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私の「ホットケーキ」探求日記🍳

ホットケーキ。
それは、甘くてふわふわな、
魅惑のお菓子。

同じふわふわでも、
パンケーキとは少し違う。

寡黙なマスターがサイフォンでコーヒーを淹れながら、
カウンター向こうの薄い鉄板の上で焼いている、甘い香りを漂わせる、アレ。

家庭でも「ホットケーキミックス」を使えば簡単につくることのできる、アレの方だ。

手軽につくれるホットケーキは、(料理が苦手な)私の得意料理。

「ホットケーキミックスで? そんなの誰でも作れるやん。それって料理って言うの?」
と、あなどるなかれ。

理想のホットケーキにたどり着くには、一筋縄ではいかない、
長い長い道のりが必要なのだ。


そもそも、私がホットケーキにこだわり始めたのは、創作大賞2024に応募する小説を書いたことがきっかけだった。

連載小説「春夏秋冬 こまどり通信」の中で、

 それから、一緒にホットケーキを焼きませんか、と私は提案した。
 私がこの家に来た小学一年生の時、林檎の絵を描くことの他にもう一つ、ちーちゃんは「悲しみを乗り越える方法」を教えてくれたのだった。

第十話(最終話)より


と、主人公のちどりがホットケーキをつくるシーンがあるのだが、

連載を終えてから、私はあることに気づいてしまった。

「ちょっと待って。
小説の中ではちどりがふわふわなアレをつくってるけど、
私、ふわふわのはつくったことがない!」

と──。

確かに、小説はイメージで書くこともできるけれど、
ほぼ「体感覚」で生きている私は、つくっている間の感覚や、食べるまでの経験を身体にインプットした上で、よりリアリティを追求したい。そう思った。


そこで、創作大賞2024が一段落した夏の終わり。

【材料を変えずに、これまでで最高の、ふわふわホットケーキをつくる!】

と、私は我が家のホットケーキ女王を目指すことにしたのだった。


我が家で使っているホットケーキの材料は、次のとおり。

◯卵 2個(※メーカー推奨量の倍入れてます。)

◯牛乳 100cc

◯ホットケーキミックス(小袋) 1袋(焼き上がり目安:3枚)



材料によって差が出ないように、メーカーは固定することにした。

◯『森永ホットケーキミックス』

◯『コクと旨みの卵』(ファミリーマート:12ヶ入)

◯『成分無調整 酪農牛乳』(協同牛乳)

 ※ついでに、使用する道具、皿も毎回同じにする。


ホットケーキミックスを使ったつくり方は、とてもシンプル。
(『森永ホットケーキミックス』袋裏のつくり方を参照。)

1.ボールで卵を溶く。
 (※溶く、混ぜる際は、泡立て器を使用。)

2.牛乳を追加して、混ぜる。
 (※卵と牛乳を一緒にいれて混ぜるのもOKだけど、私は分けて入れている。)

3.更にホットケーキミックスを加えて、軽く混ぜる。
 (※ダマは多少あってもOK。混ぜすぎに注意。)

4.フライパンを1分熱して、濡らしたふきんの上で一度冷ましてから、
片面ずつ3分、2分で弱火で焼く。


こう見ると本当に簡単な手順だけれど、
当初、私が焼いたホットケーキはこんな感じだった。


2024年8月初旬の某日。


一応、丸型に近い形には焼けているものの、焼き上がりの厚さが薄く、縁も波打っている。
何なら、ちょっと地層っぽい。

卵の分量のせい? とも思ったけれど、
どうやら、タネとなる液が緩いことが原因のよう。
まずはホットケーキミックスの【混ぜ方】から見直すことに。

(混ぜすぎないで⚠ と、つくり方には書いてあるけれど、
これまではダマが小さくなるまで、ひたすら混ぜていたのでした。)


そして……。

8月中旬の某日。


なんと、混ぜ方を変えると、姿形が少しふっくら!
前回に比べて、縁もだいぶ滑らかになった。

ダマが残ることを恐れずに、
「の」の字の半分まで書くイメージで混ぜると、

今までサラサラになっていたタネ(液)がもったりして、
フライパンの上で流れにくくなるという現象が……!


よし、この調子で続けてみよう!

ということで、いくつか動画を観てみると、
【卵と牛乳を室温に戻しておくと良い】
ということが分かったので、早速試してみる。


8月下旬の某日。


おおっ、
これは……?

少し室温に置いておいた卵と牛乳を使用したこの日は、
何だか焼き上がりが綺麗に……!


ただ、厚みがもう一息だったので、
次回は 卵と牛乳を室温に戻す時間をもう少し長くすることに。
(猛暑のため、室温に暫く置いておくことが少し心配だったのです。)

そして、
二週間後に再度チャレンジしてみると……。



9月中旬の某日。


わーー!
これは、来たのでは!?

目指していた、厚み2.3センチ
焼き上がりも、しっとり ふわっ な感じになってる!


焼き目が薄く、フライパンに引く油で焼き目のムラは出ているけれど、
これまでで一番、理想のホットケーキに近づいたのが目で分かる。


やはり、

・卵・牛乳を室温に戻すこと。
 ※できれば、卵はカラザを取り除き、黄身と白身が馴染むまでしっかり溶く。

・ホットケーキミックスを入れて、混ぜすぎないこと。
 ※混ぜるというより、「の」の半分くらいまでを描くイメージで手首を返す感じが、個人的にはよいと思っている。
 ⇒そうすることで、生地のタネが「もったり」とする。


これらが、私の場合は【大きなポイント】ととなった!



9月下旬の某日。


この日は、綺麗な焼き目がつくまで焼いてみよう!
と試みたけれど、

ホットケーキミックスを混ぜている回数が途中で分からなくなってしまい、
勘でやっていたらタネの液体がサラサラになってしまった。

ちょっと「どら焼き」ちっくだけれど、味はOK。

失敗もあるけれど、
「少しずつ、焼き目も上達してきた!」
と、毎回一つほめるところを見つけるようにするのが、
たぶん続けるコツ。


上と同日。
油を引く時も、うす~く、均一にを心がけて。
日進月歩。



ホットケーキミックスは、忙しい時にも手軽につくることができるし、
どんな風につくってもだいたい美味しくなってくれる。
魔法のような品物を企画開発されてきた皆さんには、本当に頭が下がりっぱなした。

けれど、二か月ほどの間、定期的にホットケーキを作ってみて、気づいたことがある。

それは、同じホットケーキミックスや材料を使っていても、
つくり方次第で美味しいものを更に美味しくすることができる、ということだ。

私にとって家庭でつくるホットケーキは、
「毎日食べるもの」というよりは、「元気になりたいときに食べるもの」。

ちょっと落ち込んでしまった時や、食欲がない時でも、
あの優しいふわふわとした甘さ、バターや蜂蜜との最高のコラボレーションが、私にいつも元気をくれた。
(卵を2倍入れているのは、元気をチャージしたいといった意味合いもある。)


【材料を変えずに、これまでで最高の、ふわふわホットケーキをつくる!】

それが当初の目的だったけれど、
ふわふわを追求すると、これまで想像していなかったような美味しさに出会えた。

一つ一つの工程に気を配ることで、以前よりも味にムラがなく、卵や牛乳が均一に馴染んで、心なしか上品な味に感じられる。
口に入れると、バターや蜂蜜に負けない穏やかな甘い香りが、長い時間鼻腔に留まっていた。


最近は、月に一度ほど、このホットケーキを楽しみに妹がやって来てくれるほど。

一歳の子ども(私の甥っ子にあたる。)を育てながら、仕事や時間に追われる妹に、
一時でもただ甘い世界に酔いしれる時間を楽しんでもらえたらと、
私もますます美味しいホットケーキをつくりたいと情熱を燃やすようになった。


「ホットケーキミックス」を使えば、簡単に美味しいホットケーキをつくることができる。

けれど、その世界はまだまだ深く、まだ知らない美味しさがこの先に待っているような気がしている。

悲しい時、元気がでない時、食べるのも疲れるな、という時。
元気を出すにも、誰かの言葉をもらうことが負担だな、と感じる時。

ホットケーキをつくることで、誰かが元気になる「きっかけ」になれたら。

そんな野望を胸に抱きつつ、私はこれからも腕を磨いていくつもりだ。




《ホットケーキのつくり方 参考動画》

☆ホッとケーキさん。youtubeチャンネルより↓


☆森永製菓youtubeチャンネルより↓


※追記
 ホットケーキミックスを混ぜる際、どこかで20回と見た気がしていたのですが、袋裏面の説明ではなかったため本文を訂正しました。


#挑戦してよかった

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みなとせ はる
いつも応援ありがとうございます🌸 いただいたサポートは、今後の活動に役立てていきます。 現在の目標は、「小説を冊子にしてネット上で小説を読む機会の少ない方々に知ってもらう機会を作る!」ということです。 ☆アイコンイラストは、秋月林檎さんの作品です。