琺瑯(ホーロー)
琺瑯の漢字は難しい。こんなにも素晴らしい道具なのに、漢字が難しいという理由で、世間では琺瑯という材質を黙視しているのでは?と疑うくらいだ。と言いつつ、かくいう私も、それほどホーローの良さを理解していなかった。便利さにかまけて、その素材の特徴を理解しようともしていなかった。
今までは、コーヒーカプセル派だった。とにかく便利、早い、でこの味であれば、まずまずだなどと満足していた。コーヒーの本場アメリカのスーパーでも今ではどこのコーヒー売り場でも、名だたる有名コーヒーメーカーが、KEURIG(キューレグ)のコーヒーマシーン用カプセルを提供している。実に簡単にコーヒーが飲める、お湯を沸かさなくとも10秒程度で手軽に飲める。アメリカではドリップ式コーヒーメーカーが主力だったが、あっと言う間にKEURIGが全米を席巻している。そんな背景を知りつつコーヒーカプセルで飲む味には文句がなかった。
だが、先日、事件が行った。最近、オフィスに出勤するとすぐに、自分でドリップコーヒーを淹れるのだが、これがうまい。オフィスの近くに、第一コーヒーと言うメーカーがあり、この会社の入り口でコーヒーの直販をやっている。そこで、買った豆がうまいからだと信じていた。確かに、焙煎したてで、鮮度よく、抜群にうまいコーヒーではある。
ところが・・、やはり、家で飲むより、お茶もうまく感じる。コーヒーだけじゃない。なぜか?お湯を沸かしながら考えた。もしかして・・・。
ホーローのヤカンである。ホーローはガラス質の釉薬をコーティングした素材。ガラスが金属が溶け出すことを防いでいる。まあ、料理によっては鉄鍋で、ジャーと炒めて、鉄分も楽しむ料理も多いので、一概に金属が溶け出すことは悪くわないが、それでも嗜好品として楽しむお茶やコーヒーなどは金属の味の影響は大きい。そう言うことであった。
このホーローのヤカンで淹れたコーヒーは実にマイルドな香りと味を醸し出し、なんとも優雅なひと時を与えてくれる。なんでも、便利だけじゃ、いい時間を過ごせないってことだ。最近、ステインレスボトルで、エコを気取って、スタバあたりで、「マイボトル」でって気取って注文しているが、これからは、エコ+うまさの追求で、ホーローボトルの時代が来るかもしれない。確かにホーローは電子レンジも使えず、自分でお湯を沸かす必要があり、その部分は不便だ。しかし、心に余裕を持って、ホット一息。うまいコーヒーは気分が上がる。「うまい」の為に手間を惜しんでいるようじゃ、いい仕事もできない。これから、ホーローにこだわった、商品を沢山提供しようと決意した出来事だった。野田琺瑯さん(写真のヤカンメーカー)購入した時は、「ちょっと高いんじゃない」と思った自分が浅はかでした、申し訳ありません。そしてありがとうございました。