メンタルブロック(心のブレーキ)とは
メンタルブロックとは、心の中で無意識に形成される「障壁」や「足枷」のことを指す。具体的には、何か新しいことに挑戦しようとしたときに、「自分にはできない」「失敗するかもしれない」といった否定的な思考が働き、行動を起こせなくなる状態だ。このような思考は、過去の経験や周囲の影響から生まれることが多く、私たちの行動や決断に大きな影響を与える。
メンタルブロックの特徴
無意識の影響
メンタルブロックは、意識していないうちに形成されることが多い。例えば、幼少期に親や教師から受けた言葉や価値観が、無意識のうちに自分の行動を制限することがある。
自己防衛のメカニズム
過去の失敗やトラウマが原因で、同じような状況に直面したときに「また失敗するのではないか」と恐れる気持ちが強くなる。このため、新しい挑戦を避ける傾向が生まれるのだ。
固定観念の形成
メンタルブロックは、特定の状況や行動に対する固定観念を生み出す。たとえば、「お金を稼ぐのは難しい」といった思い込みがあると、実際にお金を得るチャンスを逃してしまうことがある。
メンタルブロックの影響
自己肯定感の低下
自分に対する評価が低くなり、挑戦すること自体が怖くなる傾向がある。
行動の制限
新しいことに挑戦できず、成長の機会を逃してしまう。新しい挑戦を避けることで、成長の機会を逃してしまい、結果的に自分の可能性を狭めてしまう。
メンタルブロックの外し方
メンタルブロックは、私たちの行動や思考に深く根付いているため、気づかないうちに人生を制限している場合がある。今回これを理解し、意識的に取り組むことで、解除することが可能となる。では、解除する方法について解説していこう。
【カマス理論】とは
空腹のカマスを透明な仕切りのある水槽に入れ、反対側にエサとなる小魚を入れる。カマスは何度も透明な仕切りにぶつかりながら小魚を食べようとするが、やがて仕切りを越えられないことを学習し、あきらめてしまう。この状態が続くと、たとえ仕切りが取り払われ目の前をエサの小魚が通過しても、カマスはもう小魚を食べに行こうとしない。
まさに、メンタルブロックがかかっている状態を指しているといえる。では、このカマスがまたエサを食べるようになるにはどうすればよいだろうか。
答えは、もう1匹カマスを入れる、である。仕切りを知らない2匹目のカマスは何のためらいもなく小魚を食べに行くだろう。この様子を見た1匹目のカマスも、再び小魚を食べるようになるのだ。
この話は、学習性無力感を示している。つまり、1匹目のカマスのように過去の経験から「自分にはできない」と思い込むことで、新しい挑戦を避けてしまう状態だ。仕切りを越えられないと学習したように、人間も過去の失敗から自信を失い、行動を起こさなくなることがあるということだ。
この理論から学べることは、周囲の環境や他者の影響が非常に大きいということだ。新しい視点や挑戦を促す環境や存在がいることで、メンタルブロックを乗り越える手助けになるのだ。自分自身の限界を疑い、新しい挑戦をすることが大切なのである。
もし、あなたが挑戦ややりたいことへの一歩を踏み出せずにいる、1匹目のカマスだとするならば、2匹目のカマスがいるような環境や存在を求めてみてはどうだろうか。きっと、メンタルブロックが外れ大きく変化・成長できることだろう。そして、そんなあなたも、誰かにとっての2匹目のカマスになることを期待している。