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マインドフルネスの可能性 Part2 〜気づいた後に、どんな態度が必要なのか選択する〜

当センターでは、ドイツのthe Institute of Mindfulness Based Approaches(IMA)と連携し、2021年4月からマインドフルネスストレス低減法(MBSR)講師養成講座を開催しています。

その1期生として2022年10月にトレーニングを終え、MBSR講師となった粟野さんにご寄稿いただきました。会社員生活を経て、今はコミュニティ活動に関わりながら、MBSRを教えることを学び、感じていることとは。(ご本人プロフィールは文末)

2023年2月21日(火)から火曜午前のMBSR8週間コースを開講予定です。
>>詳細こちら

以下、粟野さんが、最近のマインドフルな体験について綴った文章引用のPart2(後編)です。前編では、ストレスを感じていることに気付くことについて触れられました。

では、気づいたあとにどうすればよいのでしょうか。

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ところで、自分自身のあるがままの状態に気が付いた時、どのようなことがおこるでしょうか?こんなことくらいでへこたれているのか、とか、何やってるんだろう、だめだなぁ、とか、こんなこと考えてる自分にがっかりとか、自分自身を評価したり、批判したり、厳しい目で自分を見てしまうことがあるかもしれません。

そんなことがまた新たなストレスを生じるきっかけとなったりしてしまうこともないとは言えません。そこでもう一つ大切なことは、自分自身にやさしさを向けるということです。

自分自身にやさしさを向けるというと、なんだか自分自身を甘やかしているような気持になってそのことに対して抵抗感がある方もいるでしょう。まず、今この瞬間の自分に注意を向けて、あぁ今自分はそんな風に感じているんだなぁとか、今自分はこんなふうに考えているんだなぁとか、今なんだかドキドキしてるとかあるがままの自分に気が付くことです。

そして、今度自分に対して、自己嫌悪などの批判的な気持ちが出てきたら、その時もまた、今自分のこと責めてるなぁ、と気づく。こんな風に気づきの実践というのは、その時の状況の瞬間瞬間で行っていけばよいのです。

気づいた段階では、「きついなぁ」「不快だなぁ」という感じがあり、「気づいたけど何も変わらないぞ」と思うかもしれません。ここで大事なことは、その不快さを追い払おうとしたり、ここにあっては行けないものとしたりすることではありません。また、「こんなことでへこたれている自分はだめ」といった自分を攻める考えが起きてきたとき、さらにこれをやっつけたり、抑え込んでしまおうということではありません。

そうではなく、そこに、やさしさを向けてみましょう、というのが粟野さんの提案されていることです。難しい感覚を抱えている自分にも、気づいてあげる。では、どうやって、やさしい注意を向ける力を養っていくのか。このためにMBSRやマインドフルネスの実践があります。その不快さ、難しい感覚に、どうやさしさを向けて関わっていくのかを、一緒に、瞑想やグループでのディスカッションを通じて行っていきます。

また、粟野さんは、それに関連して、もう一つの大事な要素として、判断にとらわれない注意、ということについても述べています。

そしてそんなとき、もう一つの定義、判断に捉われない注意を向けるということも覚えておきましょう。自分の思う通りにできない自分に対して、厳しい姿勢をとる代わりに、親しい友人や家族が、同じような状況にあったら

自分はどんなふうに声をかけるだろうか?と問いかけてみるとよいでしょう。柔らかい、心が緩むような声掛けの言葉がみつかるかもしれません。誰も完ぺきではないし、そんなことを求められているわけでもないのです。

苦しんでいる自分をあるがままに見つめる、受け入れるというのは、時にはつらいことかもしれません。そしてその苦しみや辛さは簡単に解決するものではないかもしれません。

でも、だからこそいたずらに抵抗したり、思い通りにいかないことにイライラしたりするそんな気持ちに振り回されてしまうのでなく、勇気をもってマインドフルネスに対応していくのです。誰でも自分にも他者にもやさしくすることができるのです。マインドフルネスは静かに私たちをウェルビーイングな状態に導いてくれるのです。

私たちは、特に自分自身に対しては、厳しく当たりがちです。つらい状態にある自分に対しても、「それは自分のせいだ、しっかりしろ」と励ましているようで、厳しすぎる言葉をかけることも多々あります。そんな時、そのつらい思いをしている自分が、自分ではなく友人や家族だったらどういうこえをかけますか、というのが粟野さんの提案です。皆さんは、苦しい思いをしている友人がいたらなんと声をかけますか。いたわりの気持ちを持って、寄り添うのではないでしょうか。それと同じように、自分自身に寄り添ってあげることができるでしょうか。

粟野さんは、マインドフルネスの実践を通じ、受け入れること、イライラに振り回されないこと、勇気を持つこと、自分や他者へやさしさを向けることの大事さに触れています。

これらのマインドフルネスの質は、一人で行う瞑想の実践のなかでも培われていくものですが、また、グループで一緒に学ぶなかで、お互いのやさしさに触れながら、培って行くものでもあります。

講師紹介 & 粟野さんのMBSR8週間コース

粟野さんのMBSRコースは以下にて実施されます。無料のオリエンテーションも行っていますので、ご興味あればご参加ください。
(以下をクリックしていただくとコースの詳細へとびます)

講師紹介 & 粟野さんのMBSR8週間コース

粟野さんのMBSRコースは以下にて実施されます。無料のオリエンテーションも行っていますので、ご興味あればご参加ください。
(以下をクリックしていただくとコースの詳細へとびます)

また、この2月期は、以下のMBSRコースも開講しています。(日程は開講日、名前のあとはMBSR講師資格以外の関連する分野)

以下()内は開講日
月曜夜(3月6日)19:45-22:15 江崎:公認心理師、産業カウンセラー
火曜昼(2月21日)9:00-11:30 粟野:企業、コミュニティ
金曜夜(3月10日)19:45-22:15 叶:臨床心理士、スクールカウンセラー

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International Mindfulness Center Japan
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