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推しポのはなし

内閣府が公募をしました 「令和6年度地域における孤独・孤立対策に関するNPO等の取組モデル調査」に、「推し活」を切り口に若者の孤独孤立を地域で予防しようという内容で応募したらまさかの採用!

その取り組み内容のひとつ「OSHI PORT」(通称:推しポ)についてのお話しです。

ざっくり推しポ

STEP01:まちなかの飲食店を推し活の拠点「OSHI PORT」に設定して、同じ推しをもつ若者にPR!

STEP02:お店の人や常連さんと推しの話しで盛り上がる!

STEP03:困りごとがあっても推し仲間に気軽に相談!

STEP04:仲間で解決できないときはまちのセーフティネットに即つなげる!

という感じで、暮らしの延長で信頼できるコミュニティに身を置きつつ、なにかあったときにも気軽に相談できるし、社会制度的なサポートが必要になっても関連機関が横でつながるセーフティネットがあるから安心してね!という2段構えの仕組みを作ろうというものです。

推しポの紹介用に作成したマンガ

なぜ推し活か?

一言で表すのなら「好きなことだと最短で打ち解けられる」からです。

これまでの若者に関わる活動の経験上でも、接客業の経験上でも、自分自身の人生上でも、やはりその人の好きなことに触れられたときにキョリが縮まると感じています。

同じ好きなものがあるだけで、さっき出会ったばかりでも旧知の間柄のように話しが弾むものです。

若者と社会との接続を考えたときに、これを前面に出すことがアプローチとしては有効ではないかと思いました。

別プロジェクトで推し活をテーマにした集まりをしたとき

専門の窓口はキョリが遠い

若者が困ったときに頼れる窓口は多くあります。

大学ではカウンセラーの対応も可能な相談室がありますし、まちには社会福祉協議会、行政の窓口もあります。

しかし、いざ必要となったときにそれらの窓口に直行するのなら苦労はしない!

それらの窓口の方にお話しをお伺いしたときも、必要な人ほどキョリが遠く、そこにアプローチをする手段に手詰まり感があるとのことでした。

だからこそ、暮らしと窓口の中間に「入口」があることの意味があり、推しポはそこを狙うものです。

関連機関をつなげたセーフティネットの必要性

推しポを前面に出したプロジェクトですが、もう一つの重要な軸が、まちの関連機関をつなぐ仕組みです。

若者の状況は多種多様で、関連する機関や制度も多種多様なので、最適な対応方法を見つけるには、対応するスタッフの「職人芸」が頼りになります。

対応履歴を共有できるうようにして、誰でも同じように対応できるようにすれば良いだけでは?と思いますが、それが出来ていればとっくにやってるわい!

日々の対応に精一杯でそれを誰でも分かるように記録する(なおかつ共有しても良い情報に整理する)ことが難しく、やりかけたとしても中途半端で終わってしまうのではないでしょうか?
そして、自分の専門エリアならそれが出来ても、他機関のケースまで網羅することは二の足を踏むと思います。

そこで、関連する機関がそれぞれに持てる専門領域を重ね合わせて、入口がどこであっても適切な機関や制度につなげられるようにできないか!というのが、みなと計画で当初より描いている願いでした。

スモールスタートで

一足飛びにそんなの出来ないので、まずは、関連機関(江別の場合、既に生活困窮者に対応するテーマの会議がある)でLINEグループを作ります。

これは既にあちこちで行われてもいると思いますが、運用ルールが明確ではない場合、停滞や情報漏洩などのリスクも出てきます。
これまでの経験も踏まえて、どの機関でも参加できて、なおかつ活用がしやすいようにルールを定めます。

次に、対応ケースの蓄積です。

関わる機関が多岐にわたるなか、最低限の「このときはこの窓口でこの制度を使った」が蓄積されていくだけでもぜんぜん違います。
新しい担当者になったとしても、この蓄積はきっと役に立つでしょう。

重要なのはローカル性

恐らくいまでも、AIの進化でテキストや音声に対応して必要な情報が出てもくるでしょう。

ただ、ここで重要なのは、顔の見える関係性です。

この件なら、この機関の〇〇さんを紹介できるよ?
〇〇さんはたしかあそことつながっているはず!

一般的な回答ではなく、暮らしの範囲内で実体を伴う情報網を、それぞれのまちで構築することに意味があると思います。

それが出来れば、まちとまちをつないでいくことも可能になるでしょう。

推しポの未来

推し活は福祉関連の方でもしていますよね!

推しポのなかで若者も福祉関連の方も、そのほかのまちの方々も、みんなが日頃から交わっていれば、相談窓口の手前で日常会話のレベルで解決をすることも可能になるでしょう。

社会制度を利用することには抵抗のある方も少なくないですが、推し仲間の言うことならすんなりと聴ける気がしませんか?(私はそうです)

推しポは若者を対象とした事業ですが、この仕組みが成功したら、全世代対応のセーフティネットになるはずなのです。

推しポのロゴ

そんな単純なら苦労しないよ!

という声も聴こえてきそうですが、経験知から得られた光明があるのなら、邪道と呼ばれようとも全力で試してみるのが、みなと計画です。

あと、はたから見て「楽しそう!」と思えるような、わくわくするような切り口で攻めるのも大事にしています。

※推しポのインスタ https://www.instagram.com/oshiport/
(福祉サイドの情報は無くし、ひたすら推し活情報を流していきます)


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