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堆肥の話とコーヒーの味。

こんばんちわ。
今年もよろしくお願いします。
みなと組の加藤です。


マガジンについて

去年まで上原と作成していたみなと組マガジンが、「ビッグビーチマガジン(因島大浜のことを我々はビッグビーチと呼んで格好つけています。)」としてパワーアップしました。是非みてみてください。

なので相対的にみなと組マガジンはパワーダウンし、ただの加藤のぼやきになってしまいましたとさ。とほほ。
今後は文字と写真だけの地味なnoteにお付き合いくださいませ。
どうぞよろしくお願いします!

肥料の話

ここ数日やっと冬らしい寒さになてきましたね。
今日なんかは因島でも雪降ってました。すごいね。
この時期は年間の栽培計画を立てたり、事務作業をしたりする時間が多くなってなんだかうずうずしてしまう日々。
割とフラストレーションが貯まる日々。

そんな悶々とした日々の中で、次の夏野菜に向けた準備をしています。
毎年今頃は夏野菜に与えるための「ぼかし肥料」を作っています。
ぼかしというと、いろいろな素材を混ぜて水を加えて発酵させた肥料のことです。それが今年はかなり良い出来だと思うんです。
(とか言って夏野菜全部カビるかもしんないけど、、、)

昔からみなと組を知っていてくれて、みなと組マガジンも5周くらいしている人なら知っていると思うのですが、僕はこの「ぼかし肥料」が野菜の味を大きく左右すると考えています。
どういう影響を与えるかというと、例えば鶏糞、豚糞や牛糞などの動物性の堆肥は独特の臭いがあります。それをそのまま畑に入れて野菜に与えてしまうとその堆肥の臭いが野菜の味として出てきてしまうのです。
これは臭いの問題だけてはなく、食感(堆肥が入りすぎると柔らかくなる)や味(堆肥が入りすぎると重たい甘みになる)にも変化が出ます。

そこで植物性の素材(米糠や麩)を原材料にして発酵させたものに目をつけました。これらの植物性のものは発酵させた後の臭いがパンやクッキーに少し酸っぱい匂いを足した感じの仕上がりになり、野菜に与えても変に重い甘さや臭いが出てきません。要は美味しくなる(僕好みになる)わけです。

ただこの植物性のものだけを与えていると収穫量が伸びません。
味は美味しいけど、収穫量が伸びない。
悩ましい。みんなに美味しい野菜を届けたい。いやむしろ自分が美味しいも

因島の汚泥堆肥工場で発酵する堆肥

のしか食べたくないからそういう野菜を育てていきたい。
でも、収穫量がないと自分が食べる分がない。
こんなことをずーーーーっと悩んできました。

汚泥堆肥とは、、、

いよいよ今年。この問題に一筋の光が見えてきました!!!
それが、因島で作られている汚泥堆肥です。
汚泥堆肥ってなんぞや?と思ったあなた。勉強し直してこい。
僕も実は話を聞くまで存在すら知りませんでした。

汚泥とはチョーざっくり言うと、下水や浄化槽、汲み取りなどで集めた人のし尿などを浄水場などで微生物による一時処理した時に出る活性汚泥(余剰汚泥)をもう一度別の場所で発酵させ、堆肥に加工したものです。

人の糞尿!?いつの時代の話してんだよ!と思った方。
ジャコウ猫コーヒー飲んで落ち着いて。

詳しく説明すると、、、
下水やし尿、食品工場排水には有機物や無機物さまざまな物質が含まれていて、そのまま川や海に流すと水質悪化、汚染を引き起こすものになる。
そこでそれらの排水を活性汚泥法という方法で、空気を送り込みながら微生物で処理する。微生物は排水中の有機物を餌として爆発的に増殖する。
次にその菌体や処理しきれなかった有機物を沈殿させ、濃縮、脱水したものが活性汚泥(余剰汚泥)なのである。
なので汚泥堆肥の汚泥とは下水やし尿そのものではなく、それらを一時処理した際の微生物の死骸や残った有機物ということがわかる!
そしてこれらの活性汚泥(余剰汚泥)は年間1億7,000万トン(2018年)もの発生量があり、産業廃棄物総量の約44%も占めている。すげえ。
しかも水分を多く含むので焼却処分にはエネルギーが大量に必要という。

因島ではまだまだ汲み取りのトイレを使用している家庭も多く、これからもし尿処理は大きな問題としてあり続けるものだと思う。
そんな島で、汚泥堆肥を生産している業者さんがいらっしゃることはすごく有意義だと感じる。のは僕だけ!?

なぜ汚泥堆肥を選んだか

これで汚泥堆肥に対する誤解みたいなものはだいぶなくなったと思います!
さらに実際に僕が因島の汚泥堆肥の工場にお邪魔した時、すごく驚いたことがあるのでそれも報告しておきます。

それは 臭いの無さ です。
先ほども言及したように、野菜に与える堆肥&肥料の臭いは野菜の味に大きな影響を与えます。
僕はつまるところ臭いのない堆肥を使って、収穫量の上がる肥料を作れたら最高だと思っていました。

正直堆肥工場に積まれていた堆肥を見て、匂いを嗅いで驚きました!
すごく近寄らないと、なんなら手に持って鼻に近づけないと臭いがしないのです!!!
これは本当に凄いことです。伝わらんかもしれんけど。
探し求めた堆肥(収量増に繋がる物)が目の前にあると思った時の興奮ね!!

この堆肥と米糠を合わせた自家製発酵肥料が、味が美味しくて収穫量があがる理想の肥料になることを願って仕込んでます。
今年の夏野菜、楽しみにしていてくださいね!!!!


人生はコーヒー味

ほろ苦い。
そんな体験ってみんなあるのでは?
いや、ほろ苦い人生なんていう文句があるくらいだから
僕らは四六時中ほろ苦いのかも。

しかし不思議だ。
一つの体験や人生を表現するワードに味に関する言葉が使われるなんて。
しかも「ほろ苦い」なんていう表現はコーヒーしか思い浮かばない。
「あの失敗はほろ苦い経験でした。」なんて他人が言う時、
渋い喫茶店で飲んだ、ただ苦いだけの重たいコーヒーを思い出す。

最近巷ではサードウェーブとか言って酸っぱくて香り華やかだったらなんでもいいみたいなコーヒーがいっぱいある。
例えばその人の人生の中で飲んだコーヒーが全部甘酸っぱく華やかだったらどうなるだろう。
その人は他人が「あの失敗はほろ苦い経験でした。」と言った時には何を思い浮かべるのだろう。
まさか酸っぱくて華やかなコーヒーか?
そしたら「ああ。こいつの失敗なんて大したことないんだな。」って思っちゃうんじゃない!?

サードウェーブのコーヒーばっかり飲んでると人間浅はかになっちゃうぞ。
今からでも遅くない!!
おしゃれ気取りは全員缶コーヒー飲んでほろ苦さを知れ!!
さもないと人のほろ苦さに共感できないペラペラ人間になっちゃうぞ!!

追伸
サードウェーブは非常に素晴らしいスタイルであります!
味もさることながら産地や農園ごとの味の違いを楽しめ、大量消費から一つ一つを味わうという流れを持っています!
大好きです。サードウェーブ。
酸っぱいコーヒー!!万歳!!




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