今週のSaaSニュース! Vol.65(9/5週)
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今週の資金調達ハイライト
動画クリエーター向けマルチTVチャネル配信SaaS Amagi $100M調達
インド発のAmagiは、動画コンテンツの作成者向けに、技術的な知識なしに、Samsong TV PlusなどのコネクティッドTVやTwitchのようなライブストリーミングサイト、40ヵ国2,000チャネルに配信、マネタイズを実現するSaaSを提供している。昨年は売上+136％と成長を続け、NBCやUSA Today等の大手メディア企業は、今年の東京オリンピックの配信をAmagiを利用して行った。主にメディア大国の米国をターゲットに、今後欧州や南米での拡大を目指している。今回、Accelなどから$100Mを調達した。(Amagi動画)
SMB向けall-in-one HR SaaS Factorial $80M調達
スペイン発のFactorialは、勤怠管理、タレントマネジメント、給与計算や経費精算などの人事関連のソフトウェアを一気通貫で提供するSaaSスタートアップ。世界65ヵ国で既に提供しており、昨年の売上は前年の3倍に急拡大。「欧州で最も有望なスタートアップ10社」にも選ばれている。今回のシリーズBでは、Tiger Globalなどから$80Mを調達。米国や南米での拠点を設置予定で、今後更なるグローバル展開を加速させる。(Factorial動画)
投資ファンド特化CRM SaaS Affinity $80M調達
米国発のAffinityは、VC/PE、投資銀行や不動産投資ファンドなどの投資業に特化した、ディールと投資先を管理するCRMを提供するSaaSスタートアップ。世界的なカネ余りを背景に、投資スピードが加速する中で、拡大を続けている。現在では、ソフトバンクやBain Capital Venturesなど、世界70ヵ国1,700社が利用し、月間45万件の投資ディールがAffinity上で管理されている。今回のシリーズCでは、Menlo Venturesなどから$80Mを調達した。(Affinity動画)
DevSecOps SaaSユニコーン Snyk $530M調達：Snykは、ソフトウェア開発がDevOpsから、サイバーセキュリティも開発に組み込むDevSecOpsにシフトする中で、この分野をリードするSaaSスタートアップ。今回のシリーズFでは、Tiger Globalなどから$8.5Bのバリュエーションで、$530Mを調達。
クラウドセキュリティSaaS Aviatrix $200M調達：Aviatrixは、クラウドネットワークセキュリティに特化したSaaSスタートアップ。今回のラウンドは、前回から7カ月でバリュエーション3倍の$2B。TCVやTiger Globalなどから、$200Mを調達。
クリエーター向けオンラインセミナー管理SaaS Elopage $38M調達：ドイツ発Elopageは、クリエーター向けにオンラインセミナーやレッスンの請求、メンバーシップ管理等のマネタイズを支援するSaaSを提供するスタートアップ。本シリーズAでは、Target Globalから$38Mを調達。
B2B企業向けスケジュール管理SaaS Chili Piper $33M調達：Chili Piperは、主にSaaS企業向けに、オンラインデモの予定調整などの自動化を支援するSaaSスタートアップ。今回のシリーズBは、Tiger Global1社のみに1回ピッチした後、20分でクローズ。$33Mを調達。
SaaSベースのワークフロー改善SaaS Fin $20M調達：Finは、企業内のSaaSをベースに組まれたワークフローを見える化し、改善に向けたインサイトを提供するSaaSスタートアップ。本シリーズAでは、Coatue、Accel、Klenier Parkinsなどの超一流のVCから$20Mを調達。
欧州版"Carta" Ledgy $10M調達：スイス発のLedgyは、資本政策やSOなどをエクイティ管理を支援する欧州版"Carta"。今回シリーズAで、Sequoia Capitalなどから$10Mを調達。
今週の主なIPO/M＆A
・米マイクロソフトが動画制作・編集SaaS ClipChampを買収
・米ペイパルが日本のBNPLユニコーン Paidyを3,000億円で買収
ストラテジー
エンタープライズSaaSは高価ゆえに、顧客の決断に自信を持たせる"ストーリー”は必要不可欠です。営業・マーケ・カスタマーサクセスは当然ながら、中長期のプロダクトビジョンの実現をリードするPdM/PMMも、どのストーリーを強化させるための開発なのかを明確にすることは非常に重要です。基本的な内容ですが、優れたまとめです。(日本語の要約Tweet)
エンプラSaaSの4大ストーリー
1)生産性向上
2)業務基幹
3)コスト削減
4)売上アップ
カスタマーサクセス
カスタマーサクセスは、日本でもここ数年で認知が広がってきた職種の1つと言えます。SaaSやサブスクリプション型のビジネスでは、事業の成長や企業価値を向上する重要なポジションです。こちらの記事は、米上場SaaS企業 Zendeskで実際にカスタマーサクセスの採用面談で使われている質問集をまとめた記事です。トップ10の質問は以下の通りです。
ZendeskのCS職採用面談で使われる質問トップ10
1. 弊社の製品を1分でピッチして下さい。
2. 弊社の製品を使ったことは? 改善点はどこですか?
3. リカリングを実現する上での、あなたの戦略は?
4. 過去、お客様の課題解決のために、通常のやり方を超えて対応せざるを得なかった事例を教えて下さい。
5.カスタマーサクセス業務を通じて、どのようにupsellにつなげますか?
6.顧客と永続的な関係を築くキモは何ですか？
7.あなたは自分をどんな人間だと思いますか？具体例で示してください。
8.仮にサーバーダウンで多数の顧客に影響が出てしまった時に、この問題を解決するために、あなたが取るステップは何ですか？
9.過去同僚との関係が悪くなった時、あなたはどのようなに対応しましたか?
10.仮に担当するお客様1社に対し、同僚が間違った情報を伝えてしまったとします。あなたはどのようにこの状況にどう対応します?
プロダクト
こちらの記事は、米Shopifyの元PdM(現プラットフォーム事業責任者) Brandon Chu氏による、プロダクトマネージャー(PdM)の行動原理となる2大原則(ファースト・プリンシプル)を解説した記事です。ファーストプリンシプルが重要な理由は、スタートアップが大きくなるにつれて、過去・現在・未来のPdMの行動・意思決定の根拠を明確にし、社内全体のステークホルダーが賛同できるようシンプルに伝えることができるからです。彼曰く、最高のPdMはこの2つの原則を忠実に守ってるとのことです。
PdMの2大原則
基本原則1. 会社のミッション実現に向けたインパクトを最大化する
基本原則2. ステークホルダーを通じて全てを成し遂げる
マネジメント
現代の企業では、D&I（多様な人々が互いに個性を認め、一体感を持って働いている状態）を組織風土としていかに浸透させるかは経営のトップアジェンダの1つになっています。D&Iが重要な理由は、以下の図にあるように、多様性のあるチームは、イノベーションが起こりやすく、個々人の能力発揮もされるため、優れた業績を産むことができるからです。本記事は、米SaaS上場企業ProcoreでD&Iのリーダーとして活躍されている、Valerie Jackson氏による「インクルーシブカルチャー」を作るための初心者向けガイドです。欧米より非常に均質性が高い日本ですが、グローバル展開を考えるスタートアップはもちろん、人種や性、性的趣向の壁を取り払い、人材のポテンシャルを最大限引き出す上で重要な論点ですので、ご参考にされてみることをオススメします。
ファイナンス
過去20年で、米国のベンチャーキャピタル産業は大きく進化しました。直近では、PEやヘッジファンドなどのクロスオーバー投資家による、グロースステージの出現や、IPOの長期化とSPACの登場など、思い当たる方も多いと思います。こちらの記事は、長年シリコンバレーで起業家・投資家として活躍してきたUpfront Ventures創業者 Mark Suster氏による、過去20年の米国VC産業の変化と今後10年の予測に関する記事です。日本でも海外投資家の参入が一般化してきている中で、VC業界の潮流を理解するには非常に参考になる記事だと思います。2031年に向けた、5つの予測も興味深いです。
Mark Susterが予測する今後10年の5つのメガトレンド
1. 環境の持続可能性への投資
2. 分散型/非中央集権的な「Web 3.0」への投資
3. データ×テクノロジー×バイオの融合分野への投資
4. セキュリティ、ドローンなど防衛技術への投資
5. テクノロジーによる世界的な金融産業の改革
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