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【NIKKEI】世界経営者会議2024完全レポ

10月28日と29日に、都内の帝国ホテル東京にて「世界経営者会議」が開催された。参加を経て、未来のビジネスシーンを垣間見たような、そんな感覚にさせられた。AIの発展は、私たちに無限の可能性をもたらすと同時に、新たな課題も突きつけてきた。世界経営者会議2024では、その両側面が深く議論されていた。それではさっそく今回の会議のレポートをしていこうと思う。

世界経営者会議とは

世界経営者会議は、日本経済新聞社が主催する国際ビジネスイベントの最高峰だ。毎年秋に開催され、世界の著名な経営者が一堂に会し、経営理念や企業戦略などを語り合う場となっている。また、単なるビジネスイベントにとどまらず、世界中の経営者が集まることで、新たなビジネスチャンスを生み出すプラットフォームでもある。今年は特に、AIの進化やサステナビリティなど、現代社会が抱える課題と、それに対する企業の取り組みが大きなテーマとなった。

AI時代に人間が輝く、世界経営者会議2024で感じたこと

AI、サステナビリティ、そしてグローバルな競争環境など、今まさに私たちが直面している課題が、世界のトップレベルの経営者たちによって熱く議論されていた。特に印象に残ったのは、各セッションで共通して語られていた「人間中心」という考え方だった。

AIが進化するほど、人間が果たす役割はますます重要になる

AIが高度化する中、多くの経営者が口を揃えて強調していたのは、AIはあくまでもツールであり、人間がその中心に立つべきだという点だ。例えば、エヌビディアの大崎真孝氏は、AIを活用した自動運転車の開発においても、最終的な判断は人間が行うべきだと述べていた。

また、現代自動車の張在勲氏は、モビリティサービスの提供において、顧客一人ひとりのニーズに合わせたパーソナライズされたサービスを提供するために、人間ならではの共感能力が不可欠だと強調していた。

人間中心のビジネスモデルこそが、未来を拓く

これらの発言から、私は「人間中心のビジネスモデル」こそが、これからの社会を牽引していく力になると確信した。AIが効率化や生産性を高める一方で、人間は創造性、共感能力、そして倫理観といった、AIにはない強みを活かしていく必要があると感じた。

ウーバーテクノロジーズのドム・テイラー氏の講演では、同社のドライバーのパートナーシップの重要性が強調されていた。ドライバー一人ひとりが、顧客との直接的なコミュニケーションを通じて、サービスの質を高めているというのである。また、GENDAの申真衣CEOが語った、メタバースにおける人間の役割も印象的だった。 メタバース空間においても、人間同士の繋がりやコミュニケーションが重要であり、AIはあくまでそのためのツールに過ぎないと述べていたのである。

AIと人間の共存、新たなビジネスモデルの幕開け

世界経営者会議2024で得た最大の学びは、AI導入が企業に新たな可能性をもたらす一方で、倫理的な課題や、従業員のスキルギャップなど、解決すべき課題も山積しているという点だ。AIを単なるツールとして捉えるのではなく、組織文化や人材育成と一体的に考えることが重要となる。そして、AIの恩恵を最大限に引き出すためには、私たち一人ひとりがAIリテラシーを向上させ、積極的に新しい技術を取り入れていく姿勢が求められる。

また、サステナビリティとAIの観点では、一見すると異なる概念のように思えるが、実は密接な関係にあるのではないだろうか。AIを活用することで、企業はサプライチェーンの効率化や、新たなエネルギー源の開発など、持続可能な社会の実現に貢献することが可能となる。しかし、AIの開発や運用には、大量のエネルギーが必要となるケースもあり、その点も考慮する必要がある。私たち経営者は、AIの力を借りて、環境負荷を最小限に抑えながら、経済成長を実現していくという、新たなパラダイムを築いていく責任があるのではないかと意識させられた会議であった。


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