愛してる

私は「愛している」という文字列を眺めた。

「信頼している」よりずっと聞きたかった言葉。

こちらに戻って来られないのなら、せめて聞きたかった言葉。

「愛している」は雨の後の虹のように心にかかり、最初のメッセージを受けた時の拗ねた怒りのような、哀しみのようなもやもやとした感情は虹の彼方へ消えていった。

「愛してる。子供達のことは任せて。」

私は心で呟いた。

身体の中のあらゆる液体が涙腺に集結して、枕がずっしり重くなるほどの涙を流した。



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