パパへの手紙
気づくと朝になっていた。
葬儀の朝だ。
子供たちを起こし、棺桶に入れる手紙を書いてもらう。
その間、前の夜に選んだ写真をコンビニにプリントアウトしにいく。
帰ってきて、息子の手紙を読んだ。
「パパへ
10年間育ててくれてありがとう。サッカーの送り迎えもありがとう。
いままで本当にありがとう。天国に行っても上からずっと見守ってね。
本当にありがとう。
ママと結婚してぼくをうんでくれてありがとう。
パパはすごい人だったよ。
いつも優しくしてくれたりサッカー教えてくれたりしてくれてありがとう。ぼくがパパの分まで生きるから天国でたのしいことさがしてね。
いままで本当にありがとう。おこったりむししたりしてごめんね。
本当に大好きだよ。
おこってくれてありがとう。
たのしく生きたら、いくからね。
まっててね。
いままで本当にありがとう。
ありがとう。大好きだよ。
Yより」
胸が締め付けられて、息苦しくなった。
Y、ごめんね。なんでYがこんな手紙を書かないといけないんだろうね。
Yは何も悪くないのに、なんでこんなことになるのだろうね。
大好きだったパパをなんで奪われなければいけいんだろうね。
多分、ママがいけないんだ。
ママがちゃんとパパのケアをしてこなかったから。
ごめんね。ごめんね。ごめんね。