メッセージ2
電話をかけると、M子はすぐに出てくれた。
「もしもし?奈美?」
「あ、うん、なんか、メッセージって。。。」
「びっくりしたよね。今、大丈夫?」
「うん。」
「さっきね、F先生から突然電話かかってきたの。Mさんからメッセージを受け取ったって。」
F先生は、私とM子が東日本大震災を機に始めた在住外国人向けの防災教育の活動を通じて出会った、防災学の分野でお世話になっている国立大学の教授だった。私もM子も二度ほど、仕事で会ったことがあった。
「F先生?なんで?」
「なんかね、F先生は体質的に、目に見えない存在の声が聞こえるらしいの。例えばね、F先生の義理のお母様のお父様が亡くなったときに、葬儀の前に自分では話さない博多弁がどっと入ってきたんだって。で、机の下の黒い手帳をどうしても棺桶に入れて欲しい、とメッセージを受け取って、みんなで確認しに行ったら、黒い手帳があって、それを棺桶に入れられたんだって。」
「はぁ。。。」
「で、奈美がFacebookにMさんが亡くなったことを報告していたのをみていて、ずっと気にかけてくれていたらしいの。そうしたら、土曜日の朝にメッセージがきて、慌てて色々書き留めたみたい。
会ったことはないのに、兄貴肌なのがよく伝わってきた。って。周りの期待に応えながら、場を和ませる人だったんだな。って。」
「はぁ。。。」
「四十九日のお供物は、お寿司、肉のステーキ、卵、のり、が喜びとのことです。りんごも情報としてあるみたいなんだけど、食べ物としてのりんごか、りんごの木かは不明みたい。」
「はぁ、、、、。」
「あと、やはり男として息子には自分が好きだった映画・本を共有したかったって。でもそれは、オープンに話せる南米系の血の友人と触れてくれればわかるって。その人のことはとても信頼しているって。」
「はぁ。。。」
「あと、MさんはYくんをサポートするみたいだから、10年後、20年後、
「あれ?M?」って思うことがあるかもしれないって。自分の面影が息子に見えたら、そういうことだから、って。」
「はぁ。。。」
「あとは、ちょっと文脈がわからないものなんだけど、
「海辺の白い教会のある開放的な場所」
「富士山」
っていうキーワードもあるみたい。」
「はぁ。。。」