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メガネを新しくして、女装ってパス率の問題じゃないことを理解できた話

メガネを新しくしました。いままでのメガネは、男性姿でメガネ屋さんに行ってテキトーに選んだやつだったのですが、今回は!女装したまま行って選んだやつです!

前回のメガネを買ったときは、男性姿のメガネを更新したついでに、「おしゃれ用にもう一本ください」という名目(?)で作ってもらったものでした。

試着しても脳内で女装した姿を思い浮かべて合わせるのは難しいので、ほぼカンで買ったものです。そのわりに意外と似合っていて、いい勘してると思っていたのですが、セルフレームだと目との距離を離すことが出来ないので、ツケマがレンズに当たる問題があります。

視力が変わってきて男性用のメガネも作り直すことにしたとき、今度はちゃんと試着して買おう、と思ったのでした。

女装でメガネ屋に行く

女装でメガネ屋に入ること自体は、今となってはそんなに難しいことではありません。パス率はともかくとして、一応女の子声も出せるようになって、カフェとかでオーダーする経験を何度もこなしているので、マスク外さなくていいメガネ屋さんなんてイージーモードです。

ただ、眼鏡屋さんには会員証があって、そこにはめっちゃ男性の名前が書かれています。つまりどれほどパス率が高かろうと、最終的には男性だとバレてしまうのです。

あと、わたしの女の子声はそんなにレベルが高いわけじゃないので、眼鏡の調整のために長いこと話していると、おそらくどこかで破綻することが予想されます。

よし、男性声のまま行こう。

と決めました。女装+男性の名前問題は、眼鏡に限らず、会員登録の必要なお店ではどうしてもついて回ります(献血とか)。今まではそういうお店には男性姿で行って誤魔化してきたわけですが、今後活動の幅を広げようと思ったらどうしたってついて回る問題です。

であれば、わたしは女の子の服を着るのが好きな男性ですけど何か?そういう人にだってメガネを作ってもらう権利はありますよね?と開き直って、堂々と男声で行くのがいいだろう、と思ったのです。

行ってみた

ということで、堂々と男性名の会員証を出して、メガネ新しくしたいですー、って行ってきました(男性声で)。

店員さんも、(内心はともかく)全然普通に対応してくれて、普通にメガネ作ってもらうことができました。


後日談として、男性用眼鏡はこれはこれでちゃんと合わせたかったので、数日後同じお店に男性姿で来店してもう一本作ってもらいました。

そのとき女性用眼鏡を男性姿で試着して、「ツケマつけるのでレンズ前に出してください」って堂々とお願いできたときに、あ、自分今一つ壁を乗り越えたなと思いましたよ。

女装はパス率じゃないよ

女装を始めた頃、パス率という用語をよく聞きます。お店とかでどのくらい女性に見られるか、いかに男性とバレないかを表す言葉です。

師匠を始めとする先輩たちが「パスしたほうがすごいのは確かだけど、そこは大した問題じゃないよ」と言うのを聞いていて、どういうことなんだろう?強がり?と思っていたのですが。女装する男性です、という態度でメガネ作ったことで、ようやく意味がわかった気がします。

女装を始めた頃って、どうしても完璧な女性になろうとして、男性である自分を否定したくなります。そのまま突き進んで性転換して名前変更してしまうのであればそれもひとつなのですが。そうじゃない場合。

どれほど完璧に化けようが、女の子声を完璧にマスターしようが、身分証に載ってる名前が男性という問題はずっとついて回ります。男性である自分を否定して身分証を出せないと、女の子姿で行けるお店が減ってしまうのです。

そこから先に進むためには、女装男子である自分と向き合って、自分はそういう人ですけど何か?男性だけど女装する人です、という自分を受け入れることが必要になります。

男性だけど女装する人です、という態度でメガネ作る経験をしたことで、なるほど女装はパス率じゃないよという言葉が腑に落ちました。完パスしたって自分が男性であるという問題はついて回るので、結局どこかで、自分は女装する男性という問題と向き合わなくてはいけないのですね。


メガネを作るというだけのことだったのですけど、すごいステップアップした気がするよという話でした


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