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No Mapsへ参戦! みなと計画はなぜ徒手空拳を選んだのか?

北海道を舞台に新しい価値を生み出すクリエイティブコンベンション「No Maps」に、新たなカテゴリーとして「No Maps Social」が初開催されました。

社会的課題に向き合う人達が垣根を超えてパートナーシップを結ぶことを目的に二日間で10近いセッションが繰り広げられました。
主催者とのご縁により、このなかのセッションの一つ「現場市場主義(9/15 10時30分~)」をみなと計画(担当橋本)で企画させて頂きました。

No Mapsの主催者から「ただの講演会形式みたいなつまらないのはノーサンキュー」的なことを伝えられ、自称エンターテイナーとしてはこれを挑戦状と受け取って、これまでに行ったことのないスタイルの場を作ることとしました。

結果的に、お金に困りがちなNPOの活動”現場”にどうすれば健全に資金が循環するのかを探るため、これまで接点のなかった人に活動現場で奮闘するプレイヤーが身体一つで直接訴える、という実験的な場を作ることになりました。

こだわりポイント

このセッションを組むにあたってこだわったのは以下の3つ。
1. 投映資料は無し
2. 理屈を超えた共鳴
3. 熱狂を生む絶叫

それぞれについてご説明します。

1. 投映資料は無し

プレゼンをする側としては、投映資料があると楽です。
話すことを忘れても、投映資料があれば思い出しながら話すことが出来ますし、言葉では聞き取り切れないことも視覚的に補ってもらえるという安心感があるからです。

しかし、発表者自身が投映資料にちらちら目を向けてしまって、お聴き頂いている方への集中力が欠けるというデメリットがあります。

人と人として向き合うことを大事にするのなら、間に介在するものは無い方が良いと考え、思い切って投映資料無しにしました。

2. 理屈を超えた共鳴

波長が合うという言葉がありますが、みなと計画に関わる若者は「結局はヴァイブスが合うかどうか」が一緒に働けるかどうかの判断になると言っています。

ロジックによって共感を呼び込むのは大事なことですが、もしかしたら、ロジックの前に人の魂(つまりロック!)が動く瞬間というのがあって、それが理屈を超えたところで起きる”共鳴”なのではないかと思うのです。

時間にすると刹那、その共鳴が起きた瞬間に全ての言葉がクリアに響くのでは?という仮説のもと、参加者には、この場で起こしたいのは「共感ではなく共鳴」、見て欲しいのは「言葉ではなく佇まい」とお伝えをしました。

これは対話の作法でいう「聴き方」に通じます。話し手がなにを伝えようとしているのかを言葉だけではなく、その存在全てを受け止めるように聴く、というものです。

3. 熱狂を生む絶叫

これはあまりオープンにはしたくないのですが、登壇者をご紹介するときにプロレスのような呼び込みをしました。はい、私が……。

登壇者と参加者の双方に「徒手空拳で挑むぞ! 覚悟はいいですか?」をお知らせし、人と人として向き合うためのゴングを鳴らすための試みです。

場を整えることで然るべき共鳴は起きるはず! この絶叫は自分が用意できる最後の設えでした。

ちなみにこのためにプロの呼び込み動画を観て、夜な夜な一人で絶叫して練習しました。
腹の底から、恥じらいなく、声を上げるというのは本当に難しいものでしたが、登壇者が全力で準備していいるので自分もなりふりかまわずやってみました。

なぜみなと計画が?

みなと計画が次のステージに進むにはもっと多くの方に関わりを持って頂く必要があります。
活動の内容を分かり易くお話しし、解決方法を論理的にお示しをしながら共感をして頂くのが正道ではありますが、同時に別の方法も持っておく必要はないだろうか?と考えていました。

つまり、まったく興味がない人にはこのような丁寧なアプローチをする機会はまずないだろう、ということです。

そこで、エンターテイメント的な要素を取り入れたイベント形式の場で、「まったくその気がなかった」人の心を一瞬で動かすようなことができないだろうかと考えました。

小道具はなく、ただ全力で、誠実に、まっすぐストレートを投げ込む!

ファンドレイザーとしては全く邪道(要素としては存在するが正道ではない)な方法ですが、対話の場を作ることも生業としているなかで、上手く喋る以上に、「まっすぐに想いを表現する」(上手い言葉で話すのではなく、その時の想いを持てる限りの方法で表現)ことがときに有用であると感じているため、それを応用してみました。

反響

今回ご登壇頂いた皆さんからは、「このような紹介のされ方をして力が入った」「投映資料を使わないからこそ5分の話しをめっちゃ練習した」という声が聴かれました。

また、ご参加頂いた皆さんからは、「投映資料を見ながらのプレゼンに慣れていたが、それがないことで人に集中して聴いた」という反応がありました。

これはまさに狙っていたことで、人と人として向き合うことの有意性を感じることが出来ました。

たくらみ

今回の収穫は大きなもので、みなと計画を周知する方法としてはもちろんですが、みなと計画が大事にする「一人に向き合う」の姿勢を体現する場を、イベント形式で作ることが出来る可能性も同時に見えました。

話し手も、聴き手も、ときに激しく、ときに穏やかに、お互いに全力で向き合うような場=「Live of Vibes」を。

謝辞

このような機会を下さったNo Maps関係者の皆さん、ムチャな企画にも関わらず最初から快く応じて下さったご登壇者の皆さん、絶叫を嫌な顔一つせず受け止めて下さったご参加者の皆さんに、心より感謝申し上げます。

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