”みなと計画”を全力でラフに伝えてみる
こんにちは。みなと計画にご興味をお持ちくださり、そしてこのページをご覧頂きありがとうございます。
みなと計画は、すぐに理解できるような分かり易い活動ではないのですが、どのような表現をするとこの価値をお伝えできるのかをいつも試行錯誤しています。
日々の取り組みのなかでより最適な言葉を見付けては説明の仕方を更新しているため、このページの文言も常に見直していくことになるでしょう。
この稿では”少々くだけた表現”でみなと計画をお伝えできるか試みてみたいと思います。
あなたの心のどこかに、なにか一つでも共鳴するものがあれば幸いです。
初稿:2023年6月8日
1分でお伝えしてみるみなと計画
「若い世代が未来に希望を持てない社会に未来はない」との実感から、北海道江別市(札幌市のおとなりです)を拠点に、2018年から始めた活動です。
以下、よくあるやりとり。
Q.具体的になにをしているんですか?
A.若者のお話しを聴いてます。
Q.……それだけですか?
A.あ、いえ、さすがにただお聴きするだけではないです。
Q.そうですよね!
A.はい。めっちゃ聴いてます。
Q.………。
それぞれに異なる背景を持っていて、いまご縁を頂いて向き合う若者の声を、言葉になる声だけではなく、身体からにじむ想いの全てをただひたすらに聴き受けられるように努めています。
そこからご本人のお気持ちに沿って、必要であれば手を添える感じでそっとサポートをさせて頂いています。
数量的インパクトの小さい、成果も短期的に出ずらい地味な活動ですが、その積み重ねが徐々に連なり面となることが、目標を達成する最短ルートだと信じています。
もう3分お付き合い頂けるのなら、始まる前の経緯もお聴き下さい!
「江別市」は人口の約1割が大学生という特殊なまちにも関わらず、まちの人からは「大学生をまちなかで見かけることがない!」と珍獣扱いされるほど、いまいち若者とまちが混ざりあっていませんでした。
実際は、まちのいたるところで大学生や大学のゼミが関わってきた実績があるのですが、学生の卒業や教授の退官でそこでのご縁がぶつぶつと切れてしまい、なかなか仕組みとして定着しません。
これはきっと個人の資質に頼るばかりで、仕組みとしてつなぎ、そしてノウハウを蓄積できる「拠点」がいないからだ!と橋本(当法人現理事長/当時35歳/夢は世界平和)が一人でぶつぶつつぶやきながら考え、ほぼノリと勢いで2013年に「community HUB 江別港」を立ち上げました。
大麻銀座商店街に軒を連ねるこの拠点を、持続的に若者とまちのHUBにしようと考え、一階は誰でも気軽に訪れられるカフェ&ヌードル「menkoiya」(ふだん橋本はここで接客してます)、二階は多目的スペースとして開放しました。
余談ですが、こんな無計画ぶりでよく離婚されなかったものだと周囲はあきれていたようです。
さて、全ての若者を受け止めてやる!という根拠の無い自信だけを腕に抱えて始めたものの、さまざまな背景を持つ若者と触れるなかで、「やっぱ一人じゃ無理でした……」と数年後に白旗を掲げることになります(いい歳してざまーないですね)。
個人で出来ることはたかが知れていると思い知った橋本は、そこでかろうじて折れずに(一度は折れたみたいですが)気持ちを切り替えて、チームで取り組もうと2017年頃から仲間を募り始めたのが「みなと計画」の始まりです。
とくに大きな特徴として掲げたのが「基金」を作ることです。若者を応援したいと思う方からご寄付を頂き、お金を必要とする若者に給付をするという仕組みです。
言ってしまえばシンプル極まりない仕組みですが、「365日、どこに住んでいるどんな背景の若者の、どんな相談も承ります!」というバブル期のモーレツ社員みたいなモットーの基金を持つことで、たとえ突然お金が絡む相談が来ても恐れずに真正面から受け止めることができるようになりました。
そもそもみなと計画という構想を思いついたのは、江別港立ち上げ時に深く関わっていた大学生が家庭の経済的理由で突然音信不通になる、という出来事にショックを受けたことでした。
そのときに、「基金」をぜったい作ってやる!と決めたそうです(そこから実現するまで5年はかかり過ぎだと思いますが……)。
あと5分でみなと計画の特徴を全力でお伝えします!
とことん一人に向き合うという姿勢を、全てのプロジェクトで通底させていることが大きな特徴なようです(「ようです」というのは、周囲の評価から見て客観的にそうらしい、ということです)。
では、主要となる幾つかのプロジェクトを例にお話しします。
▶PORTS~なにか表現したいという想いをぜんぶ持って来い!的な
みなと計画の理事に美術系大学のコーディネーターがいたため、コロナ禍で影響を受けた若手作家の窮状を知ることになり、なんとかしようと始めたプロジェクトです。
切り口をアートに絞ることで、これまで関われなかった若者にも触れることが出来るのではないかという、「ジャンル特化」の試行も兼ねていました。
なにより大事にしたのは、「アーティストである前に一人の若者として向き合う」という姿勢です。
プロジェクトを始める前にヒアリングをした大学の先生からも、「アートの業界だけでなんとかしようとするのではなくて、福祉の業界とか、若手作家を社会と接続していくことが重要」と言われていたこともあり、アートとは無関係ながらやってみることになりました。
結果的に、相談窓口やアーティストトークなど、みなと計画らしい個人に向き合うギミックが散りばめられた取り組みになっています。
▶EBETSUto~まちぐるみで若者を育む!って暑苦しいにも程があるー
人生は長いです(急に語りモード)。
その長い人生で、「あのまちに戻ればなんとかなる」と思えるホームグラウンドのようなまちがあるとないとでは、気持ちの余裕がぜんぜん違うのでは?
ご縁があって江別の大学で学ぶ大学生にとって、このまちがそういう「母港」になれば、という願いから「EBETSUto(エベツト)」は生まれました。
江別市役所との協働事業ですが、大事にしているのはまちや大人の都合をゴリ押ししないということです。
「あなたの想うままにこのまちで過ごして欲しい」、それが気付けば江別というまちが背中を支えてくれる存在になり、さまざまな形で江別と関わりが続くことにつながるでしょう、という仮説です。
行政でこの長期的な視点のロジックを理解して下さり、予算をかけて頂けるのはありがたいことだと思います。
大学生個人の人生に向き合い、そこにこのまちが長期的にどのように関わり/関わり続けられるのか? この模索は他のまちにも応用できると考えています。
▶みなと基金~お金をきっかけに人生に寄り添う気持ちぃ!
この基金のスタートは、お金の問題から目を背けないということでしたが、お金を給付して終わりではなく、あくまでそれをご縁として長期的に寄り添うことが本当の願いです。
相談を受けても、お金を給付するかどうかの判断だけではなく、使える制度やサービスはないかとか、自力で出来ることはあるかなど、あらゆる方法を相談をしてきた若者と一緒に考えます。
そのためにも、若者の背景やいまなにを想っているのか、どんな気持ちなのかといったことも把握しようと努めます。
ここから先の人生を「生き抜く」ために、ともに歩むという気持ちで向き合います。結果的にお金以外の方法に行き着くことも多いです。
採択されても不採択になっても、最後にお伝えするのは「なんかあってもなくても、近所の人ぐらいの感覚でいつでも声かけてね」ということです。
あと、基金で関わった若者に、逆にこちらから相談をすることも増えています。そういう輪を意識的に作っています。
最後の1分はおさそいです
こんな地味で関われる若者の人数も少ない活動は、社会にインパクトを与えられるのか?と思われたかもしれません。
確かに、みなと計画だけで「全ての若者が未来に希望を持てる社会」を実現することは、途方もなく時間がかかることです。
でも、みなと計画だけでこれを実現する必要はありません。同じ志を持つ活動をしているところはたくさんあります。
そうしたところとつながることで、取組みを加速させていくことがいままさに力を入れていることです。
連携を打診していくなかで、それぞれに持ち寄れる唯一無二と言い切れる「得意とすること」があるかどうかが大切になると気付きました。
これまで航海を共にして下さった皆さんと作り上げた"徹底して個人に向き合う姿勢"を貫いたり、"フットワークの軽すぎる基金"を持っていることは、他団体の活動でカバーできないことを補えることも分かりました。
”全ての若者”と言うからには、さまざまなスケールの取組が同時に行われていくことが大切ですが、その全てを一つの団体で行うのは非常に困難です。
アリはゾウの見えないものを見ることが出来ます。
もしアリの視点での取り組みが自分には向いているなとご共感頂けるのなら、ぜひわたしたちと航海をともにしてみませんか?
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。
みなと計画と共に航海をする https://www.minapla.com/cheer/
EBETSUto https://ebetsuto.com/