【無料】基礎から分かる水産用語<89> ブルーツーリズムとは
ブルーツーリズムとは
漁村に滞在し、地域交流や漁業体験などの「体験型観光」を通じて心身をリフレッシュする余暇の過ごし方。地域が一体となり、自然や歴史・文化といったその土地固有の魅力を訪問者に伝えることで、保全につなげるエコツーリズムの一つに位置付けられる。
離島や沿岸地域の振興策として、国交省と水産庁が共同で1998年度から推進している。同省はブルーツーリズムの狙いを①国民ニーズに応える新しい余暇活動の提案②離島・漁村地域の活性化③漁業と海洋レクリエーションの調和―と紹介。海に関する新たな見方や楽しみ方の提案、地場産業の育成、海のルール順守・マナー向上といった多面的な効果が期待されるという。
例えば、福島県では「ふくしま浜通りブルー・ツーリズム」と銘打ち、県沿岸地域の「浜通り」を観光資源に活用する取り組みを2021年度から推進。サーフィンやサイクリング、釣り、海鮮料理など各地区が提供するコンテンツをパンフレットや動画にまとめ、国内外に発信している。
国も福島第1原発ALPS処理水の海洋放出による風評被害対策としてブルーツーリズム推進に注力。被災地域の市町村や観光協会に向け、コンテンツの充実やプロモーション強化に資する支援事業を設けるなど、震災からの復興策としても活用されている。