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自分の中にある誤ったフィルターを外そう-「魔法少女まどか☆マギカ」が教えるもの
心の中のフィルター
人が何か未知のものを理解しようとするとき、自分が持っている知識や経験から、それに近いものを当てはめて理解しようとする傾向があります。年齢、過去のお仕事、趣味などからその人の行動の傾向を探ったりします。50歳くらいの人だと、年齢相応に社会経験も豊富で人との関係性もまとめることが可能だったり、何か新しい企画を考えるときは頼りになるかなあなどと、期待されたりします。
しかし、当然それに当てはまらないこともあります。そうなると当てはまらないことを不当に考えてしまい、理由を決めつけてしまう人もいらっしゃいますよね。
ただの思い込みなんですけれど、言葉にすると「もう大人なんだから」とか「男のくせに」とか。
さも常識が正しいかのように振舞われて嫌な思いをすることもたまに経験します。
自分の中にあるフィルターをかけて理解しようとすることは、それ自体は理解のスピードを上げたりできるので悪いことばかりではありません。「ああ、あれね」というところから始めて理解する方が省エネにもなり、もっと大事な問題にエネルギーを使うことができます。
ここで考えたいのは、それがうまく当てはまらなかったときに、自分がどういう態度に出るか、ということではないでしょうか。
人は自分が理解しやすいように決めつけてしまう
以前高齢者の施設で仕事をしたときに、ある方の家族がなかなか面会にいらっしゃらないことがあり、スタッフ間でもモヤモヤしていました。表面上はご家族も近くにいらっしゃるし、経済的にも大きなご負担もなさそうなので、来られないことはないという状況でした。しかし、その方はいろいろご事情があってあまり家族の関係性がよくない状態にあったということを後でお聞きし、家族はこうあるべきだという一見合理的に見えるフィルターを通して理解していたことをとても反省したものです。
経験を基にした解釈は、理解が早い反面、事実を見誤ると間違った理解になってしまう。このことは、そのあとの自分の行動に大きな影響を与えました。
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誤ったフィルターが行動を変えてしまう
アニメを観始めたころ、学生に何か面白い作品はないかと尋ねたところ、「魔法少女まどか☆マギカ」(2011年)を勧められました。
勧めてくれてありがとう。でも、いや、いくら何でも魔法少女モノはどうかなあ?この絵とタイトルって、子ども向けだよね?
そう思って1年くらい放っておいたのですが、別の大人に「観た方がいいよ」と言われ、そうかなあと思って観たところ。
大人に言われたから観る、というあたりでかなりフィルターがかかっていますよね。
結果、このアニメは私の人生の中でも忘れられない作品になりました。
ストーリーが秀逸で、あっという間に罠にハマってしまいました。
名前や、絵のタッチ、雰囲気など、表面的なものだけで判断してはいけないという戒めを、今でも私に与えてくれています。
思い込みがチャンスを奪ってしまったいい例です。
こんな大人にならないように生きていこうと思いました(反省)。
まだ観ていない人は、何も調べずに3話まで観ることをお勧めします。
(もちろん感じ方は人それぞれですので、ご自身の判断でお楽しみください)
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※上の動画は次に公開される劇場版のものです