニングを行うのはドイツのIMA(the Institute for Mindfulness-Based Approches)です。このIMAのトレーニングには以下のような特長があります。
1)実践と理論の組み合わせであること
一度体験した後は、まずはやってみる、がIMAのスタイルです。やって、自分の体験から生じた疑問を、次のクラスに持ち寄り、講師の先生方とディスカッションを行っていきます。それを何周かすることで、徐々に教えるための学びを深めていきます。
後述の通り、モジュール間では、自分自身でガイドを作り、それについてフィードバックを相互に与え合うというような非常に実践的な内容も組み込まれています。各モジュールごとに、8週間コースのWeek1からWeek8を順々に積み上げて学んでいくことのできるプログラムです。
2)エビデンスベースのマインドフルネスの基礎を学ぶ ー 充実したテキスト
トレーニング用のテキスト(日本語版で250ページ程度)にポイントがまとめられており、しっかりとポイントを抑えながら学んでいくことができます。なお、このMBSR講師養成トレーニングでしっかりとマインドフルネスについての土台を作ることにより、先々、マインドフルネス認知療法(MBCT)やマインドフルネスに基づくコンパッションのトレーニング(MBCL)などをアッドオンプログラムとして(ゼロからではなく継ぎ足しで)トレーニングを行い資格をとるプログラムも先々予定しています。いまはMBSRのトレーニングとともに、マインドフルネスの基礎をしっかり固めいくための時期になります。
3)何経験豊かな講師陣と、それをサポートする日本側のスタッフ陣の充実
講師の先生方は15年以上の経験を持つ先生方で、MBSRの第一世代から直接薫陶を受けた先生方です。ヨーロッパでは、1300名以上の講師を育成した実績があります。そして、それを受けるInternational Mindfulness Center Japanは、いずれもマインドフルネス認知療法(MBCT)の正式な始動資格をもち、かつMBSRについても先行してトレーニングを受けている立場から、受講者の皆さんを近い距離でサポートしています。やりとりはメール、LINE、オンラインプラットフォームでいつでも連絡が取れる体制を作っています。
4.次モジュールに向けた継続的な学び
そして、3日間が終わった後は、次のモジュール2に向け、4人一組のピア・グループが編成されました。
※プライバーシー保護のため名前は掲載していません(一部イメージのため偽名)。
ここでは、課題図書の読みあわせや、実際にボディスキャンのガイドを作成したものをお互いにフィードバックしあうといったことを行っていきます。また、受講者同士で、ボディスキャンの練習を相互に行うことで、学びの深化に加え、メンバー同士のコミュニケーションも深めていく機会になります。
また、オンラインプラットフォーム上で、先生へ質問することも可能であり、実際に、ある受講者の方からあった先生への質問をきっかけに、早速有志がZoomで集まりディスカッション(+交流)を行うという動きもありました。
モジュール間もお互いに学びを深めていける点で、コホート形式(最初から最後まで同じメンバーで取り組むこと)はとてもよく機能します。そして、こと、マインドフルネスには言語の問題がついて回ります。現時点では、トレーニングは英語圏が先行しています。これを、先々、日本人の方にクラスを提供していく場合、日本の言語や文化にどうあわせていくかということが大きな課題となります。この点についても、受講者の皆さんどうしで活発な議論が始まりつつあります。
これから、MBSRを始めとするエビデンスに基づくマインドフルネスが日本に広まっていく、その土台となるトレーングプログラムになります。今後、日本のMBSR, MBCTの先生方と一緒に連携しながら、安全で効果的にマインドフルネスが広まっていくサポートを行っていければと思っています。
※第2期は2021年9月開講予定です。現在募集中。