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今週のSaaSニュース! Vol.84(1/23週)

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今週の資金調達ハイライト

サプライチェーン計画策定支援SaaS o9 Solutions $295M調達

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2009年米ダラス発のo9 Solutionsは、企業のサプライチェーンに関わる需給をAIで予測し、サプライチェーンの計画策定を支援する業界をリードするSaaSスタートアップ。創業からはじめの5年間はコンサルを中心に行い、2014年にソフトウェアをローンチした。顧客はWalmartやAnheuser-Busch InBev(ハイネケン等を配下に持つ世界的な酒類メーカー)などのエンタープライズ企業。近年のEC市場の急増とサプライチェーン課題からニーズが拡大している。本ラウンドはKKRや元米副大統領アル・ゴア氏率いるGeneration Investment Managementなどから調達。バリュエーションは$2.7B。(o9 Solutions動画)

営業インセンティブを自動計算するSaaS CaptivateIQ $100M調達

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2018年YC Winterバッチ出身のCaptivateIQは、複雑な営業インセンティブをノーコードで柔軟に設計でき、自動計算するSaaSスタートアップ。Forbes Cloud100企業の1/4以上が利用している。コロナ禍で営業活動のデジタル化が進み、営業活動のデータ取得の幅が広がると同時に、B2B企業の最大のGTM投資である"営業"のROI最大化のニーズが高まっている。本シリーズCは前シリーズBからわずか10ヶ月未満で実施。Sequoia Capital、Accel、ICONIQ GrowthというスターVC3社が共同でリードしている点からも高成長がうかがえる。バリュエーションは$1.25B。(CaptivateIQ動画)

アジア版Workdayを目指すDarwinbox $72M調達

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インド発、創業6年目のDarwinboxは、エンタープライズ向けにエンド・トゥー・エンドでHR向けSaaSを提供するSaaSスタートアップ。昨年の売上は2倍成長で、特に東南アジアでの成長は3倍超とアジア全体でのグローバル展開を加速。創業者らは欧米SaaS大手に屈せず、アジア全体でのSaaSの覇権を狙っている。本シリーズDでは、TCV、Lightspeed Venture Partners、Sequoia Capital Indiaなどから調達。バリュエーションは$1Bを超え、ユニコーン企業の仲間入り。(Darwinbox動画)

暗号資産管理SaaS大手 Fireblocks $550M調達:Fireblocksは、企業向けに暗号資産のカストディ業務をサポートするSaaS。世界800以上の主要金融機関が利用。本シリーズDはD1 Capital Partners、Spark Capitalがリード。バリュエーションは$8Bを超える。
データレイクの高速データ分析SaaS Dremio $160M調達:Dremioは企業が必要なデータを整頓し、かんたんにアクセス・分析をできるSaaS。この数年間連続で売上2倍超の成長。本シリーズEはAdam Street Partnersがリード。バリュエーションは$2B。
ビデオID認証SaaS Veriff $100M調達:Veriffはエストニアを拠点にオンラインビデオによるID認証プラットフォームを提供するSaaSスタートアップ。金融機関での導入が加速。本シリーズCはTiger GlobalとAlkeon Capitalがリード。バリュエーションは$1.5B。
暗号通貨にかかる税金を管理するSaaS CoinTracker $100M調達:CoinTrackerは消費者向けに暗号通貨に関わる税金計算を支援するSaaS。今回シリーズAにも関わらず、Accelリードで$100Mを調達。バリュエーションは$1.3B。
住宅ローン融資業務効率化SaaS Vesta $30M調達:Vestaは金融機関に特化したSaaS上場企業 Blend出身者が創業した、金融機関の住宅ローン融資の業務プロセスを迅速化させるSaaSスタートアップ。本シリーズAはAndreessen Horowitzリードで$30Mを調達。
保険向けBuy Now Pay Later(BNPL) Ascend $30M調達:Ascendは保険業界でBNPLの手法を活用したソリューションを提供するスタートアップ。本シリーズAではIndex Venturesリードでエクイティ調達に加え、HSCMから$250Mをデッドで調達。

今週のIPO・M&A

米AtlassianがバーチャルエージェントAI Percept.AIを買収

マーケットトレンド

クラウドマーケットプレイスの最新状況2022

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AWS, GCP, Azure, IBM/Red Hatなど、SaaS企業がクラウドマーケットプレイス上でSaaS販売を支援するTackle社による年1回の売り手/買い手へのサーベイ結果。米国ではSaaSのマーケットプレイス販売が、上図のような利点があるため加速している。Forresterの予測では、2022年にマーケットプレイス経由の支出は17%、2025年までにクラウドマーケットプレイス市場は5.5兆円($50B)に達する見込み。本記事では、クラウドマーケットプレイスの4つのトレンドを紹介している。

2022年のクラウドマーケットプレイスのトレンド
1) エンタープライズ企業はクラウド予算を増やす中、マーケットプレイス経由でのSaaS購入を増やす割合は90%に上る
2) クラウドマーケットプレイスは、エンタープライズ向けSaaSや利用量課金(Usaged-based)SaaSとの相性が良い
3) クラウドマーケットプレイスでの売りやすさ(例. カスタム無しで活用可能)は競合優位性になる
4)クラウドマーケットプレイスは、SaaS企業が全社で取り組むGTM戦略に昇華しつつある

ストラテジー

SaaSリーダー企業に聞くプライシングに関する学び

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デカコーン規模の業界のSaaSリーダー企業のLinkedIn、Airtable、ServiceTitanのプライシング責任者らによる、SaaSのプライシングに関するよくある間違いや押さえるべきポイントに関する記事。PMFと価格設定はどっちが先か?に関しては、PMFが間違いなく先だが、成功するSaaS企業はPMF直後にプライシングに取り組むと解説している。次にプライシングに関するよくある間違いとして、ゴールが曖昧であることを指摘。価格改定により何を改善したいのか?、”Start with a hypothesis-仮説からはじめること”の重要性を説いている。最後に、プライシング専門チームの設置の重要性についても提言している。

営業&マーケティング

グローバル展開を成功させるための3つの柱

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グローバルテクノロジー企業のC-class/VP経験者などで構成されるグロースプログラム Reforgeによるグローバル展開に成功するために押さえておくべき3つのポイントを解説している(以下)。

Product/Culture Fit: 国内で効率よく成長するためにPMFが重要なように、グローバル展開にはプロダクトと展開国のカルチャーとの適合が重要。
Customer Accessibility: "3Ps -Performance(性能), Pricing(価格), Payment methods(決済方法)"を現地のニーズに合わせることで、顧客が利用しやすいプロダクトにする必要がある。
Universal Currencies: "3Cs -Cash(現金), Content(コンテンツ), Connectors(現地のパートナーなど)"のような、国境を越えた成長の原動力となる普遍的な”通貨”を1つ以上が必要となる。

カスタマーサクセス

セルフオンボーディングのよくある7つの間違い
PLG推しの米VC Openview Venture Partnersによる記事。PLG、SLGによらずSaaSにおいて、顧客のオンボーディングの巧拙はチャーンに大きく影響する。実例からの学びなので、参考になるポイントがあると思います。

1)ハイコンテクストで営業やCS無しでは顧客には分かりにくい
2)入力箇所が全てブランクで顧客が利用初日で価値を感じられない
3)なぜこの機能が必要か、説明がない
4)In-productのガイドに依存し過ぎる
5)In-productのガイドの進行が速すぎる
6)サインアップがかんたん過ぎる
7)メッセージが不明瞭で混乱させる

プロダクト開発

PMF達成に向けたプロダクトディスカバリーの5つの学び
Tinder CPOやFB, TripAdvisorなどでPMを歴任したRavi Mehta氏の記事。B2C出身の方ですが、B2B PMにも十分通る内容なので、起業家/PMの方には参考になると思います。

PMFへのプロダクトディスカバリーの学び5(意訳)
1. 他分野事例から学ぶ
2. 少チーム+no codeで仮説検証を高速化する
3. 文章のコーチングに顧客はお金は払わない
4. 1,000のデータポイントより1つの会話
5. ソリューションではなく課題を愛せ

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ファイナンス

上場マーケットの大混乱がスタートアップに影響するか?
2022年テック企業のマーケット評価は厳しいスタートを切りました。未上場のスタートアップにも一定の"時差"で影響はありつつ、変更点と未上場への影響は軽減される材料はあります。変更点は、PERの復権やここ数年の急加速から"地に足の着いた"成長への揺り戻しが挙げられます。一方、未上場への影響が軽減される材料として、VCファンドの大型化とドライパウダー(ファンドの未利用資金)が豊富な点と、テクノロジーへの需要は依然として強い点が挙げられます。

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