彼の声が聞こえたりするのかな?

ベランダのトマトを眺めながら返信した。

「ううん、なんかお祓いとかも考えたほうがよいのかな、とか、どうしたら子供たちにとってもっと居心地が良くなるのかなとかちょっと考えてたの。」

でも、本当に聞きたいのはこんなことではなかった。

戸惑いながら、書いては消して、を繰り返し、付け加えた。

「あとは彼の声が聞こえたりするなら知りたいなとか、笑」

心の底からに知りたかったが、「笑」をつけないといけない気がした。
とうとう気が触れたかと思われるのが嫌だった。

送って、緊張しながら待っているとまたすぐに返信がきた。

「声はなかなか聞こえないんだ。

チャネリングできる人もいるみたいだけどね。

全く個人的な感想だから、半分にして聞いてもらいたいんだけど、私はなんというか、暗いものは一切かんじなくて、逆にびっくりしたくらい。

なんか、後悔とか辛さのような念を感じられなかったんだよね。

わからないけどね、愛がいっぱいの中で次の世界に行ったのかもしれないとふと思ったよ。

勝手な解釈だったらごめんね。」

私の問いを不思議に思わず、疑うこともせず、答えてくれた。
M子の懐の深さとあたたかさに触れ、堰を切ったように涙が押し寄せてきた。

私は絞り出すように返信した。

「ありがとう。 ありがとう。

彼はこの世でやるべきことはやり切ったのかなぁ、とは思うんだ。

またそういう話もさせてね。」

「うん。ゆっくり話そうね。

まずは明日、一つのmilestoneだね。

お祈りしています。」

私はスマホを置き、またミニトマトを眺めながら泣いた。


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