運がいい人とは? 自称運がいいだけの男 から学んだこと
自称、運がいいだけの男
「おれはただ運がいいだけの男だ」
彼は度々このフレーズを口にした。
彼が引き抜かれて社長になったのは、大学時代の友人が親会社のNo.2だったという縁がある。だからそのことを指していたのでしょう。
確かに彼は運がいい男だと思う。そんな存在を身近で観察することができて私もまた運がいいと言える。
瞬間的な思考の違いが生むもの
2011年3月。震災が世界を震撼させた。
原発から水蒸気が上がる映像を見て、私は「これで日本のインフラ輸出も終わりだな」と思っていた。ちょうどその頃、日本はインフラ輸出に力を注いでおり、原発はその主軸になっていた。
深夜になって彼が帰宅し、同じ映像をニュースで見てこんなふうに言ったのだ。
津波がなければあの震度の地震に耐えたんだよ!凄いよね!また日本の原発がバンバン売れるね!
まぁ、結果として彼の思考は浅かったわけですが。同じ事象に対してここまで真逆の考えを持つ彼に、驚きを隠せなかった。
また後日、被災によるサプライチェーン問題が取り上げられたときも「アジア諸国が技術をパクってなり替わろうとするんじゃないか」と心配になった私に対し、彼は「また日本の技術力を世界に知らしめた」と誇らしげに言ったのだ。
社会の底辺を生きている私の道と、成功者と呼べる彼の道。生まれたときは同じ地点だったと思うのにV字のように向かう先が離れていってる。1日の思考回数×生きてきた年月日。彼との間にある大きな空間はこうやって作られてきたのだと、そのとき私は実感した。
運がいい人の正体
一般的に「運がいい」と言われる人は、ちゃんとそれなりのことをしているのだと思う。運を招き入れている人、が正しいのかもしれない。
彼だって運で抜擢されたんじゃない。それまでの実績や人柄もあっただろうし、任せられると信頼を得て社長になったのだ。
例えば。
10件営業して3件成約した、という同じ事実に対し
「10件も頑張ったのに3件かよ」と思う人。
「まだ10件なのに3件も取れた」と思う人。
運がいい人というは後者のことなんだろう。
つまり、単純に思考が違うだけでは?と言いたい。そしてその先にまだ解明できていないが「引き寄せの法則」が待っているのだ。
はい、運がいい人のできあがり!となる。
運がいい人になるには
ネガティブな思考が真っ先に出てしまう私からすると、彼のように自然とポジティブな思考が出てくる人を非常にうらやましく思う。ネガティブな思考だと気づいたら、都度、ひっくり返すために時間と労力をかけているのだから「ずるくない!?」と言いたくもなる。が、嘆いても仕方ない。これは治らないのだ。
私にできることは、ひっくり返す時間と労力を惜しまない。いや、労力だと思わないこと。ぐらいだろうか。運がいい人になるには、運がいい人と同じことをすればいい。V字の道の進む方向は、とても緩やかにだが変わっている。
ちなみに、私は彼のことを「自称運がいいだけの男」と呼ぶのがお気に入りだ。
だって、運がいい人なのに心臓が止まっちゃうんだよ?運がいいってどういうこと?運って何!?皮肉をこめて、彼に対する最高の賛辞だと思ってそう呼ぶ。こんなスッポンみたいにしぶとくてたくましい女を彼女に選んだのだから、彼はやっぱり運がいいのだろう。
#とは